15日のオンラインイベントで正式発表され、17日から予約受付がスタートしたiPhone 13シリーズ。
バッテリーやRAMの容量、チップの性能差など、AppleがiPhone 13について発表しなかったことがいくつも存在しているので、この記事でまとめておきましょう。
目次
- バッテリー容量
- バッテリーの残量は常時表示できない?
- A15 vs A14 Bionicの性能
- メモリ(RAM)容量の違い
- ProResとシネマティックモードの制限
- デュアルeSIMに対応
- プラスチック包装を廃止した新パッケージ
バッテリー容量
AppleはiPhone 13シリーズの電池持ちが昨年発売されたiPhone 12シリーズよりも長くなっていることをアピールしましたが、バッテリー容量については明かしていません。
法則に従えばiPhoneは本体の厚みによってバッテリー容量が変化します。
本体の厚みが7.7mmから最大8.3mmまで増加したiPhone 11シリーズはバッテリーが増量。最大8.3mmから7.4mmに薄くなったiPhone 12シリーズはバッテリーが減少。7.4mmから7.65mmに厚みが増したiPhone 13シリーズはバッテリーの増量が予想されます。
Chemtrec社によって公開された資料からiPhone 13シリーズのバッテリー容量は、iPhone 13 miniが+9%の9.34WHr、iPhone 13が+15%の12.41WHr、iPhone 13 Proが+11%の11.97WHr、iPhone 13 Pro Maxが+18%の16.75WHrであることがわかっています。
iPhone 12シリーズの電池持ちに不満を持っているのであれば買い替えを検討するのもいいでしょう。
iPhone 13 mini | iPhone 13 | iPhone 13 Pro | iPhone 13 Pro Max | |
---|---|---|---|---|
バッテリー容量 | 9.34WHr | 12.41WHr | 11.97WHr | 16.75WHr |
使用時間 |
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バッテリーの残量は常時表示できない?
iPhone 13シリーズでは、画面上部にあるフロントカメラの配置スペース――いわゆるノッチの大きさが20%も小型化されました。
ノッチの小型化によってパーセント形式のバッテリー残量の常時表示が復活するかと期待されていましたが、現時点で復活するような証拠は見つかっていません。まもなく公開される先行レビューで明らかになるでしょう。
バッテリー残量をパーセント表示する方法は以下の記事で詳しく解説しています。
A15 vs A14 Bionicの性能差
iPhone 13シリーズには全機種にA15 Bionicチップが搭載されています。最新のチップセットについて、Appleは“どのスマートフォンよりも高速”で、処理性能(CPU)は最大50%、グラフィックス性能(GPU)は最大30%高速だ、とアピールしました。
ただ、A14 Bionicチップとの性能差については一切言及していません。A14 Bionicを搭載するiPhone 12と比べて、あまり性能が変わらないのであれば、購入をやめようと考えている人もいるかもしれません。
Geekbenchに掲載されたiPhone 13 Proのベンチマークスコア(性能を数値化したもの)によれば、グラフィックス性能を測定できるMetalテストでは14216点を記録。昨年発売されたiPhone12 Proが9123点前後を記録しているため、A15 BionicのGPU性能はたった1年で55%も向上していることになります。
なお、5コアのGPUが搭載されているiPhone 13 Pro|13 Pro Maxの2機種に対して、4コアのGPUを搭載するiPhone 13|13 miniは、同じMetalテストで10608点を記録。A14 Bionicから約15%の性能アップですが、iPhone 13 Pro|13 Pro Maxと比較すると30%以上の大幅ダウンです。
高いグラフィック性能が求められるゲームアプリやAR、動画編集などのアプリを利用する場合は、iPhone 13 Pro|13 Pro Maxを選んだ方が良いでしょう。
なお、同じ6コアで構成されるCPUのベンチマークスコアはシングルコアが約1700点、マルチコアが約4500点を記録。A14 Bionicからシングルコアは約10%、マルチコアは約15%の性能アップに留まっています。
A15 Bionic | A14 Bionic | |
---|---|---|
シングルコア | 約1700点 | 約1600点 |
マルチコア | 約4500点 | 約4000点 |
グラフィック |
| 約9100点 |
メモリ(RAM)容量の違い
例によってAppleはA15 Bionicチップに搭載されているメモリ(RAM)の容量を明かしていません。
ただ、アプリ開発ツールのXcodeからiPhone 13|13 miniが4GB、iPhone 13 Pro|13 Pro Maxは6GBを搭載していることが判明しています。
今年は1TBが追加されたことで、かつてのiPad Proのようにストレージによってメモリの容量も変わるかもしれないと期待されていましたが、残念ながら昨年発売されたiPhone 12シリーズと同じ容量です。
ProResとシネマティックモードの制限
iPhone 13|13 Pro Maxのみ対応する「ProRes」。色の高い忠実性と圧縮の少なさでコマーシャルや長編映画、放送用の最終納品フォーマットとして幅広く使われている先進的なビデオコーデックで4K/30fpsの撮影が可能ですが、容量が最も少ない128GBモデルは1080p/30fpsの制限があります。
また、動画撮影で1つの被写体から別の被写体にフォーカスを切り替えることで、視聴者の視線を誘導するテクニック“フォーカス送り”をiPhoneが勝手にやってくれる「シネマティックビデオ」で素人でもプロのような撮影ができる一方で、解像度は1080p/30fpsで4Kには対応していません。
デュアルeSIMに対応
すでにiPhoneはデュアルSIMをサポートしていますが、物理SIMカードとeSIMを組み合わせた場合に限定されていて、eSIMによるデュアルSIMは利用できません。
iPhone 13シリーズでは、これまでのようにeSIMとSIMカードを組み合わせた使い方もサポートした上で、2つのeSIMを同時に利用できるデュアルeSIMに初めて対応します。
ただ、日本ではeSIMが始まったばかり(本格的には)で、SIMの差し替えに手間や時間がかかるため、すべてをeSIMにしてしまうのはおすすめできません。
プラスチック包装を廃止した新パッケージ
環境保護の観点から2025年までにプラスチックを完全廃止を掲げているApple。これを実現するためにiPhone 13でパッケージが刷新されます。
オンラインイベントでもiPhoneのパッケージを包装しているプラスチックのラップを廃止することで、600メトリックトンのプラスチックを削減すると明かしていました。
具体的にはプラスチック包装を廃止する代わりにパッケージをシールで保護するよう変更します。これによってパッケージの95%が紙ベースに。71%がリサイクル素材のため、より環境に優しいパッケージに生まれ変わります。
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