iPad Air(第5世代)レビュー:最安のM1チップデバイス。iPad Proとの悩ましい選択

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Yusuke Sakakura最終更新日:2022/03/23 1:46

iPad Air(第5世代)レビュー:最安のM1チップデバイス。iPad Proとの悩ましい選択

Appleが新しいiPad Air(第5世代)を2022年3月18日に発売しました。

フラットエッジのデザインや指紋認証Touch ID、10.9インチのディスプレイなど多くの要素を前世代から引き継ぎ、センターフレームに対応した超広角のフロントカメラや超高速通信の5G、そしてM1チップといった新たな要素をミックスした最新のタブレットです。

最大の特徴は74,800円から購入できる手ごろな価格にあります。Mac miniよりも安いM1チップ最安のデバイスです。そう聞くと物欲が高まりますが、iPad Proとは価格やスペックなど絶妙な関係にあってどちらを購入するか迷っている人が多いはず。ぜひ、このレビュー記事を購入の参考に役立ててください。何か質問があればコメントにてどうぞ。

目次

デザインとカラー

iPad Air(第5世代)はフラットなエッジとパネルで構成されたスタイリッシュな形状に、サラサラで指紋が付きにくく汚れにくいアルミ製のボディを採用しています。前世代のiPad Airと変わりなく、上位モデルのiPad Proと同じ見た目と同じ素材を共有しているため高級感は同じ。

iPad Air(第5世代)レビュー:デザインとカラー

11インチiPad Proとのわずかな見た目の違いはディスプレイ周りの黒縁(ベゼル)の幅ぐらいですが、iPad Proがグレーとシルバーの2色からしか選べないのに対して、iPad Airはスペースグレイ、スターライト、ピンク、パープル、ブルーといった全6色のカラーをラインナップしています。

今回は新色ブルーを選んでみました。前世代のライトブルーのような軽やかな色ではなくM1チップを搭載したハイパフォーマンスマシンに似合う深みのあるブルーです。Magic KeyboardとiPad Airを組み合わせての使用を考えている人も多いと思いますが、どちらの色を選んでも違和感はありません。個人的なおすすめはホワイトです。

iPad Air(第5世代)レビュー:デザインとカラー

iPad Air(第5世代)レビュー:デザインとカラーiPad Air(第5世代)レビュー:デザインとカラー

ディスプレイと大きさ

ディスプレイと大きさ

iPad Airはソファに座ってニュースやKindleなどの電子書籍を読んだり、Apple Pencilでメモを取ったりするのに最適な大きさです。重さも460g程度でMacBookよりもはるかに軽量。500mlのジュース1本よりも軽いのでバックに入れて持ち運びたくなる軽さです。

画面の大きさは10.9インチ。11インチiPad Proとわずか0.1インチの違いで見比べてもほとんどわかりません。毎日、数時間iPad AirでNBAやYouTubeを視聴していますが、快適とまでは言わないものの十分なサイズ感です。

ただ、画面を分割して複数のアプリを併用する使い方は少し物足りません。この記事の原稿もメモとSafariを同時に起動して調べ物をしながら書いた方が遥かに便利ですが、目が疲れるのでメモアプリを画面いっぱいに表示して書いています。

ディスプレイと大きさ

動画に欠かせないスピーカーは、iPad Proが4つ搭載しているのに対してiPad Airは2つのスピーカーを搭載しています。iPad Proと聴き比べてみると、確かな違いがあるものの2スピーカーでも十分、動画を楽しめます。ちなみに、iPad Airを縦向きにした時に左側の上下にスピーカーが配置されているため、音のバランスに違和感がありますが縦向きで動画を見ることはほとんどないでしょう。

残念ながらiPad AirのディスプレイはProMotionテクノロジーに非対応です。

ProMotionテクノロジーの正体は最大120Hzのアダプティブリフレッシュレート。リフレッシュレートは映像のなめらかさを示すもので、数値が高いほど対応コンテンツの映像がなめらかに表示されます。あるに越したことはありませんが、高リフレッシュレートで動作するコンテンツはまだまだ充実していないため、ProMotionテクノロジーのために追加でお金を払ってiPad Proを購入するのはオススメしません。

ディスプレイと大きさ

有機ELのような高コントラスト比が特徴のミニLEDディスプレイもiPad Airには採用されていませんが、真っ黒に近い黒を表現できるミニLEDディスプレイは映像を制作をしている人や画質に妥協できない人向けの機能で、必ずしも必要ではないでしょう。

M1チップの驚異的なパフォーマンス

iPad Air(第5世代)最大のアップデートはM1チップの搭載です。デスクトップPCレベルの驚異的なパフォーマンスながら優れた消費電力で長時間の電池持ちを実現する強力なチップが早くも10万円以下のiPad Airに搭載されました。非常に魅力的なアップデートです。

この記事で使用している写真もRAWデータをAdobe Lightroomを使って編集したもの。普段使いしているiMacでは起動が遅くプチフリーズすることも多々ありますが、iPad AirのLightroomは非常に快適。ただし、発熱がひどくディスプレイの輝度が強制的に落ちる現象が頻発しました。

M1チップの驚異的なパフォーマンス

メモリ(RAM)の容量は8GBに増量。MacBook AirやiMacと同じ容量です。複数のアプリを使い分けたり、画面を分割してアプリを同時に起動しながら利用する場合でも動作が引っかかることなくスムーズに利用できます。

iPad Airにそこまでの性能を求めていない人がほとんどかもしれませんが、M1チップほどパワフルであれば数年間にわたってアップデートが提供されるだけでなく、複数回のメジャーアップデートを重ねても快適に利用できるはずです。これはiPad Airを手にするすべての人が受けられる恩恵で、たった数回でOSアップデートが打ち切りになってしまうAndroidタブレットとの大きな違いです。

電池持ちとバッテリー

電池持ちとバッテリー

電池持ちについてAppleはWi-Fi利用時のネットおよび動画再生は最大10時間、モバイルデータ通信のネット利用で最大9時間と案内していますが、それほど長持ちしません。

午前中にNBAのゲームを1〜2試合ストリーミングで観戦した後、BGM代わりにひたすらYouTubeで動画を流していると4.5時間後にバッテリー残量0%に。また、画面の明るさをマックスにした状態でネットを使いながらMagic Keyboardを使って単純なテキスト作業(このレビューをメモアプリで書くだけ)をしたところ約20%減少することを確認しました。

液晶ディスプレイの消費電力が高いため、明るさを最大で固定すると単純作業でもモリモリ電池が減っていき、電池が1日持つことはありません。ただ、あくまでもバッテリーテストのために明るさを最大で固定にしただけ。最悪の条件でこれだけ電池が持つなら十分です。発売前に公開された先行レビューでも多くのメディアが電池持ちに関して優秀と評価していました。

iPad Airのパッケージに入っている電源アダプタで充電したところ、30分で約25%に到達し1時間で約50%まで充電できました。充電は非常に時間がかかりますが、30W以上の電源アダプタを使用することで高速充電が可能です。高速充電対応の電源アダプタで充電したところ30分で約40%に到達。1時間で約65%まで充電することを確認しています。iPad Airはワイヤレス充電やMagSafeによる充電には対応していませんが、必要としている人はそれほど多くないでしょう。

Magic KeyboardとApple Pencil

アクセサリは前世代のiPad Air(第4世代)で対応していたものをそのまま利用できます。

iPad Airを少しでもノートPCの体験に近づけたいのであればキーボードアクセサリは必須。サードパーティのキーボードでも十分ですが、Apple純正のMagic KeyboardであればiPad Airを保護しながら、角度調節が可能なスタンド機能も付いているので文字入力や便利なキーボードショートカットでiPad Airを使いこなしながらNetflixやYouTubeでの動画視聴も快適です。

iPad Airを持たずに動画が見れる「Magic Keyboard」

iPad Airを持たずに動画が見れる「Magic Keyboard」

1点気をつけるべきポイントはiPad Air(第5世代)向けのMagic Keyboardは11インチ用のため、キートップのサイズが小さく文字が入力しづらいということ。MacBookなどノートPC並みのタイピングのしやすさを求めているのであればオススメはできません。

iPad Air向けのキーボードアクセサリには、Magic Keyboardのほかにも21,800円の「Smart Keyboard Folio」が用意されています。キーボードの質感や打鍵感に圧倒的な違いがあり、スタンド機能にも違いがあります。ハードウェアのキーボードで文字を打ちたいのであれば、比較的安いSmart Keyboard Folioでも十分ですが、約13,000円追加して買う価値はあると思います。便利なトラックパッドも付いていてキーボードからできるだけ手を離すことなく快適に文字入力できるので。

トラックパッド付きのキーボード

トラックパッド付きのキーボード

手書きでメモを取ったり、イラストを描ける専用のペンデバイス「Apple Pencil」はiPad Airのフラットなエッジにマグネットで取り付けて充電できる第2世代のモデルに対応しています。

iPad AirのディスプレイはProMotionテクノロジーに対応していないため、Apple Pencilで文字や線を書いてから画面に反映されるまでの時間がiPad Proよりもわずかに遅く、ペンの動きに線が付いてくるような書き味です。対するiPad Proはペンの動きに吸い付くように線を描けるので、書き味にはそれなりの違いがあります。

Apple Pencilの動きに遅れて線が描かれる

Apple Pencilの動きに遅れて線が描かれる

iPadの指紋認証Touch IDは顔認証Face IDよりも不便?

iPadの指紋認証Touch IDは顔認証Face IDよりも不便?

指紋認証Touch IDが搭載されていることを理由にiPad Air(第5世代)の購入を検討している人も多いはず。自分もその1人でしたが、少し考え直した方が良いかもしれません。

マスクが欠かせなくなった今、顔を出すことなく電源ボタンに触れるだけで画面ロックやアプリロックの解除、App Storeの決済認証ができるTouch IDは確かに便利。ただ、職場や学校、電車、バスなど外出先で利用することも多いiPhoneと違って、iPadは自宅などマスクを必要としないところで使う時間が圧倒的に多くなります。

iPadのTouch IDはiPhoneのホームボタンのようにいつでも手に届く位置にはありません。キーボードやスタンドから手を離さずカメラに目をやるだけで認証できるFace IDの方がストレスを感じにくいです。

マスクを外せないところでも利用することが多い人、キーボードやスタンドなどのアクセサリを利用せず本体に直接触れてiPadを操作することが多い場合は、度々、カメラに指がかかっていると警告されることも多い指紋認証Touch IDの方が便利ですが、それ以外は顔認証Face IDの方が便利です。

ちなみに、iOS 15.4でiPhone 12|13シリーズの顔認証Face IDがマスクに対応しましたが、残念ながらiPadシリーズの顔認証Face IDはマスクに対応していません。

タブレットのカメラはシングルで十分

iPad Airのメインカメラは前世代のものをそのまま引き継いでいます。ソフトウェア処理で画質を向上するコンピュテーショナルフォトグラフィも進化することなくそのまま。個人的にタブレットのメインカメラは1年に10回も使わないので付いてるだけ良い、むしろなくても良いぐらいのものです。学生にとっても写真でメモするのに十分な12MP解像度のカメラが付いています。

タブレットのカメラはシングルで十分

逆にリモート会議やオンライン授業、ビデオ通話の需要が増えているため、フロントカメラはiPhoneと同等、またはそれ以上のものを求める人が多いかもしれません。

その要望に応えるようにiPad Airには超広角フロントカメラが搭載されました。従来のカメラよりも画角が広いため、多少動いても複数人でもフレームアウトすることなく画角に収まります。新たにセンターフレームに対応したことで、高度な機械学習が移動した人物を認識して常に画角の中心に収めてくれるので、タブレットの前に張り付く必要はなく料理しながらのビデオ通話も快適。

また、親子など複数人でiPadの前に座る時も自動で検知してフレームに収めるようにズームアウトしてくれます。

まとめ:iPad AirとiPad Proどっちを選ぶ?

SCORE4.5
5
Apple iPad Air 5

GOOD

  • 圧倒的なパフォーマンス
  • 十分な電池持ち
  • 必要な機能と価格のバランス
  • カラフルなラインナップ

BAD

  • ベースモデルは64GB
  • iPad Air+Magic Keyboardと相性の悪い指紋認証

このレビュー記事を読んでいる人のほとんどがiPad Airと11インチiPad Proのどちらかで迷っている人でしょう。

iPad Proだけに搭載されている明るいディスプレイ、ProMotionテクノロジー、顔認証Face ID、4スピーカーオーディオ、LiDARスキャナはiPad Proだけのものですが、どれもあれば良いレベルのもの。多くの人にとって数万円上乗せしてまで追加するような機能ではありません。

機能面で言えばほとんどの人がiPad Airで満足するはずですが、価格と容量が悩ましい。

iPad Airの価格はWi-Fiモデルが74,800円、Wi-Fi+Cellularモデルが92,800円。いずれも64GBです。2022年に容量を拡張できない64GBのタブレットにこの金額を出すのは正解でしょうか?

購入した直後のまっさらな状態のiPad Airに1つずつアプリをダウンロードしたところあっという間に30GBを突破。購入から3日目には使用済みの容量が約60GBに到達しました。64GBを選んでいたら大きく後悔していたところです。せっかく数年間使っても快適に利用し続けられるM1チップを搭載しているにも関わらず、64GBのストレージ容量ではやれることが大幅に限定され、OSアップデートのたびに写真や動画、アプリを消すことになりそうです。

iPad Airを制限なく長期間使おうと考えているのであれば、256GBモデルを選ぶのが現実的な選択でしょう。価格はWi-Fiモデルが92,800円、Wi-Fi+Cellularモデルが110,800円です。11インチiPad Proの128GBに比べて2,000円安く、11インチiPad Proの256GBよりも14,000円安い価格です。

この絶妙な価格設定が頭を悩ませます。

自分の判断はiPad Proに限定されているProMotionディスプレイ→必要なし、顔認証Face ID→Touch IDより良かったかもしれない、4スピーカーオーディオ→2つで十分、LiDARスキャナ→全く使わない、デュアルカメラ→タブレットのカメラはシングルで十分、ということでiPad Airを選択。差額の14,000円をApple Pencil(第2世代)やMagic Keyboardといった優れたアクセサリの購入費用に回しました。

iPad Proは今年秋にビッグアップデートが予想されているため、購入のタイミングを待つのもアリでしょう。ただ、iPad Airより高額に設定されるのは間違いなく、より明るいディスプレイ、ProMotionテクノロジー、顔認証Face ID、4スピーカーオーディオ、LiDARスキャナがどう考えても必要ないのであれば、iPad Air以外の最適な選択肢はありません。それでも決断がつかないのであれば、iPad AirとiPad Proの違いを詳細にまとめたこちらの記事を参考にしてください。

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