チャンネル登録者1650万人を誇る海外YouTuberのMKBHDこと、Marques Brownleeが2022年のベストスマートフォンを発表しました。
ベストスマートフォンは「ベストビッグフォン」「ベストスモールフォン」「ベストカメラ」「ベストバッテリー」「デザインアワード」「ベストバリュー」「MVP」の7部門で選出されています。
ベストバリューを除けば、どれも納得のいく結果になっていると思います。
ベストビッグフォン:Galaxy S22 Ultra
大画面、大容量の電池、大型のスピーカー、優れたカメラを搭載し、巨大なスペースを有効活用したことを理由に「Galaxy S22 Ultra」がベストビッグフォンに選出されています。
専用のペンデバイス「Sペン」に対応した6.8インチの巨大なスクリーン、5,000mAhの大容量バッテリー、優秀な望遠レンズなど優れたマルチレンズのカメラ、良いスピーカー、良いソフトウェアなど、ハードウェアに欠点がなくやり尽くした感があると評価しています。
この評価に同意しない人はごくわずかでしょう。Sペンを本体に収納できるようになったことでNoteシリーズの正当な後継機となり、スマホ離れした圧縮効果が楽しめる光学10倍の望遠レンズも個人的なお気に入り。
GoogleのPixelスマートフォンを超えるほどの長期間のアップデート保証も魅力的です。
MKBHDはベストビッグフォンの次点としてASUSがゲーミングスマホブランドとして展開するROG Phone 6を選出。Galaxy S22 Ultraと大きく変わらないものの、ワイヤレス充電に対応していないことを欠点に挙げています。
また、大きなボディと巨大なスクリーンを通常のスマートフォンと変わらない厚さに折りたためる「Xiaomi Mix Fold 2」も賞賛しています。
ベストスモールフォン:Zenfone 9
相変わらずスマートフォンの巨大化は止まらず、Appleがminiモデルを廃止するなど、レアなカテゴリーになっているスモールベストフォンとして「Zenfone 9」が選出されています。
昨年ベストスモールフォンとして選出されたiPhone 13 miniに比べると、1つ上のサイズでスモールと言えるかは微妙なところですが、幅68.1mmで片手でしっかりホールドして操作できるコンパクトサイズが特徴です。
Snapdragon 8+ Gen1、1080p/リフレッシュレート120Hzの5.9インチ有機EL、優秀なソフトウェア、膨大なメモリ(RAM)と高速な動作、優秀なカメラといったフラグシップ級の性能が比較的コンパクトなボディに詰まっていること、有線イヤホンの搭載、優秀な電池持ちが選出理由とのこと。ちなみに、日本モデルはFeliCaも搭載しています。
個人的なお気に入りはシンプルなデザイン(巨大なカメラを除けば)です。可動式レンズのフリップカメラを廃止し、コンパクトの道を選んだことは成功だと思います。新開発の表面処理を施した心地良い背面も素晴らしい決断ですが、懸念していたとおり劣化問題があるとMKBHDは報告しています。
次点にはパスポートサイズの折りたたみスマートフォン「OPPO Find N2」を挙げています。初代モデルから気になっているモデルですが、残念ながら現時点で中国外での販売はアナウンスされていません。
ベストカメラ:iPhone 14 Pro
ベストカメラ(ベストカメラシステム)に選出されたのは「iPhone 14 Pro」です。これでiPhoneは4年連続での受賞になりました。
ちなみに、MKBHDが開催した60万人の視聴者投票によるカメラテストで最も優秀と評価されたのは「Pixel 6a」でしたが、テストで評価されたのは通常(屋内)、暗所(屋外)、ポートレートの3つのシーンによる写真撮影のみ。
MKBHD自身が選ぶ今回は写真だけでなく、動画の画質に加えて、シャッタースピード、オートフォーカスの信頼性、ファイルフォーマットなどが評価基準になっているとのこと。
写真の評価はA-からB+(A+が最高評価、次にA、そしてA-,B+,B,B-..と続きます)であるものの、動画に関しては別次元と評価。音や色の一貫性、ProRes、シャープネスが優れていると評価しています。
ベストバッテリー:ROG Phone 6
バッテリー容量だけでなく、充電にかかる時間や1回のフル充電でどれぐらい電池が持つのか、機能性、バッテリー寿命も考慮されて選出されるベストバッテリーには「ROG Phone 6」が選出されています。
バッテリーは5,000mAhでも超大容量と表現しますが、ROG Phone 6は6,000mAhで驚異的な容量です。充電性能は65Wの急速充電に対応しており、1時間未満でフル充電が可能。
また、リフレッシュレートを最大165Hzから最小60Hzまで下げることで電池持ちを節約したり、充電容量を制限したり、システムに直接給電することで電池の寿命に影響する発熱を回避するバイパス充電など、バッテリー管理機能も充実しています。
唯一の欠点は同価格帯のほぼすべてのスマートフォンが対応しているワイヤレス充電に対応していないことだと指摘しています。
次点には消費電力に影響する高リフレッシュレートには対応せず、大容量のバッテリーを搭載、ワイヤレス充電に対応している「iPhone 14 Plus」を選出、さらにワイヤレス充電には対応していないものの、驚愕の電池持ちと評価する「Zenfone 9」を挙げました。
デザインアワード:Nothing Phone (1)
最も主観的であることから毎年選考が難しいとするデザインアワードには「Nothing Phone (1)」が選ばれています。
前年と同じような見た目の機種にデザインアワードはふさわしくないとした上で、間違いなく新しい挑戦とするNothing Phone (1)のスケルトンボディを高く評価しています。
なお、通知を受信したり、動画の撮影中にライト代わりに使用したり、充電中のバッテリー残量、ワイヤレス充電の開始に伴ってLEDで背面が光るGlyphインターフェースについては、購入して1週間は楽しむけど2度と使わないだろうとのこと。その通りです。
それでもNothing Phone (1)以外のスマートフォンをデザインアワードに選ぶのは難しいでしょう。実際に買うかどうかは置いといて、今年最も多くの人が見た目だけで興味を抱いたスマートフォンです。
次点にはベストビッグフォンの次点としても選ばれた折りたたみスマートフォンの「Xiaomi Mix Fold 2」を挙げています。閉じた時には普通のスマホと変わらない厚さで、ポケットに入る大きさながら巨大なスクリーンを展開できる実用的なデザインが評価されています。
ベストバリュー:Pixel 7
ベストバリュー、最もお得なスマートフォンには「Pixel 7」が選出されました。
もう1つの高額なフラグシップモデルと同じTensorチップ、同じメインセンサーを採用したカメラ、90Hzの有機ELフラットディスプレイを搭載するなど、599ドルでこれだけの機能が揃った機種はそうそうなく、今まで見てきた中で最高の599ドルのスマートフォンと評価しています。
次点には、あと一歩のところで及ばなかったとして699ドルの「Zenfone 9」が挙げられています。Snapdragon 8+ Gen1、膨大なメモリ(RAM)、リフレッシュレート120Hzのフラット有機EL、指紋認証センサー、イヤホン端子、驚異的な電池持ちもお気に入りとのこと。
さらに、400ドル以下の価格帯では「Realme 10 Pro+」をピックアップ。6.7インチのディスプレイ、5000mAhの大容量バッテリー、中でもカメラを高く評価しています。60万人が参加したカメラテストでは、全体ランキングでiPhone 14 Proを抜いて16機種中6位にランクインし、票数を販売価格で割ったコスパランキングにおいても2位を獲得しました。
個人的にベストバリューはPixel 6aだと思っていますが、日本ではPixel 7の値上げ幅の方が大きかったのに対して、海外では販売価格をキープしたことでおトクさ/コスパの感覚に違いがあるのかもしれません。
MVP:Pixel 7
ベストバリューに選ばれた「Pixel 7」がMVPにも選出されました。
驚きのカメラ、優秀なディスプレイ、フラグシップのソフトウェア体験、本当に良い電池持ちなど足りないものが無いと評価。300ドル/約42,000円を多く支払って望遠レンズや+30Hzのリフレッシュレートなどのために上位モデルのPixel 7 Proをおすすめするのは難しいような価格と表現しています。
優れた音声アシスタントやリアルタイムで文字起こしが可能なボイスレコーダー(これは本当に便利なキラーアプリです)、連絡先に登録されていない電話番号など相手がわからない番号から着信があった時や運転中など通話できない時にGoogleアシスタントが代わりに要件を聞いてくれる「通話スクリーニング」も高く評価しています。
惜しくもMVPにはならなかったものの、驚くべきパフォーマンスと電池持ちを実現し、視聴者投票でトップ3にランクインしたカメラを搭載した「Zenfone 9」が次点に選ばれています。