AppStoreのタブを10回連続でタップすると、iPhoneが高速化するとの裏ワザが国内外で出まわっています。この裏ワザに高速化の効果はあるのでしょうか
AppStoreのタブを10回連続でタップするとキャッシュがクリアされる
複数の報道によれば、AppStoreのタブを10回連続でタップすると、AppStoreの画面が一瞬白くなったあとでiPhoneが高速化されるとのこと。元ネタはTwitterでのやり取りです。
PSPDFKit(DropboxのPDFビューアーにも採用されている開発キット)の開発者であるPeter Steinberger氏がAppStoreの表示がおかしく、アップデート可能なアプリがアップデートできず、iPhoneを再起動しても変わらないと投稿。
すると、zachary drayer氏がAppStoreのタブバーを10回タップすると、AppStoreのキャッシュがクリアされてリフレッシュするよ。と返答。
@steipete tap on any of the tab bar items 10 times.
— zachary drayer ✌ (@zadr) 2015, 12月 29
この方法でPeter Steinberger氏はアプリのアップデートが正常に行えたようです。やり取りはこれだけですが、なぜかiPhoneが高速化されるとの報道。ホントに効果はあるのでしょうか。
そもそもキャッシュは再利用の多いデータ・ファイルを高速にアクセスできるメモリ上に保存することで高速化するというもの。ただ、キャッシュが大量に蓄積されると、メモリ領域が減少し、動作にモタツキが出るため、削除することで高速化を期待することができます。
キャッシュの概要
キャッシュはオブジェクトやデータのコレクションの一種で、処理性能を大幅に向上する効果があります。キャッシュに伴う問題
引用元:メモリ効率の向上に関するガイドライン – Apple Developer(PDF)
キャッシュはうまく活用すれば性能が大幅に向上しますが、いくつか短所もあります。中でも問題なのは、大容量のメモリを占有しうることです。巨大なデータオブジェクトを大量にキャッシュすると、他のアプリケーションに割り当てるRAMが不足し、そのデータをディスクに退避して空きメモリを確保する必要が生じるため、本来の処理が進まなくなってしまいます。
キャッシュクリア=高速化というのは間違いでない場合もありますが、AppStoreが巨大なキャッシュを保持しているとも考えにくく、実際に試してみたところ変化なし。
メモリ計測アプリで実効前後のメモリ情報を確認したところ減ったのは15MBと大きな変化はなく、効果を感じるのはプラシーボではないでしょうか。
ちなみに、このキャッシュクリア方法はiTunesやiBooks、Apple Watchなどのアプリで利用できるとのこと。アプリが正常に動作しない時や表示が古い場合は試してみる価値はあると思います。ただし、高速化に繋がるモノではないと思います。
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