Pixel 10とTensor G5は「原神」のサポート対象外ではない──Googleが否定
Yusuke Sakakura

Yusuke Sakakura
ブログメディア「携帯総合研究所」を運営しています。学生時代に開設して今年が16年目。スマートフォンの気になる最新情報をいち早くお届けします。各キャリア・各メーカーの発表会に参加し、取材も行います。SEの経験を活かして料金シミュレーターも開発しています。

Googleは、人気ゲーム「原神」がPixel 10シリーズで採用するGPUのサポートを打ち切ったとの情報を否定しました。
きっかけは、Pixel 10 Pro XLで原神が正常に動作しない様子を記録した動画がRedditに投稿・拡散され、海外メディアが報じたことです。
原神の開発元であるmiHoYoは、対応可能デバイスとして「PowerVR系以外のGPU」と案内しており、推奨スペックにGoogle Tensorを含めていないことから、Pixel 10シリーズが対象外になっていると報じられていました。
Googleは従来のTensorチップにArm Mali GPUを採用していましたが、最新のTensor G5にはPowerVRが採用されています。
拡散されている事象は発生しないとの報告多数
Googleの説明は「原神はPixel 10のGPUサポートを打ち切っていません。過去1年間にわたって、Pixel 10に向けてmiHoYoと密接に連携してきた」というものです。
Genshin Impact has not removed Pixel 10 GPU support. We partnered closely with miHoYo over the past year for Pixel 10.
- 引用元
- 9to5Google
では、なぜPixel 10シリーズで原神がスムーズに動作しないのでしょうか──
Genshin impact killed google pixel 10 / pro / pro XL byu/AdInteresting867 inGenshin_Impact
まず、この現象を否定する声が複数あります。
Redditでは、特定のカメラアングルでのみ発生し大半は問題なくプレイできるとの報告や、自分のPixel 10では問題なかったと動画付きで報告、最高ではないが問題なく遊べているといった声など、ハードウェアによる制限や仕様ではなく、修正可能な不具合の可能性もあります。
Tensor G5のGPU性能はそれほど低くないが不具合がある??
誤解されがちなのは「Tensor G5のGPU性能が低いからサポートを打ち切られた」というものです。
実際には原神が対象外としているGPUを採用しているだけです。もしGPUの性能が理由であれば、Arm Maliを採用しているチップでもTensor G5よりも劣るのであれば対象外になっているはずです。

9to5Googleが指摘するように、PowerVRのGPUは低価格スマートフォンで採用例が多い一方で、NotebookCheckはTensor G5に搭載されたPowerVR DXT-48-1536 GPUについて、理論値1.5TFLOPS(FP32)の性能を基に「比較的高性能」と評価しています。
ただし、このGPUの性能が十分に発揮されていない可能性も指摘されています。
高負荷時であってもクロック周波数がアイドル時の396MHzに固定されたままになる現象が報告されており、GPUベンチマークの結果が伸びないのもこれが原因ではないかと考えられています。拡散された動画のように原神がスムーズに動作しなくなる原因もこれと同じかもしれません。
この事象は最新のドライバアップデートで解消できるのではないかと期待する声もありますが、何らかの事情でGoogleはこれまで提供できないようです。
今回、Googleがサポート対象外であることを否定したことで混乱が生まれるでしょう。miHoYoはPixel 10シリーズの対応状況について、より詳細に説明する必要があります。
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