Pixel WatchのヒットでGoogleがスマートウォッチ市場でシェア2位を獲得
昨年ようやく待望のGoogle製スマートウォッチ「Pixel Watch」が発売されました。
スマートフォンとの連携は貧弱でSuicaはオートチャージや定期券等に非対応、iD・QUICPayが使えない、個人的にはサイレントアラームが使えないといった不満はありながらも、美しいデザインで多くのファンーー特に女性からの関心を集めることにも成功。
昨年秋の発売からわずか数ヶ月でXiaomi、HUAWEI、Samsungといった競合を上回り2022年第4四半期の出荷台数シェアで2位を獲得したことがわかりました。
canalysに調査によると、2022年10月〜12月におけるPixel Watchの出荷台数は88万台を記録。全体で8%のシェアを獲得したとのこと。
なお、Pixel Watchの販売台数はGoogleストアで公開されているコンパニオンアプリのダウンロード数から50万台以上であると予測できます。当然ながらcanalysの調査と実態に誤差が少しもないわけではありませんが、店頭に並ぶ出荷台数と消費者の手に渡る販売台数のギャップが大きな要因でしょう。
もちろんGoogleが出荷したウェアラブルデバイスはPixel Watchだけでなく、依然として人気の高いFitbitシリーズも存在しており、Fitbitは同期間で400万台を出荷しているため、まだ多くの人はコストパフォーマンスの高いFitbitを選択しています。
スマートウォッチ全体の出荷台数が前年比で18%減少(初めての2桁の減少)するなど、市場全体が下火になっていることを受けてGoogleも25%のマイナス成長になったものの、Pixel Watchの発売が16%のプラスに働き、減少が緩和されていると報告されています。
Googleを上回り1位を獲得したのは、やはりAppleでした。
昨年秋に耐久性に特化したまったく新しいデザインと36時間(最大60時間)の電池持ちを誇る「Apple Watch Ultra」を発売したものの、前年同期比で17%のマイナスを記録。ただ、それでも全体のうち27.5%の圧倒的なシェアを獲得して2位以下を大きく引き離しています。
2023年のスマートウォッチ市場は昨年ほどの話題性はなさそうです。Pixel Watch 2の噂も聞こえてきません。
ただ、Googleがより多くのシェアを獲得するためにやるべきことは、次のハードウェアを出すことでなくソフトウェアの強化でしょう。
Pixelスマートフォンとの基本的な連携機能(機内モードやおやすみモードの同期機能など)、振動を使ったサイレントアラーム、日本ではSuicaを含むタッチ決済の強化、日本のユーザーにもできるだけ早く使っていただきたいと説明していた心電図(ECG)測定の対応など、要望や不満はハードウェアよりもソフトウェアに集中しています。
Googleは現地時間5月10日から開発者向けのビッグイベントGoogle I/O 2023を開催すると案内しており、同イベントにてソフトウェアの大幅な強化が発表されることに期待します。
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