Pixel WatchがFeliCaに対応したことで歓喜の声があがったものの、PASMOやiD、QUICPayは利用できず、定期券やグリーン券、おトクなきっぷに対応していないことがわかると、一転して悲哀に変わりました。
できないこと、足りないものは決済機能だけではありません。
Googleは買収したFitbitの健康とフィットネス機能をPixel Watchに導入し、深く統合すると説明していましたが、利用できないFitbit機能がいくつか存在しています。
その一方で、Pixel Watchだけで利用できる機能もあるため、この記事ではPixel WatchとFitbit(Fitbit Sense 2 / Fitbit Versa 4)の違いをまとめています。自分にとって最適なスマートウォッチを判断するために参考にしてください。
目次
Pixel WatchとFitbitの違いを比較
スペック | Pixel Watch | Fitbit Sense 2 | Fitbit Versa 4 |
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デザイン | |||
カラー | ステンレススチールPolished SilverMatte BlackChampagne Gold | アルミニウムグラファイトプラチナソフトゴールド | ステンレススチールグラファイトプラチナカッパーローズ |
価格 |
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大きさ | 41 x 41 x 12.3 mm | 40.5 x 40.5 x 11.2mm | 40.5 x 40.5 x 11.2mm |
重さ | 36 g | 37.64 g | 37.64 g |
ディスプレイ |
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チップ |
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? | ? |
メモリ | 2GB | ? | ? |
電池持ち |
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防水 | 5ATM | 5ATM | 5ATM |
対応スマホ |
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主要機能 |
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Fitbit アクティビティの記録 |
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Fitbit 心臓の健康管理 |
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Fitbit ストレスのモニタリング |
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Fitbit 睡眠記録 |
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血中酸素ウェルネスのモニタリング |
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月経周期トラッキング | ○ | ○ | ○ |
緊急情報および緊急通報 |
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転倒検出 | ◯ | X | X |
センサー |
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Pixel Watchで利用できない機能
GoogleはFitbitを深く統合したと説明し、40種類以上のエクササイズモードに対応していますが、健康管理・ストレス管理・睡眠管理において機能をフル装備しているわけではなく利用できないものが多数存在しています。
心電図測定
事前に予測していたように、Pixel Watchは心電図測定に対応していますが、日本では認可問題で心電図を測定することはできません。
Googleは規制当局と協力してなるべく早く日本でも心電図機能が利用できるように動いているようですが、抽象的な日時さえ明らかになっていません。
Appleが心電図測定を日本で開始するまで数年かかったことを考えると、Googleも同じように時間がかかる可能性があります。
心電図機能は2018年9月発売のApple Watch Series 4に搭載されたものの、日本で心電図機能が利用可能になるまで2年以上を要しました。
不規則な心拍の通知
いくつかのFitbitデバイスは、不規則な心拍の通知に対応していますが、Pixel Watchでは利用できません。
不規則な心拍の通知は、心房細動の兆候が確認された時にユーザーに通知する機能です。
不規則な心拍リズムを放置しておくと、心臓内で血栓を引き起こして脳卒中や心臓まひ、心不全、その他の合併症につながる可能性があることから、早期診断と早期治療が重要で、この通知機能に命を救われたとの声が世界中で報告されている重要な医療機能です。
医療機能のため心電図と同じように認可が必要です(Fitbit対応機種でも現状、日本では利用できません)
心電図機能は認可問題さえクリアすれば、いずれ利用可能になる一方で、機能そのものに対応していないPixel Watchでは、不規則な心拍の通知が利用できることはありません。
エクササイズの自動認識なし?
Fitbitでは、いくつかのエクササイズを自動的に認識します。
動画の録画ボタンを押し忘れるように、ついついワークアウトの開始ボタンを押し忘れた時でも自動でトラッキングしてくれる便利な機能ですが、Pixel Watchでは、ワークアウトの自動開始/停止/一時停止には対応していません。
ただし、Fitbit広報によれば、早歩きなど一部の運動を対象に運動終了後の自動認識が可能。自動認識された運動のログはFitbitアプリに記録されます。
また、2023年6月14日にアップデートでワークアウトを休憩したときに一時停止し、もう一度動き出したらワークアウトを自動で再開する機能が追加されました。
- ウォーキング
- ランニング
- サイクリング
- クロストレーナー
- ローイング
水泳のストローク数
Fitbit Sense 2では、水泳のストローク(水をかいた回数)を記録できますが、Pixel Watchでは記録できません。
ストレスのモニタリング
Pixel Watchは、ストレスに対する身体反応の兆候の少なさを100点満点で点数化したストレスマネジメントスコアに対応しています。
一方で、ストレスの兆候を24時間監視して通知する機能と、皮膚電気活動センサーによるストレスマネジメント、週末のサマリー、振動に合わせて呼吸を繰り返すことでリラックスしてストレスを解消するガイド付き呼吸セッションには対応していません。
便利な睡眠・起床機能
浅い眠りと深い眠りの「睡眠ステージ」と、睡眠の時間・質(深い眠りの時間)・回復(睡眠中にどれぐらいリラックスしているか)を100点満点で記録した「睡眠スコア」に対応しています。
残念ながら便利な睡眠・起床するための機能等には対応していません。
- 毎月1日にユーザーの睡眠分析に関するデータをまとめた「睡眠プロフィール」
- リラックスしてスムーズに就寝できる「睡眠用のマインドフルネスコンテンツ」
- 音ではなく振動によるアラーム機能「サイレントアラーム」
- 睡眠のパターンを分析してアラーム設定時刻の30分前から最も睡眠が浅く、目覚めのいいタイミングで起こしてくる「スマートアラーム」
血中酸素濃度の継続的な計測
Pixel Watchには、血中酸素センサーが搭載されています。運動中の最大酸素摂取量から体力レベルを推定して、有酸素運動のフィットネススコアを記録できます。
ただ、毎晩の血中酸素ウェルネスの平均値、値の変動、一定期間における傾向を記録することはできません。
iPhoneには非対応
Pixel Watchを利用するには、Android 8.0以降をインストールしたデバイスが必要です。
Apple WatchがAndroidスマートフォンで利用できないように、Pixel WatchはiPhoneでは利用できません。
Pixel Watchだけで利用できる機能
FitbitではなくPixel Watchを選ぶ要素はここに詰まっています。
4G LTEモデルが選べる
近くにスマートフォンがなくても、音声通話、テキスト メッセージの受信、アプリからの通知などが利用できる4G LTEモデルが用意されています。対するFitbit Sense 2/Versa 4は、4G LTEおよびWi-Fiには対応していません。
ワークアウト中など、手元にスマートフォンがあると邪魔な時に重宝する機能です。
Bluetooth / Wi-Fiモデルは39,800円、4G LTEモデルは47,800円です。
Googleサービスに対応
Googleアシスタント、Google Pay、Googleマップ、Gmail、Googleカレンダー、YouTube Music、Google PlayといったGoogleサービスに対応しています。
Googleマップでは、付近の地図を表示しながら経路を案内して、現在地の確認と目的地への到着をサポート。Googleアシスタントを利用した音楽の再生、テキストメッセージへの返信、ルート検索、Gmailの返信、カレンダーの確認、YouTube Musicのストリーミングと一時保存した曲を楽しめます。
また、Google PlayからSpotifyやLINEなどのアプリをダウンロードすることも可能です。
Googleマップのルート案内については、Fitbitも近日中に対応する予定ですが、機能差があるかもしれません。
緊急通報と転倒検出
素早くリューズを5回押して緊急通報したり、指定した緊急連絡先を呼び出す緊急SOSのほか、激しく転倒して反応がない時に自動的に通報する転倒検出機能に対応しています。
激しい転倒を検出して約30秒間動いてないと判断すると振動してアラームが鳴り、画面上に通知が表示されます。転倒後も動ける状態であれば通知をキャンセルしたり、緊急通報してすぐに助けを呼ぶことができます。
転倒した人が文字盤を操作できないほど重傷を負っている場合は、アラームが約1分間鳴り続け、最後の数秒間は音量をアップして応答を呼びかけます。それでも応答がない場合は自動的に緊急通報して、位置情報と共に助けを求める自動メッセージを再生して助けを呼びます。
なお、LTEモデルは通信が可能な状態であれば単独で緊急通報が可能ですが、Wi-FiモデルはペアリングしたスマホがBluetoothに接続されていて通信圏内にある必要があります。
心配なのは激しい動きやスキーやスノボの転倒など意図しない時に転倒検出機能が動作することですが、モーションセンサーとアルゴリズムによって正確に検知し、誤通報の可能性を最小限に抑えるためにさまざまな転倒データなどの動作パターンを使ってトレーニングされているとGoogleは説明しています。
4G LTEに接続したPixel Watchでは、一部の地域を除いて国際緊急通話にも対応しています。