AppleがFace IDを搭載したiPhone Xを2017年に発売したことで、スマホの顔認証が本格的に普及しました。
顔認証の波はAndroidにも広がりましたが、なりすまし対策など高いセキュリティを実現するには多くのセンサーが必要でコストがかかります。さらに、新型コロナウイルスの蔓延によってマスク着用が日常したことや、ベゼルレスデザインで画面占有率を高めるトレンドの影響で、Androidにおける顔認証の普及は一時的なものになり、現在は指紋認証が一般化しています。
そういったなかで、Androidスマートフォンとして唯一、顔認証に注力し続けているのがGoogle Pixelです。
2019年に発売されたPixel 4シリーズでは、3D顔認証を導入しましたが、わずか1年で廃止に。その後、2022年発売のPixel 7シリーズで顔認証が復活し、Pixel 8シリーズでは、奥行きを検知できるセンサーとAI、機械学習の進化により、画面ロックの解除だけでなく、決済時の本人認証にも利用できるほど高いセキュリティが実現されました。
そして、2年後の発売が予想されるPixel 11シリーズでは、赤外線カメラによる3D顔認証が復活する可能性があるようです。
3Dデプスセンサーvs赤外線カメラの顔認証
Android AuthorityがGoogleのチップ部門から入手した情報によると、Google Tensor G6が顔認証用の赤外線カメラをサポートする可能性があると報告しています。同チップはPixel 11シリーズに搭載される見込みです。
Pixel 8シリーズ以降で利用できる顔認証の不満の1つは、寝室などの真っ暗な場所では精度が落ちたり、認証自体できなくなることです。
これは3Dデプスセンサーが通常のカメラセンサーと同じように照明や太陽などの光を必要とするためです。一方、赤外線カメラを用いた顔認証は暗い場所でもスムーズに利用できます。
実際に遮光カーテンを付けた寝室でPixel 9とPixel 4の顔認証を使い比べたところ、Pixel 9の画面には「十分な光がありません。指紋認証をお使いください」の表示が出て顔認証が機能しませんでしたが、5年も前に発売されたPixel 4はスムーズに動作しました。
Pixel 4は赤外線カメラをはじめとする多くのセンサーをベゼルに配置していましたが、Pixel 11シリーズの赤外線カメラはディスプレイ内蔵型となるようでパンチホールデザインを維持できると予想されます。
また、Appleも同様の技術を採用した新しいFace IDを新型iPhoneに採用するという噂があり、2026年は顔認証に大きな変化が訪れる年になるかもしれません。
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