Nothingの新型スマートフォン「Nothing Phone (2a)」が海外で先行発売されました。日本でもすでに予約注文がスタートしていて3月末より順次出荷されます。
FeliCa搭載が正式発表された(おサイフケータイ対応は調整中)ことで、価格帯が近いPixel 7aとどちらが優れているのか違いを比較する人も多いようです。
この記事では、Nothing Phone (2a)とPixel 7aにどういった違いがあるのかを比較してまとめています。自分にとってどちらが最適な1台なのかチェックしてみてください。
Nothing Phone (2a)とPixel 7aの違いを比較
Nothing Phone (2a) | Google Pixel 7a | |
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デザイン | ||
価格と容量 |
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素材 |
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サイズ |
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重さ | 190g | 193.5 g |
ディスプレイ |
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カメラ |
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フロントカメラ |
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写真機能 |
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動画機能 |
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チップセット |
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メモリ | 8GB/12GB | 8GB |
バッテリー |
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ワイヤレス充電 |
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SIM |
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5G | Sub6 | Sub6 |
Wi-Fi |
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Bluetooth | 5.3 | 5.3 |
FeliCa | ◯ | ◯ |
防水・防じん | IP54 | IP67 |
USB | USB-C | 3.2 Gen 2 |
セキュリティ |
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センサー |
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位置情報 |
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アップデート保証 |
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同梱品 |
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価格と容量
Nothing Phone (2a)の価格と容量は8+128GBが49,800円、12+256GBが55,800円です。
対するPixel 7aの容量は8+128GBの1種類のみ。Google Store価格は69,300円でNothing Phone (2a)よりも高額です。
ただし、回線契約なしでも購入できるauオンラインショップの価格は47,500円。また、端末返却で25,453円の支払いが不要になるため、負担金は22,047円です。
端末と回線のセット購入の場合は最大22,000円の割引が適用されるため、負担金47円と圧倒的な安さで購入できます。
Pixel 7aの価格
docomo | |
機種代金 | 販売なし |
負担金 | 販売なし |
au | |
機種代金 | 販売なし |
負担金 | 販売なし |
SoftBank | |
機種代金 | 55,440円 |
負担金 | 端末返却で24円毎月の支払額1円/月 |
UQ mobile | |
機種代金 | 販売なし |
負担金 | 販売なし |
Y!mobile | |
機種代金 | 55,440円 |
新規契約 | |
負担金 | 割引適用で36,720円毎月の支払額1,020円/月(36回) |
機種変更 | |
負担金 | 割引適用で55,440円毎月の支払額1,540円/月(36回) |
のりかえ | |
負担金 | 割引適用で27,720円毎月の支払額770円/月(36回) |
機種代金 | 69,300円 |
デザイン
デザインもどちらの機種を選ぶか決め手になります。
Nothing Phone (2a)はスケルトンな背面に「Glyphインターフェース」を搭載。3つのLEDと音が連動して通知や着信を知らせるだけでなく、タイマーの残り時間や音量レベルを光で確認したり、再生中の音楽と連動して光るエンタメ機能も搭載されています。
賛否があるのはカメラデザインで、Nothingは2つのレンズを横に並べたデザインを目と表現していますが、鼻🐽と表現する人もいます。対するPixel 7aの背面を大胆に横切るカメラバーも評価の分かれるデザインです。
前面はディスプレイ周りの黒いフチ(ベゼル)の仕上げに大きな違いがあります。
Pixel 7aは下側のベゼル幅が太いのに対して、Nothing Phone (2a)は曲げ加工ができるフレキシブル有機ELを採用することで4辺同一幅のベゼルを実現。この価格帯でフレキシブル有機ELを採用するスマートフォンはとても珍しく、前面のデザインについてはNothing Phone (2a)がとても優れています。
防水と耐久性
Nothing Phone (2a)の背面には、キズが付きやすいポリカーボネートを使用されています。
海外で公開されているレビューでは、樹脂特有の指紋の目立ちやすさも指摘されているため、指紋が気になる場合は目立ちにくいミルクを選びましょう。
Pixel 7aの背面にはガラスが使用されているため、落とした時に割れる可能性はあるものの、キズへの耐久性は優れています。
ただし、ディスプレイ側の素材はGorilla Glass 3で、Nothing Phone (2a)のGorilla Glass 5に比べて耐久性は劣ります。
防水・防塵性能はPixel 7aがIP67等級で固形物の侵入に対して最高の保護性能を誇ります。水の侵入については上から2番目の性能で、一時的に一定の水圧または水深に水没しても内部に浸水しません。
Nothing Phone (2a)はIP54等級で有害な影響を及ぼす固形物が内部に侵入することはありません。液体についてはあらゆる方向からの飛沫による影響はないものの積極的に水にさらすことは避けるべきです。
耐久性に関して画面の割れやすさを除けば、Pixel 7aが優れているという評価になります。
ディスプレイ
Pixel 7aの画面サイズは6.1インチ、画面のなめらかな動作を表すリフレッシュレートは最大90Hzです。
Nothing Phone (2a)の画面サイズは6.7インチで、リフレッシュレートは最小30Hz、最大120Hzのため、迫力のある映像となめらかな映像で映画やドラマを見たり、ゲームをプレイしたい(アプリや映像が対応している必要あり)人に最適です。
それよりも片手で操作しやすい画面サイズを好む場合はPixel 7aを選ぶことをオススメします。
カメラ
最も重要な要素の1つであるカメラ。
Pixel 7aは2023年発売のスマートフォンで最も多くの人が画質が優れている1台として選ばれるなど、評価は申し分ありません。動画撮影においてもNothing Phone (2a)では不可能な4K60fps、フロントカメラの4K30fps撮影が可能です。
対するNothing Phone (2a)のカメラについてPCMagは価格を考慮すれば十分ではあるものの、画像の処理に時間がかかり、プレビューと実物に差があることを指摘しています。一方で動画の手ぶれ補正については高く評価しています。
Android Policeは「価格を考えれば驚きはないが、あまり良くない」と評価しています。
具体的にはいい写真も撮れるがそうでないこともあり、バラツキがあるとのこと。ウルトラHDRをサポートしているため、対応デバイスであればより良く表示されるものの、HDRの処理はシャドウ部分が明るすぎたり、画像を撮影する際に携帯電話をしっかり固定するようメッセージが表示されることもあるとしています。
WIREDのレビュー記事では、Pixel 7aとNothing Phone (2a)のカメラ比較が行われており、Android Policeが指摘するように不自然にシャドウ部分が持ち上げられた加工感のあるHDR写真を多数確認できます。
Some shots taken on #NothingPhone2a using Auto mode, 12MP point and shoot. No edits, no filters! #withNothing #Phone2a pic.twitter.com/9l86wzZo6B
— Ryan Eales (@Ealesy101) March 7, 2024
ゲーミングとチップ性能
Pixel 7aには2022年に登場したGoogle Tensor G2チップが搭載されています。
発熱問題が大幅に改善された4nmプロセス製造のTensor G3チップと違って、5nmプロセスで製造されたTensor G2チップはDead by Daylightを3-4回プレイすると、過剰に発熱してグラフィックの処理がモタつくといった発熱問題を抱えていて、高い負荷のかかるゲームを頻繁にプレイしたい人にとっては最適なチップではありません。
Nothing Phone (2a)には、TSMCによる第2世代4nmプロセス製造のDimensity 7200 Proが搭載されています。
決してフラグシップレベルのチップではないものの、高負荷の処理も性能をできるだけ落とすことなく長時間動作するよう進化した冷却システムを搭載したこともあるのか、Android Policeはカジュアルゲームや日常的な使い方なら十分と評価。
PCMagはグラフィックスの設定を高、フレームレートを60fps固定した原神を20分近くプレイしたところ、少し背面が暖かくなり、1回だけ処理がもたついただけで問題なくプレイできると評価しています。
性能を数値化したAnTuTuのベンチマークスコアは両機種とも750,000前後を記録しています。
なお、複数のアプリを使い分けながら操作するようなマルチタスキングの快適さに関わるメモリ容量はPixel 7aが8GB、Nothing Phone (2a)は8GBと12GBを選ぶことができ、最大8GBの仮想メモリを追加することもできます。
電池持ちとワイヤレス充電
電池持ちに直接影響するバッテリーの容量はPixel 7aの4,300mAhに対して、Nothing Phone (2a)は5,000mAhと大容量のバッテリーを搭載します。
Pixel 7aの電池持ちは人や環境によってバラツキがありますが、Nothing Phone (2a)の電池持ちに関してはどの海外メディアも高く評価しています。
特にAndroid Policeによる具体的なレポートでは、Wi-Fiでのクラウドゲームを2時間30分、約30分のナビゲーションを含めて7時間近い画面オン時間を記録し、フル充電から24時間利用できたと報告されています。
充電性能はPixel 7aが最大18W出力対応でフル充電にかかる時間は2時間以上ですが、Nothing Phone (2a)は最大45W出力対応でフル充電にかかる時間は59分と案内されています。
Pixel 7aはワイヤレス充電に対応していますが、7.5出力のため充電にはかなり時間がかかります。
eSIMとWi-Fi
Nothing Phoneシリーズの弱点はSIM周りで、上位モデルのPhone (2)も廉価モデルのPhone (2a)もeSIMには対応していません。Pixel 7aはeSIMにも対応しています。
Wi-FiはPixel 7aがWi-Fi 6E、Nothing Phone (2a)がWi-Fi 6をサポートしています。
Wi-Fi6との違いは“E”が付くか付かないだけですが、中身は大きな違いがあります。
Wi-Fi 6は2.4GHzと5GHz帯に対応するのに対して、Wi-Fi 6Eは6GHz帯で通信できるため、電波干渉を避けて通信が安定し、混雑しにくいため快適に利用できます。なお、Wi-Fi 6Eを利用するには対応ルーターが必要です。
対応バンド
両機種ともSub6の5Gに対応しています。
5Gの対応バンドはPixel 7aの方が豊富。特にドコモが広く展開しているn79に対応しているため、ドコモ回線ユーザーであれば、Pixel 7aを選ぶべき理由になります。
4Gの対応バンドもPixel 7aの方が多いものの、国内キャリアが使用しているバンドはどちらも同じ。海外で利用しないのであれば差はありません。
Nothing Phone (2a) | Pixel 7a | |
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5G | n1/3/5/7/8/20/28/38/40/41/66/77/78 | n1/2/3/5/7/8/12/20/25/28/38/40/41/66/75/76/77/78/79 |
4G | Band1/3/4/5/7/8/18/19/20/26/28/38/39/40/41/42/66 | Band1/2/3/4/5/7/8/12/17/18/19/20/21/25/28/32/38/39/40/41/42/66 |
まとめ:Nothing Phone (2a)とPixel 7aの選び方
2023年以降に発売された5万円前後のミドルレンジのスマートフォンとして、Nothing Phone (2a)とPixel 7aは有力な選択肢になります。
片手でも快適に操作できるコンパクトサイズ、防水防じん性能、便利なワイヤレス充電とeSIM、ドコモのn79バンドに対応した5Gに魅力を感じるのであれば、Pixel 7aが最適です。
一方でより優秀な電池持ち、短い充電時間、大容量のメモリとストレージ、快適なゲームと動画視聴が可能な大型ディスプレイ、スタイリッシュなデザインに魅力を感じるのであればNothing Phone (2a)を選ぶと良いでしょう。
なお、どちらもFeliCaを搭載していますが、Nothing Phone (2a)については3月9日時点でおサイフケータイ対応は調整中と案内されています。対応は目指しているようですが、発売時には利用できなかったり、発売時期が延期される可能性も考えられます。
おサイフケータイが欠かせない場合は、対応状況が確定してから購入するようにしましょう。
価格についてはauオンラインショップから安く購入できて、端末返却によって回線契約なしでも負担金2万円程度で購入できるPixel 7aの方が魅力的です。
- 新トクするサポート(スタンダード)の負担金は、48回払いで購入後、25ヶ月目に特典利用を申し込みと機種返却が条件です。
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