- 2017年、iPhoneのアップデートによる動作遅延が発覚したバッテリーゲート問題で、Appleが和解金を払うことに合意。
- 和解金は2017年12月以前に、特定のiPhoneモデルを使用していたユーザーに対して支払われる。
- Appleは動作遅延問題を謝罪し、一時的にバッテリー交換価格を引き下げ、性能低下を無効にするオプションを提供した。
バッテリーの劣化したiPhoneが高負荷になったときに端末が強制終了することを防ぐために、意図的に行なっている処理性能の低下ーーいわゆるバッテリーゲート問題でAppleが和解金として5億ドルの和解金の支払いを開始したことがわかりました。
これにより和解金の支払い請求を行なっていた米国の消費者は92.17ドル、日本円で約13,000円を受け取ることができます。
和解合意から3.5年以上でようやく支払い開始
バッテリーゲートは2017年12月にiPhone 6sユーザーがiOS 11にアップデートしたところ、前世代のチップを搭載したiPhone 6 Plusと比べてもわかるほど、動作が非常に遅くなったことで発覚した問題。
また、バッテリーの交換によってCPUの性能を数値化したベンチマークスコアが70%も向上したことで、AppleがiPhoneの買い替えを促すためにわざと動作を遅くさせている(Appleはバッテリーの劣化に由来する強制終了を防ぐためと説明)として世界中で大きな問題に発展し、消費者から詐欺で訴えられました。
バッテリーの劣化による性能低下は問題が発覚する約1年前のiOS 10.2.1で導入されたものの、アップデートする際に表示される説明では不具合の修正とセキュリティの問題解消と説明されただけで、性能低下には触れられず、その後もユーザーに説明しなかったことでAppleは透明性が欠けていたと謝罪。
さらに、バッテリーの交換価格を一時的に8,800円から3,200円に引き下げ、iOS 11.3でバッテリーの健康状態を確認したり、バッテリーの劣化による性能低下が適用されているかをチェックできたり、性能低下を無効にするオプションが提供されました。
訴訟では2020年3月にAppleが最大5億ドルの和解金を払うことで合意。実際の和解金は最低額の3億1000万ドルとなったようです。
和解金を受け取れるのは2017年12月21日以前に、iOS 10.2.1以降のiPhone 6、iPhone 6 Plus、iPhone 6s、iPhone 6s Plus、iPhone SE、iOS 11.2以降のiPhone 7、iPhone 7 Plusユーザーで、2020年10月までに支払い請求を行なった消費者。
当時、1人当たりの受け取り額は25ドルとされていましたが、支払い請求をしない場合は分配額が増額されることから、実際には1人あたり92.17ドルを受け取ることになったようです。
Nice thing to wake up to on a Saturday morning — especially after 3.5 years of waiting! https://t.co/efqqgca8NG pic.twitter.com/hqfBV25M6s
— Michael Burkhardt (@mbrkhrdt) January 6, 2024
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