欧州連合(EU)がスマートフォンやタブレットなどを含む電子機器製品に搭載される端子をUSB Type-Cに標準化する法改正案を発表しました。
大きな影響を受けるのはiPhoneに独自規格のLightning端子を採用するAppleです。法改正案が加盟国の承認を得れば、2年後の2023年に発売されるiPhoneやiPadでLightning端子が廃止され、USB Type-Cに移行する可能性があります。
iPhoneのポートレス化計画への影響も
EUの目的は電子機器類の端子を共通化によるユーザーの利便性向上と廃棄物削減による環境保護です。
Appleは最新のiPad mini 6やiPad Proで独自規格のLightning端子を廃止したものの、最も低価格なiPadにはLightningを採用しており、24日に発売されるiPhone 13やiPadもLightning端子を採用するなど、USB Type-Cの標準化による多大な影響を受けます。一方、AndroidメーカーのほとんどはUSB Type-Cへの移行を済ませていることから大きな影響を受けません。
ロイターによると、AppleはEUの提案に対して「たった1種類の端子を義務付ける厳格な規制はイノベーションを促進するどころか、むしろ阻害するものでヨーロッパだけでなく、世界中の消費者に悪影響を及ぼしかねない」と反発しているとのこと。移行期間がたった24ヶ月しかないことにも懸念を表しているそうです。
冒頭で書いたとおりEU加盟国が法案を承認した場合、少なくとも欧州で販売されるiPhoneについては2024年発売のモデルからLightning端子が廃止されることになります。
以前、AppleがiPhoneのポートレス化を計画していると報じられていたこともありますが、そもそも端子を搭載しないことでこの法案を避けれられるかはわかりません。また、ProResなど大容量のデータ転送やアプリケーションを開発するデベロッパーのことを考えると、そう簡単には実現しないと予想していますが、どうなるでしょうか。