発火多発でモバイルバッテリーなど3品目の回収義務づけ。ハンディファンなども検討対象に
Yusuke Sakakura

Yusuke Sakakura
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経済産業省は、リチウムイオン電池が使われているモバイルバッテリー、携帯電話・スマートフォン、加熱式たばこの3品目を指定再資源化製品に追加指定しました。
これにより製造メーカーは使用済み製品の回収を義務付けられることになります。
追加指定されたこれら3品目は、リチウムイオン電池を簡単に取り外すことができず、廃棄物処理の際に発火するケースが相次いでいました。
総務省が2023年に全国43市を対象におこなった調査によると、不燃ゴミに混入していたリチウム蓄電池関連製品の割合は、加熱式たばこが15.9%、携帯電話12.4%、モバイルバッテリー11.8%でした。
また、環境省の発表によれば、2023年度にゴミ収集車やゴミ処理施設などで発生した小型リチウム蓄電池による発煙・発火事故は21,751件にのぼったとのことです。
ハンディファンやワイヤレスイヤホンも?
製造事業者や輸入販売事業者が以下の生産量または販売量の要件を満たす場合、勧告・命令の対象となり、従わない事業者には罰金が科されます。
利用者は店舗や自治体の回収ボックスに持ち込むなど協力する必要があるものの、罰則はありません。
- 電源装置:1000台
- 携帯電話用装置:10,000台
- 加熱式たばこ:300,000台
- シェア約9割をカバーする水準
今回の追加品目に含まれていないハンディファンを含むリチウムイオン電池を使用した製品については、リサイクル現場等における火災事故の原因調査の結果を踏まえつつ、製品の流通実態の把握等を行い、指定に係る検討を行うとするとしており、将来的に回収が義務付けられる可能性があります。
WG委員の所感にはワイヤレスイヤホンも含まれています。
モバイルバッテリーは回収量増加、スマホは減少
経済産業省の報告によると、モバイルバッテリーは2017年4月より回収がスタートし、現在の回収量は当初の約30倍に増加しています。
- 現状会員企業60社以上のモバイルバッテリーを回収
- 全体のリチウムイオン電池回収量(自転車用は除く)のうち、モバイルバッテリーは21%の占有率
- 協力店での産業廃棄物としての回収に加え、全国730弱の自治体において一般廃棄物としても回収
携帯電話やスマートフォンは、携帯ショップなど全国約8,500店舗で自主回収を実施。
平成13年から22年間で約1億5000万台の使用済み端末を回収し、70.4%を再資源化していると報告されています。
一方で、機種代金の高額化や買い替えサイクルの長期化、下取り→リセールの増加、SIMカードなしでの利用増加などの要因でリサイクル目的の回収台数の回収率は減少傾向にあります。
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