au系の格安SIM「UQ mobile」がスタートしてから6ヶ月以上がたちました。
サービス開始当初から利用してきたので、「UQ mobile」を使ってみた感想など、レビューしたいと思います。
auの回線を利用できる低価格SIM「UQ mobile」
UQ mobileとは
「UQ mobile」は、KDDIの子会社であるKDDIバリューイネーブラー株式会社が運営する格安SIMサービスで、2014年12月にサービスをスタートさせました。
格安SIMサービスを運営するMVNOとよばれる事業者は、ドコモやau、ソフトバンクといったMNOと呼ばれる事業者の回線を使用する代わりに接続料を支払う必要がありますが、ドコモが最も安いこともあって、2015年7月現在、ドコモの回線を利用できる事業者がほとんどになっています。
法人向けのサービスを除けば、au系の格安SIMは、mineo(マイネオ)、ICVモバイル、そして今回レビューするUQ mobileのたった3社しかありません。
料金プラン
「UQ mobile」が提供する料金プランは4つのみで非常にシンプルです
データ高速プラン | データ高速+音声通話プラン | データ無制限プラン | データ無制限+音声通話プラン | |
---|---|---|---|---|
基本料金 | 980円 | 1,680円 | 1,980円 | 2,680円 |
音声通話 | × | ○ | × | ○ |
データ容量 | 3GB/月 | 無制限 | ||
通信速度(※) | 受信 最大150Mbps 送信 最大25Mbps | 500kbps | ||
制限時の速度 | 200kbps | なし | ||
最低利用期間 | なし | 12ヶ月間 | なし | 12ヶ月間 |
SMS | 無料 | |||
テザリング | 無料 | |||
メールサービス | 月額200円 | |||
容量追加オプション | 不可 |
※当日を含む直近3日間のデータ通信量が1GB以上になった場合、翌日の13時〜2日後の13時まで通信速度が制限される場合があります。(速度非公表)
対応エリア
「UQ mobile」の対応エリアは、auと同じです。auのLTEのエリアは非常に広く、ドコモには負けるものの、離島などでもしっかりつながることが多いです。
専用アプリ
ほかの格安SIMでは、今月使った通信容量や通話料金などを確認でき、オプションの追加やプランの変更ができる専用のアプリが提供されていますが、「UQ mobile」では専用アプリが用意されていません。
専用のウェブサイト「my UQ mobile」から確認することができます。
通信速度
「UQ mobile」の通信速度は、受信時150Mbps、送信時25Mbpsと公表(mineoは下り75Mbps)されていますが、格安SIMもそれに満たないことがほとんどです。
というわけで、UQ mobileの実際の速度がどれぐらいなのか、計測してみました。
UQ mobile | DMM mobile | |
---|---|---|
通常時 | ||
11時30分 | 24.50Mbps / 9.47Mbps | 20.59Mbps / 5.82Mbps |
混雑時 | ||
12時00分 | 59.20Mbps / 16.87Mbps | 23.80Mbps / 16.08Mbps |
12時15分 | 30.90Mbps / 16.87Mbps | 1.22Mbps / 6.80Mbps |
12時30分 | 12.63Mbps / 8.16Mbps | 0.70Mbps / 9.44Mbps |
12時45分 | 33.63Mbps / 6.58Mbps | 1.09Mbps / 12.17Mbps |
13時00分 | 11.62Mbps / 5.67Mbps | 1.51Mbps / 4.97Mbps |
※左が受信時速度、右が送信時速度となります
▼2015年3月時の少し古いデータですが、5社との速度比較はこちら
格安SIMとドコモやau、ソフトバンクとの違いは、1日で最もネットワークが混雑する12時〜13時の通信速度にあります。今回比較したDMM mobileも混雑していない時間の通信速度は格安SIMとしてはかなりいい方ですが、混雑時になると受信側は1Mbps前後まで落ちてしまいます。
対するUQ mobileは、10Mbpsを下回ることはありません。30Mbpsまで出る時間もあります。UQ mobileの最大の魅力はこの安定した通信速度なんですよね。
ほかの格安SIMの通信速度は、時期に応じて低下することところがほとんどです。安定していることが評判のIIJmioでさえ、容量アップを行った2015年4月以降は速度が落ちていますが、UQ mobileは昨年12月のサービス開始時から常に安定した通信速度をほこっています。
auの格安SIMということで、利用者が少ないことや料金プランはデータ容量が無制限か3GB、さらに容量の追加オプションなしということで一定の品質を維持しているものと思われます。
ちなみに、UQ mobileは、2015年5月からデータ容量を1GBから3GBまで増量していますが、それ以降もまったく落ちていないので、よほどのことがない限り品質が低下することはなさそうです。
UQ mobileで使えるスマートフォン
通信速度が安定していて、対応エリアも広いUQ mobileですが、最大の弱点は対応機種が少ないことにあります。
「UQ mobile」は、au系の回線を利用するため、auが販売しているスマートフォンをそのまま利用することができますが、iOS 8以降のiPhoneは原則利用することができません。
また、auのスマートフォンを持っていない場合は、中古のauのスマートフォン、UQ mobileが販売しているスマートフォン、SIMフリーのスマートフォンを購入する必要があります。
京セラ製の「KC-01」(左)とLG製の「LG G3 Beat」(右)
特にSIMフリーのスマートフォンは、ドコモ対応の端末に比べてとても少なく、探すのは非常に困難。「Zenfone 2」も周波数としてはauに対応していながら、電波法的に使えないとなっています。また、UQ mobileが販売しているスマートフォンはスペックが低いので、オススメは中古のスマートフォンを購入することです。
中古のスマートフォンはAmazonやヤフオク、中古スマホ販売の専門店のイオシス などで購入することができます。
▼オススメの端末としては、安定のXperiaシリーズをあげておきます。自分もXperiaを格安スマホとして運用しています。
UQ mobileで使えるモバイルルーター
どうしてもドコモのスマートフォンやiPhoneを「UQ mobile」で使いたいという場合は、モバイルルーターを利用してWi-Fiで運用する方法があります。
モバイルルーターでauの回線に対応したものはとても少ないですが、SIMフリー、デュアルSIM、プラチナバンドを含む対応バンドが多い(auだけでなくドコモにも対応)など、現時点で最強とされるNECの「MR04LN」がオススメです。
MR04LNの価格は通常版が24,840円。有線LANを接続できるクレードル付属版が27,000円とスマートフォンとくらべて非常に安く購入できます。
OCNモバイルONEの格安SIMが付属されますが、手続きをしなければ月額料金を支払う必要はありません。注意点としては、モバイルルーターのため、音声通話が利用できないことです。
また、公式にauで利用できるとはアナウンスされていない(技適の認証状況を確認したところ、PHS保護の項目を取得していたので、合法的に利用することはできます)ので、データ通信が不安定になったり、今後利用できなくなったりする可能性があるかもしれません。
iOS 8のiPhoneで「UQ mobile」を利用する方法が実はある
「iOS 8のiPhoneではUQ mobileを含むauの回線を利用できない」と書きましたが、公式にサポートされていませんが、裏ワザ的に利用する方法があります。
▼詳しい方法は以下の記事で紹介しています。
まとめ
格安SIMだけど、通信速度は安定して速いほうが良い、ランチタイムに落ちるのはちょっと困る。データ容量は3GBで十分という人に「UQ mobile」をオススメできます。
逆に、auのスマートフォンを持っていない、iOS 8のiPhoneやiPadで使いたいという人にはあまりオススメできません。
格安SIMは色々使ってきましたが、最も安定している格安SIMは「UQ mobile」で間違いないです。
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