PerplexityがAIブラウザ「Comet」発表。予約・購入など行動まで支援する次世代体験
Yusuke Sakakura

Yusuke Sakakura
ブログメディア「携帯総合研究所」を運営しています。学生時代に開設して今年が16年目。スマートフォンの気になる最新情報をいち早くお届けします。各キャリア・各メーカーの発表会に参加し、取材も行います。SEの経験を活かして料金シミュレーターも開発しています。

生成AIを活用した検索サービスを展開するPerplexity(パープレキシティ)が、新たなAIブラウザ「Comet(コメット)」を発表しました。
Cometは、ChromeやEdgeと同様にGoogleが支援するオープンソースのChromiumをベースに開発されており、Perplexity独自のAI検索エンジンを搭載しています。
最大の特徴はブラウザのサイドバーに常駐するAI「Comet Assistant」です。
このAIアシスタントは、記事の要約やYouTube動画の内容に関する質問への対応に加え、会議の予約やメールの送信、商品の購入といった実際の操作まで代行することで、情報検索にとどまらず、AIが行動まで支援する次世代のブラウジング体験を実現しています。
Googleの支配に揺らぎ、Perplexityの好機
長年にわたり、ウェブ検索とブラウザ市場はGoogleが圧倒的な影響力をもって支配してきました。
しかし、GoogleがAppleやAndroidメーカーに対して、自社の検索エンジンをデフォルトとして維持するために行なっていた行為が近年問題視されています。
- iPhoneなどのデフォルト検索エンジンに設定する代わりに、Appleに対して年間数兆円を支払う
- 広告収益を分配する代わりに、Androidメーカーに対してChromeをデフォルトブラウザに設定するよう求める
- アプリストアのGoogle Playを搭載する代わりに、ChromeのプリインストールおよびGoogle検索のデフォルト設定、初期ホーム画面へのアイコン配置
実際にアメリカでは反トラスト法違反で訴訟に発展。日本においても公正取引委員会が独禁法に違反したとして、違反行為の取りやめを求めています。
こうした背景を踏まえ、PerplexityはGoogleの支配が揺らぐこのタイミングを好機と捉え「Comet」を発表したのでしょう。
Cometは現在、月額200ドルのプラン加入者限定で提供されており、対応OSはmacOSとWindowsに限られていますが、今後は招待制での提供拡大も予定されています。
一方で、米司法省による訴訟では、Googleに対してChrome事業の分離・売却を求めており、Perplexityは買収にも関心があるようです。
もしそれが実現してComet AssistantをChromeに統合することができれば、現在7割近くのシェアを誇るChromeの地盤を活かして、一気にAIブラウザが主流になる可能性もあります。
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