完全分離プランの義務化によって通信の継続利用を条件にした端末の値引きが今後禁止される。
各社は先行して月々サポートや月月割、毎月割といった2年間の契約を条件に端末を値引きする割引サービスを廃止したが、日本政府はさらに制限をかける方針のようだ。
半額値引きがたったの2万円割引に
日本経済新聞によると、日本政府は2年間など通信の継続契約を条件に端末の値引きを禁止することに加えて、通信契約をすぐに解約できる場合でも端末の値引き額を上限2万円に設定するそうだ。さらに、2万円の値引き額には下取りまで含まれる可能性があるという。
ドコモ、au、ソフトバンクの各社は前述したとおり、通信の継続契約を条件にした端末の値引きはすでにやめている。ただ、そのかわりに発表したのは端末を一定期間利用し、端末を返却することを条件に最大半額または1/3を免除するというものだ。今回の報道で具体的な規制対象には言及されていないが、実質的な下取りとされる各社の値引き・販売方法も上限2万円の規制対象になる可能性がある。
具体的に言えば、ソフトバンクの「iPhone XS」(256GB)は機種代金が155,040円となっているが、半額サポートによって25ヶ月目に機種変更して端末を返却すると77,520円になるが、上限2万円ルールが適用されると実質135,040円になってしまう。
来年は5G元年。5Gに対応するスマートフォンが国内外のメーカーから続々と発表されるはずだが、最新のテクノロジーに対応するモデルは当然、販売価格も高くなる。5Gが普及するには大幅な値引きが必要だが、各キャリアは上限2万円までしか割り引けなくなる。5Gの普及にも大きな影響を与えるはずだ。
日本政府が目指しているのは端末の値下げでユーザーを獲得する販売戦略が2年以内になくなること。端末を長く使い続ける人や端末を選ぶ人にはメリットが少ない市場のゆがみを正す狙いもあるそうだ。
なお、2年縛りの違約金が現在の9,500円から1,000円以下にすることも報じられている。