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iPhoneのカメラがGoogle Pixelに劣る理由は不自然なソフトウェア処理との指摘

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Yusuke Sakakura公開日:2023/01/08 15:10
iPhoneのカメラがGoogle Pixelに劣る理由は不自然なソフトウェア処理との指摘

世界中で2000万以上の票を集めたカメラテストで優勝したのは、なんと4年前のカメラセンサーを搭載した「Pixel 6a」でした。

カメラテストは機種名が伏せられた写真を見比べてどちらが優っているかに投票するシンプルなもので、個人の好みに左右されても不公平感はありません。

下位モデルに僅差で敗れたものの「Pixel 7 Pro」も3位以下を大きく引き離して2位にランクインするなど、Googleは素晴らしい結果を残しています。

新しい48メガピクセルのカメラセンサーにリニューアルされたAppleのiPhone 14 Proはというと16機種中7位に留まっています。15万円のiPhoneが5万円のPixelに大敗した理由についてカメラテストを主催したチャンネル登録者1650万人を誇るYouTuberのMKBHDが考察しています。

カメラのソフトウェア処理で一歩先を行くGoogle Pixel

最近の(とは言っても数年前から)スマートフォンのカメラは、単純な写真にソフトウェアで空に青を足したり、草木に緑を足したり、トーンマッピングやノイズリダクション、HDR処理などの味付けをして1枚の写真を生み出しています。

MKBHDはiPhoneがPixelスマートフォンに大敗した理由について、ソフトウェアによる味付けーーAppleがコンピュテーショナルフォトグラフィとするものに原因があるとしています。

ソフトウェア処理のイメージ
ソフトウェア処理のイメージ

スマートフォンのカメラにおいて、ソフトウェア処理に焦点を当てて大成功を収めたのがGoogleです。

当時、多くのスマートフォンが複数のレンズを搭載することで一眼レフのように背景をぼかせるポートレート写真を実現する中で、Googleはたった1つのレンズとソフトウェア処理によってそれを実現。ただ撮れるだけでなく、メインの被写体を背景を識別する精度もかなり高いものでした。

ポートレート写真だけでなく、フラッシュを使うことなく真っ暗でも明るく撮れるナイトサイト(現在の夜間モード)、専用の望遠レンズなしでも綺麗に撮影できる超解像ズーム、輝度・絞りの異なる7枚の画像を1枚に合成して逆光など明暗差が激しいシーンで発生する黒つぶれや白飛びを抑えるHDR+など、数々のコンピュテーショナルフォトグラフィは多くの人を驚かせました。

さらなる驚きはGoogleがPixel 3シリーズで搭載した約4年前のIMX363センサーを現在も使い続けていて、カメラテストで優勝した「Pixel 6a」にも搭載されているということ、どれだけGoogleのソフトウェア処理が優れているかが理解できると思います。

Pixel 3 XLで撮影したポートレート写真
Pixel 3 XLで撮影したポートレート写真

そのGoogleも新しい50メガピクセルのセンサーを採用したPixel 6では、画素がシャープネスすぎたり、HDRっぽく見えるなどとの指摘が相次ぎました。

MKBHDは旧型のセンサーでは光量が足りないことを考慮してソフトウェアで処理していたが、新しい大型のセンサーになって光を取り込める量が増えたにも関わらず、必要ない処理(高感度、ノイズリダクション、シャープネスなど)を行って全体的に加工をやりすぎていたと説明しています。

結果的に2021年のカメラテストでは、旧型のIMX363センサーを搭載したPixel 5aとの直接対決に敗れて初戦敗退になりました。

63%ものユーザーが新センサーのPixel 6ではなくPixel 5aの写真を選んだ
63%ものユーザーが新センサーのPixel 6ではなくPixel 5aの写真を選んだ

その後、Googleは1年かけてソフトウェア処理を修正して新しいカメラセンサーに対応したことで、Pixel 7シリーズでは軌道修正に成功。その結果、明るい室内・暗い屋外・ポートレートの3部門で行われた今年のカメラテストにおいて2部門でPixel 7 ProがPixel 6aを上回る結果になっています。

Appleのソフトウェア処理は加工のしすぎとの指摘

AppleもiPhone 14 Proで48MPの新しいカメラセンサーを導入しました。MKBHDはクオリティに一貫性がなく、少し過剰に加工されたように見えるなど、Googleと同じ道をたどっていると指摘しています。

正確に同じ道をたどれば、iPhone 15で解決するはずですが、気になるのはGoogleのPixelスマートフォンと違って、iPhoneは旧型のセンサーでもカメラテストで大した結果を残していないということ。

一昨年のカメラテストで旧型のセンサーを搭載したiPhone 13 ProはPixel 5aとの直接対決に敗れています。

旧型のセンサーでも安価なPixel 5aに敗北した
旧型のセンサーでも安価なPixel 5aに敗北した

この不甲斐ない結果はソフトウェア処理にあると導き出すのが自然でMKBHDはソフトウェア処理によってたまに変な写真が出来上がると指摘しています。

以下の写真は良い例です。Pixel 7 Proで撮影した写真は顔の右側に影が残っていますが、iPhone 14 Proは自然に光を当てています。

次は悪い例。4位にランクインされたPixel 7 Proは、他の高く評価された機種と同じような写り方をしていますが、暗所で10位になったiPhone 14 Proは、顔の左から当たっている光によって自然にできる右側の影が完全に取り除かれています。

また、各社が注力する肌の色の再現性に関しては、Pixelスマートフォンに搭載されている肌の色を正確に再現するリアルトーン機能を高く評価しています。

肌の色については各社味付けに違いがあり、中国のスマートフォンでは、地域で好まれることから顔が全体的に明るくなるよう加工されるのに対して、Googleはさまざまな肌の色を正確に表現できるよう取り組んでいるとしつつ、Appleは単に全体的に顔を照らすだけで、肌の色を正確に表現するために必要なホワイトバランスや露出の違いが考慮されていないとのこと。

結果的にカメラテストでは、多くの人が肌の色が正確に再現されているスマートフォンに投票したと結論づけています。

MKBHDも2000万票が集まったカメラテストの参加者もPixelスマートフォンのカメラを高く評価していますが、MKBHDは2022年のベストスマートフォンアワードのベストカメラ部門にて「iPhone 14 Pro」を選出しています。

この理由についてカメラテストでは、一部のテストしか行っておらず、オートフォーカスのスピードや精度、カメラの起動時間、どれだけ速く撮影できるか、動画の全般的なテストは含まれていないと説明。

ベストカメラの選出においては、動画の画質に加えて、シャッタースピード、オートフォーカスの信頼性、ファイルフォーマットなどを評価基準に加えて選考し、写真の評価はA-からB+であるものの、動画に関しては別次元との理由でiPhone 14 Proをベストカメラ賞に選出しています。

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