ドコモとソフトバンクのかんたんケータイ酷似の背景。
Yusuke Sakakura

Yusuke Sakakura
ブログメディア「携帯総合研究所」を運営しています。学生時代に開設して今年が16年目。スマートフォンの気になる最新情報をいち早くお届けします。各キャリア・各メーカーの発表会に参加し、取材も行います。SEの経験を活かして料金シミュレーターも開発しています。

この記事によると、熾烈な携帯端末開発競争の裏で、人材の奪い合いにも拍車がかかり、元祖の富士通からソフトバンクモバイルに移籍した開発担当者が「かんたん携帯」開発の一翼を担っており、これが原因で富士通の「FOMAらくらくホンⅢ」と東芝の「812T」で似てしまったそうです。つまり、富士通でかんたんケータイの開発・制作を行っていた人材がソフトバンクモバイルの開発担当者に移籍したことが今回両端末が似てしまった原因であるようです。
しかし、そのようなことがあったとしてもソフトバンクモバイルと東芝は避けることができ、避けなければいけなかったのではないでしょうか?携帯電話事業に関わらず、他の事業であってもそれはタブーです。それに、避けなければ確実に企業イメージは下がってしまいます。
じゃあ、何故ソフトバンクモバイルと東芝はNTTドコモと富士通から発売以前に警告を出したにも関わらず発売に踏み切ったのでしょうか?
答えは簡単ですNTTドコモと富士通が特許権や意匠権を登録していなかったからでしょう。ここら辺はNTTドコモに非がないとも言えないんですが、そうだとしてもやはり避けるべきです。ここでOKを出してしまうのが本当のソフトバンクモバイルの実態でしょう。
最後にNTTドコモと富士通の主張が通れば、他キャリアと他メーカーが端末の開発をしにくくなり、業界に悪影響を与えるのではないかという主張も見受けられますが、それはどうでしょうか?
1番大事なのはテレビのニュース番組でユーザーが「812T」は「FOMAらくらくホンⅢ」のパクリと答えたことです。つまりたとえ1部のユーザーだったとしても「パクリ」と思ったユーザーが存在することは絶対によくありません。
もし、NTTドコモと富士通の主張が通らなければ、以後これほど酷似したデザインはすべて認められることになり、見るも無惨な競争が行われることは目に見えてます。
僕は今回の事象に関しては100%ソフトバンクモバイルと東芝に非があり、NTTドコモと富士通が申請した販売差し止め請求は認められなければいけないと思いますが、みなさんはどうでしょうか?