Appleが今年発売したiPhone 14シリーズには命を守るために2つの新機能が搭載されました。
1つは電波の届かない場所でも衛星通信を使って助けを求める機能(日本では利用不可)、もう1つは車の衝突事故を検出すると自動で緊急通報する機能です。
後者の衝突事故検出は車での利用を想定したものですが、発売から数ヶ月の間にジェットコースターに乗っている時に誤検出した問題がわずかながら報告されていました。
そして新たにスキーやスノーボードをしている時でも誤検出したことが報告されています。
衝突事故検出のオフは推奨しない
衝突事故検出は、今年発売されたiPhone 14シリーズ、Apple Watch Ultra、Apple Watch Series 8、Apple Watch SE(第2世代)に追加された新しいハードウェアと高度なアルゴリズム、100万時間分のリアルな運転データと衝突事故データを使って検知するもの。それでも誤って判断してしまうケースがあります。
KSL.comによると、アメリカユタ州においてスキーやスノーボードをしているiPhoneユーザーから衝突事故検出を介した通報が1日に3〜5件報告されているとのこと。
しかし、通報時は無反応で着信履歴からの折り返しではほとんど「ごめんなさい、スキーをしていたんだ。何も問題はないよ」と報告されるそうです。
もちろんiPhoneやApple Watchが衝突事故を検出しても即通報するわけではありません。
まずはiPhoneがけたたましい音を鳴らし、本体が激しく振動して20秒間のカウントダウンがスタートします。カウントダウンが止められない場合は利用者が重大な事故に遭っていると判断して緊急通報サービスに通報。音声メッセージで衝突事故にあったことを知らせるだけでなく、緯度と経度による座標とおおよその捜索半径まで伝えます。
それでもスキーやスノーボード中は、防寒のために帽子を深く被り、場合によってはヘルメットを装着することで耳が覆われ、分厚いウェアの内ポケットに入れられたスマートフォンの音は聞こえにくく、振動にも気づかない人が多いのかもしれません。
衝突事故検出を介して誤った通報を受けたスタッフは、誤った通報を迷惑に思うことはなく「本当に何かあったときのために連絡を取りたいから誤った通報を受けることは気にしない」「衝突事故検出をオフにすることは望まない」と答えています。
ただ、これはあくまでも米国の話で日本ではどのように受け止められるのかは分かりません。
なお、Appleが日本時間12月1日に配信したiOS 16.1.2では、iPhone 14シリーズでの衝突事故検出の最適化が実施されているのでアップデートしておきましょう。