- KDDIは2020年、4G基地局を5Gに転用し始め、エリアを拡大しました。
- 今ではその戦略が正しかったと評価され、通信品質も他社より優れているとされています。
- KDDIは2024年度から5G普及期に入り、最大1/100まで抑えていた出力を引き上げ、エリアの2倍拡大を予定しています。
KDDIが通信品質向上の取り組みに関する記者説明会を開催し、2024年度に5G(Sub6)エリアが2倍に拡大することを発表しました。
これまで高速大容量・低遅延といったメリットをあまり実感できなかった5Gが今年は本格化しそうです。
5G導入期:正しかった“なんちゃって5G”
KDDIは2020年3月に5Gサービスを開始。まずは5G導入期として4G基地局を5Gに転用することで、より広いエリアで5Gに繋がるよう整備を行ったと説明します。
4G基地局を5Gに転用することによって、スマートフォンのアンテナに5Gと表示されるエリアが急速に拡大した一方で、周波数そのものは4Gであることから高速・低遅延といった5Gの特徴は感じられず、ドコモから“なんちゃって5G”と揶揄されることもありました。
しかし、5G開始から3年以上が経過した今、なんちゃって5Gと揶揄したドコモがパケ詰まりに苦しみ、なんちゃって5Gを積極的に拡大してきたKDDIとソフトバンクの通信品質がドコモよりも優れていると評価されている状況を考えると、KDDIの戦略が正しかったように思えます。
5G普及期:広帯域と圧倒的な基地局数が強力な武器に
KDDIは2024年度以降を5G普及期と位置付けて、高速・安定した通信速度を実感できる5G新周波数のエリアを2倍に拡大する方針です。
現在は衛星通信との干渉を抑止するためにSub6の出力を抑制していますが、2024年4月以降に干渉条件が緩和されることに伴い、最大1/100まで抑えている出力を引き上げてエリア倍増を実現します。
衛星通信の干渉条件緩和が与える影響は他社も同じですが、KDDIは合計帯域幅200MHz(100MHz2つ)のSub6と、3月末までに開設する約3.4万局のSub6基地局が他社をリードする武器になるとし、他社よりも優れた5Gエリアの構築に自信を見せます。
ちなみに、ドコモはKDDIと同じ合計帯域幅を保有していますが基地局は半分以下。ソフトバンクが保有する帯域幅は半分で基地局数は1/4以下。楽天モバイルは帯域幅が半分で基地局数は半分以下となっています。
KDDIは5G新周波数のエリアが2倍に拡大する具体的なメリットについて、最近増加している動画視聴やスポーツのライブストリーミングといったニーズを支えられると答えていました。
これまでの5Gはエリアが限定されている上に、繋がったとしても早いかどうかわからず、それほどありがたみがなかったものの、2024年4月以降は大きく変わりそうです。
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