昨年からスマートフォンからの誤通報が急増しています。
原因はスマートフォンの新機能で、Appleは昨年発売したiPhone 14シリーズやApple Watchに衝突事故を検出機能を搭載したものの、スキーやスノーボード中の転倒でも誤検出して緊急通報する現象が世界各地で発生。
Androidでは、OSアップデートの仕様変更によって緊急通報が増加し、携帯各社が注意を呼びかけていました。
Androidでは電源ボタンを5回以上連続で押すと緊急通報
Androidでは、2021年から配信がスタートしているOSバージョンAndroid 12にて、電源ボタンを5回以上連続で押すと自動的に緊急通報先に発信するよう仕様が変更されました。
長野県警によれば110番への誤通報は2022年春ごろから増え始めており、結果的には前年に比べて2.6倍に急増したとのこと。昨年12月の緊急通報機能を使った誤通報のうち300件あまりのほとんどがAndroidからの通報だったとしています。
長野県警によると、2022年の110番への誤通報は前年から8253件増の1万3453件。前年の2・6倍に急増した。誤通報は「昨春くらいから増え始めた」と県警通信指令課の渡辺誠管理幹は話す。
- 引用元
- 朝日新聞デジタル
なお、iPhone 8以降にも同様の機能が備わっていますが、設定画面からオンにしない限りは利用できません。Androidの場合は、機種によって異なりソフトバンクはPixelシリーズ、Xperia 1 III、Xperia 5 III以外の機種は初期設定でオフになっていると案内しています。
以下の手順で設定を確認しておきましょう。
iPhoneでは衝突事故を検出すると自動で緊急通報
iPhone 14シリーズ、Apple Watch Ultra、Apple Watch Series 8、Apple Watch SE(第2世代)に追加された衝突事故検出は、新しいハードウェアと高度なアルゴリズム、100万時間分のリアルな運転データと衝突事故データを使って衝突事故を検出する機能ですが、ジェットコースターの緊急停止やスキー、スノーボード中に転倒して誤検出してしまうことが確認されています。
衝突事故を検出するとiPhoneがけたたましい音を鳴らし、本体が激しく振動して20秒間のカウントダウンがスタート。カウントダウンが止められない場合は利用者が重大な事故に遭っていると判断して緊急通報サービスに通報する仕組みで、音声メッセージで衝突事故にあったことを知らせるだけでなく、緯度と経度による座標とおおよその捜索半径まで伝えます。
長野県で多くのスキー場が存在する大北地域を管轄する消防本部では、昨年から1ヶ月弱で95件の誤通報があり、ほとんどがスキー場からのもので連絡を取れた持ち主に聞くとスキーやスノーボードでの転倒が配信の原因だったとのこと。
通報を受けた側では誤通報かどうかを判断できないことから各消防局・消防本部の担当者は誤検出した場合は「電話を切らずに間違って通報したと伝えてほしい」と呼びかけています。
また、同機能によって正しく車の衝突事故を検出してiPhoneが自動で119番通報し、救急に結びついたケースも1件あったと報じられています。
多くのスキー場を抱える大北地域を管轄する北アルプス広域消防本部(大町市)は昨年12月16日から誤通報の統計を取り、今月10日までに95件を確認した。ほとんどが北安曇郡白馬村、小谷村のスキー場からだった。連絡が取れた持ち主に聞くと、スキーやスノーボードでの転倒が発信の原因とみられた。
- 引用元
- 信濃毎日新聞デジタル
ニューヨークポストによれば、人気のスキー場があるニューヨーク北部の一部地域では誤通報が昨年比で22%増加しており、担当者はただでさえ忙しいのに負担になっていると答えたとのこと。同紙はAppleに対して誤通報しないよう改善するアップデートの可能性について取材したものの回答を得られなかったと伝えています。
なお、Appleが日本時間12月1日に配信したiOS 16.1.2では、衝突事故検出の最適化が実施されています。最新版にアップデートした上で、以下の手順で設定を確認しておきましょう。
コメントを残す