総務省が昨年のスマホの値引き規制に続いて、年内にスマホの返却を条件にした支払い免除にも規制をかけます。
これにより、スマートフォンが再び高額化することになりそうです。
5年前と1年前にもスマホの値引きを規制。必要か?との声も
約5年前、総務省は端末代金と通信料金の分離、利用者間における公平性確保、競争の健全化などを理由にスマホの値引きを大幅に制限しました。
高額な5Gスマホの登場も相まって機種代金は大幅に上昇し、スマホを買い替えしづらくなりました。
これを受けて携帯各社は端末購入プログラムを発表します。
これは一定期間の使用後にスマホを返却することで、機種代金の一部または大半が免除されるというもの。
例えば、ソフトバンクで販売されているiPhone 16(128GB)の機種代金は145,440円ですが、新トクするサポート(プレミアム)で購入すると、実際の支払額を月額3円、わずか36円に抑えることが可能です。
高額な機種代金の支払額をこれだけ安く抑えられる理由には、残価が高額に設定されていることが理由です。
スマホの返却を条件にした支払いの免除(残価)は実質的な下取りですが、総務省は残価額が中古市場の下取り相場を大幅に上回ることに着目し、公正な競争を促すことを目的に規制を強化します。
月額3円スマホを生む残価については、明確な基準がありませんが、今回の法改正では「端末の販売価格x残価率xその他考慮事項」という式等を用いて基準を明確にし、主に中古買取相場にもとづく形で規制する方針です。
これにより、中古の買取価格と大きく乖離させた買取予想価格によって、極端に低い負担額で販売する手法は封じられる見込みです。
同時にキャリア間の買取予想価格の差額も小さくなるでしょう。
例えば、iPhone 16(128GB)の買取予想価格に各社大きな差はないものの、Pixel 9(128GB)については同時期の返却においてドコモとソフトバンクで最大約2万円、Xperia 1 VIは最大約3万円の差額が存在しています。
特に13ヶ月目の買取予想価格を他社よりも高額に設定しているソフトバンクの一部機種は法改正の影響を受ける可能性が高いと思われます。1
今回の規制によって、新トクするサポート(プレミアム)のような機種代金が数十円(別途、端末補償サービスと早期手数料が必要)で1年レンタルのような端末の入手は難しくなります。
ソフトバンク | ドコモ | au | |
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iPhone 16 (128GB) |
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Pixel 9 (128GB) |
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Xperia 1 VI |
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AQUOS R9 |
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5年前のスマホの値引き規制は、不公平の解消や端末大金と通信料金の分離による料金値下げが歓迎されたものの、すでにこれらは実現されていることから、今スマホの値引きを規制する必要はないとの声も聞かれますが、法改正は12月26日に施行される予定。スマホの買い替えを考えている方は12月25日までの購入検討をおすすめします。
なお、これまでソフトバンクが総務省による規制を巧妙に回避する方法を編み出してきたことを考えると、今回も新たな抜け道を見つけるかもしれません。今後の動きにも注目です。
UPDATE:2024/12/06 15:27ご指摘を受けて内容を修正しました。修正前の内容は以下のとおりです。↓例えば、iPhone 16(128GB)の中古買取価格は平均8万円から10万円ですが、携帯各社の残価額はソフトバンクが145,404円、ドコモが89,760円、auが88,250円と、ソフトバンクの残価額は買取価格だけでなく、他社と比べても突出して高額に設定されています。ソフトバンクの新トクするサポート(プレミアム)については、規制される可能性が非常に高いと思われます。また、リセールバリューの低いAndroidについてはiPhoneよりも強い規制の影響を受けることが考えられます。
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