Nothing Phone(1)レビュー:2022年MVPスマートフォン誕生の予感

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Yusuke Sakakura最終更新日:2022/08/15 14:47

Nothing Phone(1)レビュー:2022年MVPスマートフォン誕生の予感

イギリス・ロンドンを拠点にする非上場企業のNothingが、Androidスマートフォン「Nothing Phone (1)」を発売しました。

「余計なものは省き、本質を追求する。」を掲げたガラスで覆われたスマートフォンをパッケージから取り出して、電源を入れるとほとんどのアプリがダウンロードされていません。TwitterやInstagramといった定番アプリもなし、Google標準のアプリとカメラやレコーダーのオリジナルアプリがわずかに入っているだけ。見た目だけでなく、スマートフォンの利用体験もクリーンです。

光で強烈なインパクトを与えるGlyphインターフェースを搭載する他では見たことのない1台は、スマートフォンで実績がない企業が開発したにも関わらず、世界中から大きな注目を集めて20万台以上の先行予約を獲得。

8月の日本発売前に「Nothing Phone (1)」を手にして使ってみたところ、見た目のインパクトだけでなく、6万円台のスマートフォンとしてはあり得ないほど充実のスペックによって軽快な動作や安心の電池持ちが実現され、アップデートも長期保証されるなど、早くも2022年のMVPスマートフォンに推したい1台になっていました。

Nothing Technology

目次

魅力的なミッドレンジスマホ。日本では8月発売

魅力的なミッドレンジスマホ。日本では8月発売

海外で7月21日に発売されたNothing Phone(1)は、8GBのRAMと128GB/256GBのストレージを搭載したモデルと、12GBのRAMと256GBのストレージを搭載したモデルの3バージョンが用意されています。

カラーは、とても選択が悩ましいホワイトとブラックの2色展開で、イギリスなど40以上の国と地域で7月21日に発売され、日本ではメモリとストレージ容量の異なる3モデルが8月19日(金)に発売。Nothing公式サイトやAmazon.co.jpなどで10日0時から予約受付がスタートしました。

販売価格は63,800円から。日本では激戦化している中価格帯のスマートフォンに、頭を悩ませる強力な選択肢がまた1つ追加されます。

日本販売モデル
  • 8GB メモリ+128GB ストレージ:63,800円
  • 8GB メモリ+256GB ストレージ:69,800円
  • 12GB メモリ+256GB ストレージ:79,800円

個人的に驚いたのは、日本投入までのスピード感。時代は違うものの、AppleやGoogleが日本でスマートフォンを発売するまでには、初代モデルの発表から数年かかりましたが、Nothingは初年で実現しました。

この驚くべきスピード感を実現した理由の1つはローカライズがあります。察しのとおりNothing Phone(1)は、IP68など高い等級の防水防塵(IP53対応)やおサイフケータイには対応していません。

それを考慮してもNothing Phone(1)は、かなり興味を惹かれるスマートフォンになっています。

Nothing Phone (1)
Nothing Phone (1)¥ 63,8002022年MVPスマートフォンの筆頭候補。背面が透けて見えるスケルトンボディに、光と音が連動して通知する900超のLEDを内蔵した見たことないデザインを採用。見た目だけではなく、なめらかな映像が楽しめるリフレッシュレート120Hzの有機ELディスプレイと15Wのワイヤレス充電を搭載。ピュアなAndroidに近いNothing OSは、3年間のOSアップデートと、4年間セキュリティアップデート付きで長期利用も安心です。

ハデに光るだけではないGlyphインターフェース

上下左右対象のベゼルを採用

上下左右対象のベゼルを採用

Nothing Phone(1)のボディは、100%リサイクルされたアルミ素材のフラットエッジフレームと両面強化ガラスで構成されています。

パンチホール付きのディスプレイは、Androidスマートフォンとして初めての試みという上下左右対称のベゼルを実現。パンチホール化の噂もある将来のiPhoneを先取りしたかのようなデザインと質感。スマホに詳しくないiPhoneユーザーも「なんかiPhoneみたいだね」との感想。

背面はワイヤレス充電のコイルの形状が透けて見えるスケルトン仕様です。少年期にゲームボーイやコントローラー、デジモン、ヨーカイザーなどあらゆるものがスケルトン化された筆者。当時はまったく興味はなかったものの、プラスチックではなく透明度の高いガラスを使用したNothing Phone(1)には心が大きく惹かれます。

Nohting Phone(1)のブラックカラー

Nohting Phone(1)のブラックカラー

Nothing Phone(1)の最大の特徴は、背面のガラスケースに収められたGlyphインタフェースです。

カメラ、右上のコーナー、ワイヤレス充電のコイル、ボトムの「!」と4つのエリアに印象的に配置された目を惹く974個のLEDは、全20パターン(着信音10個+通知10個)の音と光の信号で着信やアプリの通知をお知らせしてくれます。

Glyphは、子供騙しのように音と連動して大胆に光るだけではなく、大切な人からの着信を逃さないように着信相手ごとにパターンを変えることも可能。さらに、Twitterのダイレクトメッセージと緊急アラートのGlyphを変えるなど、同じアプリでも通知の種別によってパターンを変えることもできます。

音と連動した光で通知するGlyphインタフェース

音と連動した光で通知するGlyphインタフェース

選んだパターンによってはGlyphが強烈に光るので、寝ている時に着信や通知があると、睡眠の妨げになることもありますが、設定画面でスライダーを引っ張ることで明るさは調整可能。事前に設定した就寝・起床時間の間、オフにすることもできます。スマホを使わない時間を学習してGlyphを自動でオフするといったオプションは用意されていません。

設定画面でアプリや着信相手ごとにパターンを変えられる

設定画面でアプリや着信相手ごとにパターンを変えられる

ほかにも画面を伏せた状態でNothing Phone(1)を少し揺らすと、ボトムに配置された「!」のGlyphがバッテリー残量の目安を教えてくれる楽しい機能に加え、リバースチャージが成功しているか確認したり、画面を伏せて置くと着信音やバイブレーションをすべて無効化して光だけで通知してくれるジェスチャー機能、Glyphをカメラのリングライト代わりに使用できる便利な機能も用意されています。

スマートフォンのフラッシュライトは光が1点に集中して不自然な仕上がりになることがほとんどですが、背面全体に配置されたGlyphは均一的に明るくするため、フラッシュライトに比べて自然な写真の仕上がりになります。

「!」のGlyphがバッテリーの残量をお知らせ

「!」のGlyphがバッテリーの残量をお知らせ

電池持ちにうるさい人は、Glyphによるバッテリーへの影響を気になるでしょう。Nothingによれば、Glyphの消費電力は最大300mAh、通常時20-100mAh(設定する光のパターンで変わる)で、最大消費電力時でも10万時間、Glyphによるバッテリーへの影響はほぼ無視できるとのこと。

それでも電池持ちが気になる場合は、クイック設定パネルからすぐにオフることも可能。バッテリー残量が少なくなったら自動でオフになる機能も備えています。

Glyphは光り方がハデで、ただ目を惹くための装飾品ではなく、利便性もケアされた機能ですが、おそらく多くの人が感じているであろう疑問は残っています。

問題の1つは、Glyphは着信相手やアプリによって光のパターンを割り当てられるものの、光り方で着信の相手やアプリを識別するのは難しく、登録が増えるほど複雑化して識別が困難になること。重要な相手だけを登録するのが良いでしょう。

不満の1つはGlyphを懐中電灯として使うこともできないこと。カメラアプリを起動してフラッシュライトのパターンを変えることで代替できますが、数回のタップ操作を要するため、必要な時にすぐ使えず、カメラアプリを起動していると多少なりとも発熱します。

Glyphは画面を伏せたことを前提にしている機能

Glyphは画面を伏せたことを前提にしている機能

最大の問題はGlyphを使いこなすために、ポケットからNothing Phone(1)を積極的に取り出して、画面を下にした状態で机に置くクセを付ける必要があること。

魅力的な機能を使いこなすためであっても、クセを変えたくない人は多くいますが、筆者は積極的に変えるタイプ。Apple WatchにFeliCaが搭載された時には、Apple PayのSuicaで改札をスムーズに通過するために、買ってからすぐApple Watchも巻く腕を左から右に変えました。

Nothing Phone(1)のGlyphも同じようにクセをすぐに変えられると思っていましたが、約2週間のレビュー期間では変えられず。このまま1年間使用しても変えることはないでしょう。理由は明らかでクセを変えることで逆に不便になるからです。

実際にクセを変えようとチャレンジしたものの、Glyphで通知を確認するために画面を下に向けるよりも、画面を上に向けて通知を直接見た方が圧倒的に早く、スムーズに改札を通過するために、Apple Watchを巻く腕を左から右に変えて、なんとも言えない違和感を消していく感覚とはまったく別でした。

Glyphは、Nothing Phone(1)の最大の特徴ですが、最大の魅力ではありません。Glyph以外に多くの魅力的な機能や体験が備わっています。

ピュアなAndroidに良スパイス。頻度保障のアプデも

Nothing Phoneには、Androidの強みを厳選しながら、必要な機能だけを備えたカスタムOSのNothing OSが搭載されています。筆者は普段AndroidはPixel 6 Proを使用していますが、Nothing OSは過度にカスタムされてないため、まったく違和感がありません。

AOSPのAndroidをそのまま搭載しているわけでもなく、Nothingオリジナルのウィジェットやフォント、待ち受け画面、サウンドが収録されています。

特に印象的なのは、スケルトンのボディと相性の良いドットで構成されるフォントです。残念なのはドットマトリックスフォントが日本語に対応していないため、日本語に設定すると、天気や気温を表示するウィジェット、設定画面のトップに表示される日本語はノーマルフォントになってしまいます。

ドットマトリクスフォント

ドットマトリクスフォント

レトロ感のあるレコーダーアプリ

レトロ感のあるレコーダーアプリ

OSには細かな調整も入っていて、ステータスバーを下に引っ張ると表示されるクイック設定パネルでは、モバイルデータ通信とWi-Fiのオン・オフ等が可能なインターネットボタンとBluetoothボタンにアクセスしやすいよう大きく表示されます。また、ホーム画面に設置した複数のアプリを1つにまとめたフォルダをタップすると、格納されたすべてのアプリに指が届くようにアイコンが画面中央に大きく表示されます。

操作しやすいフォルダUI

操作しやすいフォルダUI

アクセスしやすいクイック設定パネル

アクセスしやすいクイック設定パネル

最新のバイブレーションモーターを搭載することで、素晴らしいハプティクス(触覚技術)も実現しています。ソフトウェアキーボードを使って文字を入力すると、わずかな振動とささやかな音でリアルタイムに反応。できるだけサイレントにしたくないレベル。

各メーカーがこぞって注力するゲーム体験を向上させる機能も搭載。通知や誤タップを最小限に抑えてゲームに集中できる環境が整っています。

一度、ハマると抜け出せないエコシステムは、自社の製品と限定的に連携するものではなく、他社のサードパーティ製品と連携したエコシステムを搭載しています。

例えば、Teslaのドアロックを解除したり、エアコンを操作したり、走行距離を確認したり、AirPodsのバッテリー残量を表示することも特別なアプリ不要で実現しています。

現時点で強力なシステムにはなっていませんが、サードパーティと連携したエコシステムは今後も拡大していくため、将来的には魅力的なエコシステムになる可能性があります。

軽快に動作するNothing OS

軽快に動作するNothing OS

OSは賢さも兼ね備えています。スマートフォンの使用状況を判断して、特定した最も必要な場所にリソースを供給し、信用頻度の高いアプリが超高速に動作。優先度の低いアプリは停止してバッテリーが節約されます。

スマートなリソース配分によってNothing Phone(1)は概ね快適に動作しますが、Googleマップの経路案内を利用すると少しモタつくのが気になりました。

3年のOSアップデート保証と4年間のセキュリティアップデート保証も魅力的です。特にセキュリティアップデートは2ヶ月に1回のアップデートまでと案内されていて、長期保証に加えて提供頻度まで保証されています。年間単位で保証しても提供回数が少ないメーカーやキャリアも存在するなかで嬉しい対応です。

不満の1つはAndroid 12で標準サポートされた片手モードが削除されていること。Nothing Phone(1) は「余計なものは省き、本質を追求する。」スマートフォンですが、片手モードを余計なものと判断したのであれば、大きな間違いでしょう。

6万円台ながら“フルセット”のディスプレイ

6万円台にフルセットのディスプレイ

ディスプレイは10億色の表現が可能なHDR10+対応の有機EL。画面サイズはビッグな6.55インチ。画面の輝度は最大1,200ニトで、日差しの強い晴天時の屋外でも画面が見にくいと感じることはありません。

1秒間の画面の更新回数を表すリフレッシュレートは、中価格帯のスマートフォンとしてはレアな120Hz(Pixel 6aなど一般的なスマートフォンの2倍)で、ゲームなど対応コンテンツはもちろん、単純なスクロール操作でもなめらかな映像が楽しめます。

当然ながら画面の更新回数が増えれば、電池消費量が増えますが、Nothingによれば表示するコンテンツに合わせてレートが変化するアダプティブ仕様とのこと。実際の操作感としては、ほとんどの場面で高リフレッシュレートがキープされるため、常にヌルサクを体感できます。

ディスプレイには指紋認証センサーを内蔵。マスクを外さず、ズラすこともなく画面に指を乗せるだけで画面ロックを解除できます。

なお、ディスプレイ指紋認証には、光学式と超音波式の2種類があって、Pixel 6シリーズなどに搭載される光学式センサーは、コストが安く端末価格に反映されにくいメリットがある一方で、濡れた指でロックを解除できない、精度が低いといったデメリットがあります。

Nothing Phone(1)の指紋認証センサーがどちらを採用しているのか明らかにされていません。保護ガラスをつけた状態でPixel 6 Proと使い比べてみると、どちらもスピード自体は変わらないものの、Pixel 6 Proは手を洗った後や汗やコップの水滴が付いた濡れた指を受け付けないのに対して、Nothing Phone(1)は問題なくロックを解除できます。

中価格帯のスマートフォンでは、画面サイズ・リフレッシュレート・有機EL・指紋認証センサーのいずれかが価格とのトレードオフにされているモデルがほとんど。しかし、Nothing Phone(1)は、必要なものをすべて実現していて、フラグシップモデルと遜色ないディスプレイを備えています。

最良判断のチップセット。1日余裕の電池持ち

今年のフラグシップスマートフォンが、ハイエンドチップのSnapdragon 8/8+ Gen1を搭載するのに対して、Nothing Phone(1)は、中の上クラスに該当するSnapdragon 778G+を採用しています。

性能を数値化するベンチマークスコアを計測したところ、基本性能に関わるCPUのスコアはGeekbench 5にて、シングルコアが平均777、マルチコアが平均2,900を記録。ゲームなどに関わるGPUのスコアは3D Markにて平均766を記録しました。

長時間負荷をかけて発熱具合と発熱時のパフォーマンスを計測できる3D Markのストレステストでは、平均6℃の温度上昇と平均3%のパフォーマンスダウンを確認しています。

ハイエンドチップのSnapdragon 8 Gen 1に比べると性能は見劣りしますが、3D Markのストレステストで10℃以上の温度上昇と50%近いパフォーマンスダウンを記録。発熱によって危険を知らせるアラートが表示されてカメラが使えなくなる機種も存在することを考えると、Nothingは賢明な判断をしたと思います。

機種名Nothing PhoneフラグシップAndroid
チップセット Snapdragon 778G+ Snapdragon 8 Gen1
Geekbench 5
  • シングルコア:平均770
  • マルチコア:平均2,900
  • シングルコア:平均1,000
  • マルチコア:平均1,047
3D Mark
WildLife Extreme
  • 平均766
  • 平均1962
3D Mark
WildLife Extreme Stress Test
  • パフォーマンスダウン:平均-3.9%
  • 温度上昇:平均+6℃
  • パフォーマンスダウン:平均-51%
  • 温度上昇:平均+13℃

超高速通信の5Gにも対応します。対応バンド(日本国内)は以下のとおり。5GはSub6のみ対応で、ドコモのn79はサポートしていません。

Nothing Phone(1)の対応バンド
  • 5G:n1/3/28/41/77/78
  • 4G:Band 1/3/8/18/19/26/28/41
  • 3G:Band 1/6/8/19

残念ながらeSIMには対応していませんが、物理的なSIMカードによるデュアルSIMに対応しているため、先日発生したauの大規模障害に遭遇してもサブ回線で障害の影響を軽減できます。

バッテリー容量は4,500mAh。Nothingによれば1回の充電で18時間使用できるとのこと。レビュー期間はほぼNothing Phone(1)を利用していましたが、リフレッシュレート120Hzに設定した状態でも1日余裕の電池持ちでした。朝出かけて夕方に帰ってくるような日常生活で不満を抱く人は多くないはずです。

1日余裕の電池持ち

1日余裕の電池持ち

充電は33W出力による高速充電に対応。パッケージに充電器は含まれていません。

Nothing提供の純正電源アダプタ(45W出力)で充電したところ約30分で65%に到達して約1時間で100%に。AnkerのGaNPrimeを搭載した最新の充電器「735 Charger (GaNPrime 65W)」では、約30分の充電で80%に到達し、1時間でフルチャージできました。バッテリーの負荷が気になるほど高速です。

中価格帯のスマートフォンとしては、かなりレアな15Wのワイヤレス充電と、ワイヤレスイヤホンなどにバッテリーをシェアできる5Wのリバースチャージにも対応。15W出力対応のPixel Stand 2でワイヤレス充電したところ約30分で24%に到達し、約2時間30分でフルチャージになりました。

充電時間Nothing純正アダプタAnker 735 ChargerPixel Stand 2
30分65%80%24%
1時間100%100%46%
1時間30分69%
2時間89%
2時間30分100%

50MP広角+超広角レンズの2眼カメラ

50MP広角+超広角で満足度の高い2眼カメラ

中価格帯のスマートフォンでは、標準的な広角レンズと超広角レンズに加えて、深度センサーやマクロレンズを搭載したマルチレンズをウリにしたモデルが多く存在しますが、Nothingは「カメラが多ければ写真や動画の画質が良くなるという考えから、そろそろ解き放たれるべき」というコンセプトのもと、Nothing Phone(1)は2つのレンズのみ搭載しています。

メインのƒ/1.8広角レンズは、1/1.56インチの大型センサーSony IMX766を採用。暗所に強い光学式の手ぶれ補正にも対応しています。絶景を記録するために最適な114°の超広角レンズもワンタッチで切り替えできます。

両レンズとも50MPの高精細仕様。デフォルトでは12MPの写真が出力されることから、4つのピクセルを1つにまとめて扱うことでノイズを減らしながら、ダイナミックレンジを向上させるピクセルビニングをサポート。動画は4K/30fpsによる高精細な映像と、1080p/60fpsによるなめらかな映像の記録に対応しています。

明るいシーンでは、ミッドレンジレベルではあるものの満足のいく写真が撮れます。ピクセルビニングによって、建物のディテールがしっかり再現され、適切な色に補正されるまで、白飛びすることがあるものの、ライブHDRも概ね適切に機能します。

 

ズームは高精細な50MP写真をクロップしたデジタルズーム。最大20倍までズームできますが、5倍で画質の限界を迎えます。

ピクセルビニングされた12MP写真

ピクセルビニングされた12MP写真

5倍ズーム

5倍ズーム

5倍ズーム

5倍ズーム

ライブHDRはまずまず

ライブHDRはまずまず

ディテールがしっかり出た写真が撮れる

ディテールがしっかり出た写真が撮れる

一方、暗いシーンやエリアで良い写真は撮れません。夜景まで行かずとも日中で光が入らない建物の谷間であってもノイズが大量に発生しました。白飛びを防ぐことはまずまずだったHDRも影では無理に露出を上げてノイズが目立つ仕上がりになります。また、シャッタースピードが遅いのか動く被写体は高確率でブレます。

屋根の影に大量のノイズ

屋根の影に大量のノイズ

光の当たらない部分はボヤッとした仕上がりに

光の当たらない部分はボヤッとした仕上がりに

カメラは全体的に青っぽくなることが多め

カメラは全体的に青っぽくなることが多め

最も大きな問題は爆音仕様のシャッター音でした。料理を撮影すると、店内の人たちがこちらを見るレベルの音量なので、両方のスピーカーを指でしっかりふさぎましょう。

なお、Xiaomiスマートフォンのように言語を日本以外に変更することでシャッター音を消すことはできませんでした。ソフトウェアアップデートのたびに音量が大きくなっている印象なので、今後も調整が続くかもしれません。

まとめ:世界中で多くのファンを生みそうなMVP候補

SCORE4.5
5
Nothing Phone (1)

GOOD

  • 大きく差別化されたデザイン
  • 音と光の連動で通知するGlyphインターフェース
  • フルセットのディスプレイ
  • 3年間のOSアップデート保証
  • 頻度保証のセキュリティアップデート

BAD

  • Glyphインターフェースの実用性
  • 日本へのローカライズ不足
  • 爆音のシャッター音

今年は多くのスマートフォンをレビューしてきましたが、現時点で最も印象的な1台がNothing Phone(1)です。

フラグシップクラスのチップセットなど、究極のスペックを持っているわけではありません。多くの日本人が必要としているおサイフケータイ/FeliCa、高い等級の防水・防塵もありません。

それでもNothing Phone(1)は、なめらかな映像が楽しめる120Hzのリフレッシュレート、置くだけでチャージ可能なワイヤレス充電、1日余裕で持つバッテリーなど、良い意味で6万円台のスマートフォンにふさわしくない充実のハードウェアが、Glyphによる独創性とスケルトンで大きく差別化されたデザインに詰まっています。

Android 12をベースにしながら、オリジナルのウィジェットやフォント、サードパーティを巻き込んだエコシステムでスパイスを加えたNothing OS、長期のOSアップデートと頻度保証のセキュリティアップデート、優れたハプティクスを体験できるセンスの高い1台で、今年のMVP筆頭候補です。

Nothing Phone(1)

当然ながら日本にローカライズされていないことで、選択肢に入れない人もいるでしょう。

ただ、ローカライズしないからこそ、この価格とこれだけのスピードで日本発売が実現しています。個人的には、すべてを整えた状態で半年後、1年後に発売されるよりもできるだけ早く発売して欲しい。Nothing Phone(1)が発売されないアメリカを見てると余計にそう思います。

XiaomiやOPPOなどの海外メーカーがそうであったように、日本でより多くの台数を販売するのであれば、ローカライズは必要かもしれません。ただ、Nothingにはローカライズされた実用的な1台よりも、尖った1台を最適なタイミングで日本で早期発売することを今後も期待したいです。

Nothing Phone(1)

最後に、どうしても引き合いに出したくなるのはやっぱりBALMUDA Phoneです。

NothingとBALMUDAは、どちらも高いデザイン性で評価されているメーカーですが、出てきたものはまったくの別物でした。

価格と見合わないスペックで、デザイン・形状・ソフトウェアで勝負したBALMUDAに対して、Nothingは逆の良い意味で価格と見合わないスペックを実現し、ソフトウェアは最低限のスパイスを効かせて余計なものを(時には必要なものまで)除去、Glyphインターフェースによるワクワク感と、これまでに見たことのないデザインで勝負しています。

自分を含めてファンをガッカリさせてしまったBALMUDAに対して、Nothingは世界中で多くのファンを増やしそうです。

日本でまだ発売されていないにも関わらず、Nothingの次回作が既に楽しみ。タブレットになるのか、スマートウォッチになるのかわかりませんが、Nothing ear(1)やNothing Phone(1)と同じように、手ごろな価格で優れたデザインと体験を得られるハイセンスなデバイスになることは期待して良いはずです。

ちなみに、8月2日に実施された数量限定の先行販売では、数時間で完売になりました。8月10日0時から実施される予約販売では、Amazonにて早々に初回出荷分が無くなり、公式サイトでも9月上旬ごろの出荷予定となっています。

Nothing Phone (1)
Nothing Phone (1)¥ 63,8002022年MVPスマートフォンの筆頭候補。背面が透けて見えるスケルトンボディに、光と音が連動して通知する900超のLEDを内蔵した見たことないデザインを採用。見た目だけではなく、なめらかな映像が楽しめるリフレッシュレート120Hzの有機ELディスプレイと15Wのワイヤレス充電を搭載。ピュアなAndroidに近いNothing OSは、3年間のOSアップデートと、4年間セキュリティアップデート付きで長期利用も安心です。

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