OpenAIもAIブラウザ開発、数週間以内に提供と報道。Google Chromeの牙城崩せるか
Yusuke Sakakura

Yusuke Sakakura
ブログメディア「携帯総合研究所」を運営しています。学生時代に開設して今年が16年目。スマートフォンの気になる最新情報をいち早くお届けします。各キャリア・各メーカーの発表会に参加し、取材も行います。SEの経験を活かして料金シミュレーターも開発しています。

ウェブ検索のAI導入が進むなか、ブラウザもAIによって大きな変革を迎えようとしています。
PerplexityがAIによる行動支援まで備えたブラウザ「Comet」を発表した今日、OpenAIも独自のAIブラウザを開発しているとロイターが報じました。
OpenAIもAIブラウザを開発。提供は数週間以内か
ロイターによると、OpenAIは数週間以内にAIブラウザを提供する予定で、AIを通じてウェブ閲覧を根本から変えることを目指しているとのことです。
従来のような検索ワードを入力し、検索結果からリンクをクリックして、ウェブサイトを巡回する形式ではなく、ChatGPTのようなチャット形式のUIを採用する見込みです。
すでにChatGPTには週間5億人超のアクティブユーザーが存在しており、ユーザーは使い慣れたインターフェースのまま、AIブラウザに移行できる可能性があります。
さらに、OpenAIのAIエージェント「Operator」も統合される見通しで、予約の手続きやフォーム入力といった面倒な操作をAIがユーザーに代わって実行するといった便利な機能が搭載される可能性があります。
Googleの独禁法問題による変革
PerplexityやOpenAIがAIブラウザの提供を急ぐ背景には、検索とブラウザの両分野におけるGoogleの支配とそのやり方が世界的に問題視されており、立場に揺らぎがあることが関係しているのかもしれません。
Googleはこれまで、検索エンジンやブラウザのデフォルト設定を維持するために以下のような行為をとってきたことが明らかになっています。
- Appleに対して
- 検索エンジンのデフォルトをGoogleにするために年間数兆円を支払う
- Androidメーカーに対して
- Google Playの搭載を許可する代わりに、ChromeのプリインストールとGoogle検索のデフォルト設定を求める
- 広告収益を分配する見返り代わりに、Chromeをデフォルトブラウザに設定するよう条件付ける
こうした行為を問題視した米司法省は反トラスト法(独占禁止法)違反としてGoogleを提訴し、昨年の判決ではGoogleが敗訴。また、日本でも公正取引委員会が同様の行為を問題視し、取りやめを求める排除措置命令も出しています。
今後、こうした対価によるデフォルト設定の強制が規制された場合、デバイスのセットアップ時に、検索エンジンやブラウザをユーザー自身が選択できるような仕組みを導入したり、義務化される可能性もあります。
PerplexityやOpenAIは、このような変化を見越してユーザーに選ばれるブラウザとなるための準備を進めているのかもしれません。
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