Googleが日本時間10月20日にオンラインイベント『Pixel Fall Launch』にて、2021年の最新スマートフォン「Pixel 6」と「Pixel 6 Pro」を正式発表しました。
どちらも新しいデザインとカラフルなボディに、Googleが初めてPixelスマートフォン向けに開発した独自チップを搭載した最新モデル。強力なチップの搭載によって、写真に写り込んだ不要なものを消せる新機能やPixel 6が翻訳機となるライブ翻訳機能に対応します。セキュリティアップデートの保証期間も3年間から5年間に延長されました。
Pixelスマートフォン史上最大のアップデートとして発売されるPixel 6シリーズ。今日から予約受付を開始し、10月28日に発売されますが、Pixel 6に買い換えようか、Pixel 6 Proとどちらを購入しようか迷っている人も多いはず。
この記事ではそういった人のために、販売中のPixel 6・6 Pro・5a 5Gの3機種に、Pixel 3・3 XL・4・4 XL・5を加えた歴代Pixelスマートフォンの違いを比較します。旧機種から買い替えを検討している方はぜひ参考にしてください。
目次
- 大きさ・サイズ・重さを比較
- ディスプレイを比較
- 指紋認証を比較
- カメラを比較
- Googleフォトの無制限ストレージに違いは?
- Google Tensor vs Snapdragon!!性能を比較
- アップデートの保証期間を比較
- 電池持ちを比較
- 価格を比較
大きさ・サイズ・重さを比較
Pixel 6のサイズは、縦158.6mm・横幅74.8mmで2018年に発売されたPixel 3 XLとほとんど同じサイズです。
手元にPixel 3 XLがありますが、画面の上側に表示されるボタンはもちろん、持ち手と逆側に表示されるボタンにもギリギリ指が届くサイズ感です。ただ、Pixel 3 XLに比べて、Pixel 6は横幅が約2mm短いので十分、片手操作できるサイズだと思います。
上位モデルのPixel 6 Proは、Pixelスマートフォン史上最大の縦163.9mm・横幅75.8mm。Pixel 4 XLやPixel 3a XLを使っている人は、サイズ感があまり変わらないので買い替え後も大きな違和感はないと思いますが、一般的には片手操作が難しいサイズ感です。
通勤や通学で電車を使っていて、片手操作の機会が多い人はPixel 6を選ぶことをおすすめします。
縦 | 横幅 | 厚さ | 重さ | 素材 | |
---|---|---|---|---|---|
Pixel 6 | 158.6 mm | 74.8 mm | 8.9 mm | 207 g | テクスチャ加工の合金製フレーム |
Pixel 6 Pro | 163.9 mm | 75.9 mm | 8.9 mm | 210 g | ポリッシュ仕上げ合金製フレーム |
Pixel 5a 5G | 156.2 mm | 73.2 mm | 8.8 mm | 183 g | プレミアム金属製ユニボディ |
Pixel 5 | 144.7 mm | 70.4 mm | 8.0 mm | 151 g | 100%リサイクルのアルミニウム |
Pixel 4 | 147.1 mm | 68.8 mm | 8.2 mm | 162 g | アルミ製フレーム |
Pixel 4 XL | 160.4 mm | 75.1 mm | 8.2 mm | 193 g | |
Pixel 3 | 145.6 mm | 68.2 mm | 7.9 mm | 148 g | アルミ製フレーム 背面ソフトタッチ ガラス |
Pixel 3 XL | 158.0 mm | 76.7 mm | 7.9 mm | 184 g |
ディスプレイを比較
Pixel 6|6 Proともにパンチホール付きの有機ELディスプレイを搭載しています。
画面の大きさはPixel 6が6.4インチ、Pixel 6 Proが6.7インチ。±0.6インチのPixel 3・3 XLや±0.8インチのPixel 4・Pixel 4 XLに比べると、画面サイズの違いは小さくなっています。
最大の違いは映像のなめらかさです。ゲームの映像やスクロール、アニメーションをなめらかに表示できる両機種ともスムーズディスプレイに対応していますが、なめらかさを数値化したリフレッシュレートは、Pixel 6 Proの方が高く、よりなめらかに映像が表示されます。
リフレッシュレートは1秒間に画面が何回切り替わるかを表すもので、最大90HzのPixel 6に対して、Pixel 6 Proは最大120Hzです。個人的に90Hz程度のリフレッシュレートでは、一般的なスマートフォンと大きな違いは感じませんが、120Hzになると確かな違いを感じることができます。
なお、高リフレッシュレートで画面の切り替わる回数が多いほど、電池の消費量が多く電池持ちが悪くなりますが、Pixel 6 Proは消費電力を下げるためにリフレッシュレートを最低10Hzまで落とすことで、電池消費量が小さくなります。大容量バッテリーと合わせて電池持ちは期待できそうです。
YouTubeやNetflixをより大画面で見たい場合はPixel 6 Proを、片手での操作を重視するのであれば、Pixel 5a 5GまたはPixel 6がおすすめです。
画面サイズ | 解像度 | アスペクト比 | コントラスト比 | リフレッシュレート | 強化ガラス | |
---|---|---|---|---|---|---|
Pixel 6 | 6.4インチ | フルHD 1,080 x 2,340 | 20:9 | 1,000,000:1 | 90Hz | Gorilla Glass Victus |
Pixel 6 Pro | 6.7インチ | QHD 1,440 x 3,120 | 19.5:9 | 1,000,000:1 | 10-120Hz | |
Pixel 5a 5G | 6.0インチ | フルHD+ 1,080 x 2,400 | 20:9 | 100,000:1 | 60Hz | Gorilla Glass 3 |
Pixel 5 | 6.34インチ | フルHD+ 1,080 x 2,340 | 19.5:9 | 1,000,000:1 | 90Hz | Gorilla Glass 6 |
Pixel 4 | 5.7インチ | フルHD+ 2,160 x 1,080 | 19:9 | 100,000:1 | 60Hz | Gorilla Glass 5 |
Pixel 4 XL | 6.3インチ | QHD+ 3,040 x 1,440 | 19:9 | 100,000:1 | 60Hz | |
Pixel 3 | 5.5インチ | フルHD+ 2,160 x 1,080 | 18:9 | 100,000:1 | 60Hz | |
Pixel 3 XL | 6.3インチ | QHD+ 2,960 x 1,440 | 18:5:9 | 100,000:1 | 60Hz |
指紋認証を比較
初代Pixelから指紋認証の搭載を継続してきたGoogle。最新のPixel 6シリーズも指紋認証に対応しているので、マスクを着けたままでもスムーズに画面ロックを解除できます。
これまでのPixelスマートフォンは、指紋認証センサーを背面に搭載していたことで、見た目がよくありませんでした。Pixel 6シリーズは、指紋認証センサーをディスプレイに内蔵するディスプレイ指紋認証に初めて対応したことで、使い勝手はそのままにデザイン性が改善しています。
カメラを比較
デュアルカメラを搭載するPixel 6と、トリプルカメラを搭載するPixel 6 Proのカメラは大きな違いはあります。
まずは共通点から紹介しましょう。どちらも50メガピクセルの広角レンズを搭載。Pixel 5に比べて150%も多くの光を取り込めるようになったことで、夜景や暗所でも明るくノイズの少ない写真が撮影できます。景色をダイナミックに撮影できる12メガピクセルの超広角レンズを搭載する点も同じです。
トリプルカメラのPixel 6 Pro限定で、光学4倍ズームおよび超解像20倍ズームに対応した48メガピクセルの望遠レンズを搭載することで、旅行やスポーツ観戦時など遠くの被写体を撮影するときも画質の劣化なく、きれいな写真を撮影できます。
Pixel 6 Proのフロントカメラは、視野角94°の超広角レンズのため、Pixel 6よりもより広い画角で撮影できます。グループショットや自撮り棒を使わなくても自分の手を伸ばすだけで、お気に入りの背景をフレームに収められます。
機械学習の処理能力が格段にアップした独自チップGoogle Tensorを搭載したPixel 6シリーズでは、ソフトウェア処理によって画質を向上するコンピュテーショナルフォトグラフィも大幅に進化しています。
画面を数回タップしたり、なぞるだけで写真に写り込んだ不要なものを除去できる「消しゴムマジック」や人物の肌の色を正確に表現する「リアルトーン」、広角レンズと超広角レンズで撮影した画像を合成することで顔のブレを補正する「Face Unblur」、背景を高精度にぼかしたり、長時間露光によって躍動感のある写真に仕上げる「モーションモード」といった機能が利用できます。
動画撮影では、機械学習を活用することでリアルタイムでHDRを適用できるHDRnetに対応。1秒ごとに4K解像度のコマを60回切り替える高精細かつなめらかな映像にもHDRが適用されます。
カメラで選ぶのであれば、広角・超高速・望遠といった3つの画角をワンタップで切り替えて瞬時にキレイな写真を撮影できるPixel 6 Pro一択です。広角レンズと超広角レンズの性能は同じなので、ポートレートやズーム撮影をする機会がないのであれば、Pixel 6でも満足できるはずです。
メインカメラ | 広角レンズ | 超広角レンズ | 望遠レンズ | フロントカメラ | 主なカメラ機能 | |
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Pixel 6 |
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X |
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Pixel 6 Pro |
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Pixel 5a 5G |
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X |
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Pixel 5 | ||||||
Pixel 4 |
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X |
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Pixel 4 XL | ||||||
Pixel 3 |
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X | X |
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Pixel 3 XL |
Googleフォトの無制限ストレージに違いは?
2021年6月1日にGoogleフォトのストレージポリシーの変更に伴い、最大の魅力であった容量無制限アップロードが終了しました。ポリシー変更後にアップロードできる写真と動画は、15GBの無料ストレージと購入したストレージ分までに制限されます。
発売済みのPixelスマートフォンについては容量無制限が継続されるものの、今後発売されるPixelスマートフォンについては、特典が廃止されると発表されています。
実際にポリシー変更後に発売されたPixel 5a 5GとPixel 6|6 Proは、Googleフォトの容量無制限の特典が廃止になりました。
Google Tensor vs Snapdragon!!性能を比較
Google初の独自チップGoogle Tensorは、Pixel 5に搭載されたSnapdragon 765 5Gに比べて、CPUの性能は最大80%、GPU性能は最大370%もパフォーマンスが向上していますが、ただ単にスマートフォンをサクサク操作できたり、ゲームを快適にプレイできるだけではありません。
Googleは独自チップの搭載によって「データセンター品質のモデルをデバイス上で実行できる」と説明しています。つまり、これまではネットを経由して、巨大なデータセンター側で処理する必要のあった機能がデバイス上で利用できるだけでなく、プライバシーの観点から提供できなかった機能も利用できるということ。
写真に写り込んだ不要なものを消したり、顔がブレた写真を補正する新機能、音声からテキストへの変換や正確な音声字幕の表示、動画視聴中のリアルタイム翻訳もこれによって実現するものと思われます。また、録音アプリ「レコーダー」がようやく日本語の書き起こしに対応します。
なお、Sub6よりも高速な5Gのミリ波に対応するのはPixel 6 Proだけ。メモリはPixel 6の8GBに対して、Pixel 6 Proは12GBを搭載しているため、複数のアプリを切り替えながら作業をする場合は、Pixel 6 Proの方が快適に操作できます。
チップセット | GPU | メモリ | 5G | 防水・防じん | FeliCa | |
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Pixel 6 | Google Tensor | 8GB | Sub6 | IP68 | ○ | |
Pixel 6 Pro | 12GB | ミリ波 | ||||
Pixel 5a 5G | Snapdragon 765 5G | Adreno 620 | 6GB | Sub6 | IP67 | |
Pixel 5 | 8GB | Sub6 | IP68 | |||
Pixel 4 | Snapdragon 855 | Adreno 640 | 6GB | X | IP68 | |
Pixel 4 XL | ||||||
Pixel 3 | Snapdragon 845 | Adreno 630 | 4GB | |||
Pixel 3 XL |
アップデートの保証期間を比較
Google Tensorの搭載によって、ようやくGoogleが主要なハードウェアとソフトウェアを完全にコントロールできるようになりました。
各種アップデートはメーカーの判断だけで提供できるわけではなく、チップセットを提供するメーカーの対応も必要になりますが、Googleが独自チップに変更したことによって、Pixel 6|6 Proのアップデート保証期間は発売から最低5年間に延長されています。これまでは発売から最低3年間でした。
ただし、OSアップデートの保証期間はこれまで同じ3年間で2024年10月まで。セキュリティ アップデートは2026年10月まで保証されています。
内閣府の調査によれば、携帯電話の買い替え期間は4.3年とのことで、セキュリティアップデートの保証期間が買い替え期間を上回ることになります。
電池持ちを比較
Pixel 6のバッテリー容量は4,614mAh。Pixel 6 Proはシリーズ最大の5,000mAhのバッテリーを搭載しています。
充電速度はこれまでのPixelスマートフォンの最大18Wに対して、Pixel 6|6 Proは最大23Wの急速充電に対応。
また、Pixel 6|6 Proの発売に合わせて登場する第2世代のワイヤレス充電器「Pixel Stand」を利用すると、Pixel 6は最大21Wで充電が可能。Pixel 6 Proは最大23Wで充電できます。最大10W出力の初代Pixel Standと比較すると、2倍以上の出力でワイヤレス充電できます。
Pixel Stand 2の販売価格は9,570円。日本では12月14日に発売されます。
Pixel 6・6 Proの2機種はワイヤレス充電に対応したイヤホンやスマートフォンにバッテリーをおすそ分けできる「バッテリーシェア」に対応。なお、Pixel 5a 5Gを含むPixel aシリーズはワイヤレス充電に対応していません。
バッテリー容量 | 充電出力 | ワイヤレス充電 | バッテリーシェア | |
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Pixel 6 | 4,614 mAh | 最大21W | 最大21W | ○ |
Pixel 6 Pro | 5,003 mAh | 最大23W | 最大23W | |
Pixel 5a 5G | 4,680 mAh | 最大18W | X | |
Pixel 5 | 4,080 mAh | 最大12W | ○ | |
Pixel 4 | 2,800 mAh | 最大10W | X | |
Pixel 4 XL | 3,700 mAh | |||
Pixel 3 | 2,915 mAh | |||
Pixel 3 XL | 3,430 mAh |
価格を比較
最も安いPixel 5a 5Gの機種代金は51,700円。Pixel 6の価格は+23,100円の74,800円〜、Pixel 6 Proは+64,900円の116,600円〜です。
Pixel 6 Proは10万円を超える高額なモデルです。ただし、同じフラグシップモデルのiPhone 13 Pro(122,800円)やiPhone 13 Pro Max(134,800円)と比較すると、6,000円〜18,000円安く購入できます。
日本のGoogleストアでは、11月7日までに購入すると11,000円分のクレジットがもらえるキャンペーンが実施されています。さらに、Splititを利用して分割払いで購入すると、追加で5,000円分のクレジットがプレゼントされます。
残念ながら端末の割引には利用できませんが、9,570円の第2世代Pixel Standや3,630円の純正ケースの購入に利用できます。クレジットの有効期限は2022年10月までなので、来年発売されるPixel 7にも使えるかもしれません。
国内キャリアはauとソフトバンクが取り扱います。auはPixel 6の128GBのみ。ソフトバンクは両方のモデルを全容量販売します。楽天モバイルとPixelシリーズの親に当たるNexusシリーズから取り扱ってきたドコモは取り扱いません。
カラーは、Pixel 6がストーミーブラック、ソータシーフォーム、カインダコーラルの3色。Pixel 6 Proがストーミーブラック、クラウディホワイト、ソータサニーの3色。Pixel 5a 5GはMostly Blackのみ選べます。
Pixel 6 | 128GB | 256GB |
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機種代金 |
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実質負担金 |
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Pixel 6 Pro | 128GB | 256GB |
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機種代金 |
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実質負担金 |
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Pixel 5a 5G | 128GB |
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機種代金 |
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実質負担金 |
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