今月8日開催のスペシャルイベントで正式発表された 「iPhone 14」 「iPhone 14 Plus」 「iPhone 14 Pro」 「iPhone 14 Pro Max」
いつもどおりAppleはすべてのことを発表するわけではなく、バッテリー容量やメモリの容量、チップの性能差などイベント後に明らかになったことがいくつもあるので、この記事でまとめておきます。
目次
- バッテリー容量
- A16 vs A15チップの性能
- メモリ容量
- Apple ProRAWのデータ容量は通常の3倍
- 128GBモデルはProRes非対応
- Macのような起動音が追加
- 明らかになっていないこと:Bluetooth 5.3
バッテリー容量
AppleはiPhone 14シリーズについて“iPhone史上最高の電池持ち”と説明したもののバッテリー容量については明かしていません。
電池持ちはバッテリー容量だけではなく、チップセットやディスプレイなど各パーツの消費電力も左右するため、Appleにとってはどうでも良いことなのかもしれませんが、ユーザーにとっては気になること。
中国のデータベースから判明したバッテリー容量は以下のとおりです。
モデル名 | バッテリー容量 | 使用時間 |
---|---|---|
iPhone 14 | 3,279 mAh |
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iPhone 14 Plus | 4,325 mAh |
|
iPhone 14 Pro | 3,200 mAh |
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iPhone 14 Pro Max | 4,323 mAh |
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iPhoneは本体の厚みに応じてバッテリー容量が増減する傾向があります。
厚みが7.7mmから最大8.3mmまで増加したiPhone 11シリーズは増量。7.4mmに薄くなったiPhone 12シリーズは減少。7.65mmに厚みが増したiPhone 13シリーズは増量。最大7.80mmに厚みが増したiPhone 14シリーズは 「iPhone 14 Pro Max」を除いてバッテリー容量が増量されました。
ちなみに、4nmプロセスによるA16 Bionicチップとアダプティブリフレッシュレートが最小1Hz(画面の書き換え回数を1秒間で最低1回に落とす技術)に改善されたProMotionテクノロジーを採用するProモデルは画面点灯時の電池持ちが向上しています。
A16 vs A15チップの性能
A15 Bionicチップを搭載する 「iPhone 14」 「iPhone 14 Plus」 に対して、Proモデルの 「iPhone 14 Pro」 「iPhone 14 Pro Max」には、最新のA16 Bionicチップが搭載されています。
“どのスマートフォンよりも高速”なA16 Bionicチップは、Apple初の4nmプロセスで製造され、競合機種に比べて最大40%高速なCPUとメモリ帯域幅が50%向上したGPU、毎秒17兆回の演算が可能なニューラルエンジンを搭載しています。
性能を数値化したベンチマークスコアにおいて、A16 BionicのCPU性能はA15 Bionicに比べてシングルコアが10.5%、マルチコアが17%優れていることがわかっています。GPUのパフォーマンスについてはこれから明らかになるでしょう。
Appleはチップの世代に応じてOSアップデートの保証期間を決定することから、「iPhone 14 Pro」 「iPhone 14 Pro Max」は、より長いOSアップデートが保証されるかもしれません。
メモリ容量
同時に起動したアプリを行き来するマルチタスキングの快適性に関わるメモリ容量も明かされていませんが、いつもどおりアプリ開発ツールのXcodeからiPhone 14 全機種のメモリ容量が明らかになりました。
6GBのメモリを搭載していた前世代の 「iPhone 13 mini」 「iPhone 13」 は4GB、 「iPhone 13 Pro」 「iPhone 13 Pro Max」 に対して、iPhone 14シリーズは全4機種6GBのメモリを搭載しています。
メモリが増量されたモデルでは、別のアプリから戻ってきた時に入力した情報やスクロール位置がクリアされてしまう現象が減ることでストレスが軽減されます。
Apple ProRAWのデータ容量は通常の3倍
「iPhone 14 Pro」と「iPhone 14 Pro Max」には、48メガピクセルの超高解像度カメラが搭載されています。
ほとんどの写真では、4つのピクセルを1つのピクセルとして扱い、4倍多くの光を捉えてイズ(黒い場所に現れるガサガサの粒子)の少ない写真が撮れるピクセルビニングによって12メガピクセルで記録されます。
48メガピクセルで記録したい場合は、Apple ProRAWモードで撮影することで、ピクセルビニングをキャンセルすることも可能。機械学習の活用によって、シャープネスの低下やノイズの増大といった高解像度撮影の弱点が補正されます。
もう1つの弱点は膨大なデータ容量です。1枚につき25MB前後で記録される12メガピクセルの写真に対して、48メガピクセルで保存された写真は1枚につき75MB前後になるとのこと。
ちなみに、ナイトモード、フラッシュ、マクロ写真は常に12メガピクセルで記録されます。
128GBモデルはProRes非対応
「iPhone 14 Pro」 「iPhone 14 Pro Max」 では、色の高い忠実性と圧縮の少なさでコマーシャルや長編映画、放送用の最終納品フォーマットとして幅広く使われている先進的なビデオコーデック「ProRes」に対応。同コーデックでは、4K/30fpsの撮影も可能です。
ただし、容量が最も少ない128GBモデルは、「iPhone 13 Pro」 「iPhone 13 Pro Max」 と同様に1080p/30fpsの制限があります。
Macのような起動音が追加
iPhone 14 Proには、Macのような起動音が追加されることがわかりました。
これはアクセシビリティ機能として追加されるもので、音によって電源のオン・オフを認識できるというものです。
これまでは画面の状態でのみ起動のオン・オフを認識することが可能だったため、視覚障がい者にとっては不便だったはず。なお、この機能はA16 Bionicに組み込まれていることから他のモデルでは利用できないと予想されています。
明らかになっていないこと:Bluetooth 5.3
iPhone 14 全機種とAirPods Pro(第2世代)は、Bluetooth 5.3に対応しました。
しかし、このバージョンアップデートによって何が起こるのか、新しい機能が追加されるのかなど、Appleは説明していません。
期待されるのは次世代音声規格「LE Audio」の対応です。
LE Audioで新たに導入されたオーディオコーデック「LC3」により、現在の主流であるSBCコーデックと同じビットレートでも高い音質の実現が可能。または半分未満のビットレートでもわずかに高い音質を実現します。
これらの機能はiOS 16.1やiOS 16.5といったメジャー級のアップデートで追加される可能性があります。
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