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遅すぎた?スマホ割引規制が緩和か 2.2万円→4.4万円が適当と判断。端末のみ購入に規制も

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Yusuke Sakakura公開日:2023/05/31 7:30
遅すぎた?スマホ割引規制が緩和か 2.2万円→4.4万円が適当と判断。端末のみ購入に規制も

今月に入って富士通東芝の流れを汲むFCNT、京セラ(個人端末向けのみ)、バルミューダといった日本メーカーが続けてスマホ・携帯端末事業終了を発表。残る大手の日本メーカーはソニーとシャープの2社になりそうです。

同じ時期に3社が撤退することは偶然でしょうか。

各社が苦境に追い込まれた原因は急速な円安と5Gスマートフォンへの移行に伴う開発コストの増加と販売価格の上昇にあるようです。また、総務省が5Gの開始前に定めた2万円の割引規制によって高額な端末が売れない市場に変化して採算性が悪化するなど大きなダメージを与えたはず。

時すでに遅しという感もありますが、ようやくスマートフォンの割引規制が緩和されそうです。

料金が安くなったのは総務省のおかげ?

スマホの2万円割引規制は2019年の電気通信事業法の改正によるものです。

法改正の1つである「通信料金と端末代金の分離」によって、端末の購入等を条件とする通信料金の割引が禁止になり、回線の契約とスマホをセットで購入する時の割引額も上限22,000円に制限されました。

分離の目的は高額な端末割引が通信料金を原資としていたこと。料金の高止まりに繋がっていると問題視され、頻繁に機種を買い替えて割引の享受を受ける人と数年に一度しか買い替えない人の不公平感も指摘されていました。

また、もう1つの「行き過ぎた囲い込みの禁止」は、いわゆる縛りの期間を上限2年とし、更新期間外の解約等による違約金を上限1,000円にするなどを定めたものです。

これらの規制が与えた成果について総務省は競争ルールの検証に関するワーキンググループにて、安い料金および多様なプランの提供とのりかえの増加があったと報告していますが、料金プランが本格的に安くなったのは2020年当時の菅政権が海外に比べて日本の料金が高いと指摘し、競争による値下げを無視してまで携帯3社に値下げを強く迫り、ahamo・povo・LINEMOといった安価なオンライン専用ブランド/プランができたことにあります。

一方で、キャリアおよび販売代理店における通信料金収入を原資とする端末の大幅な割引による顧客獲得に依存するビジネスモデルはいまだ主流で、3社の寡占構造も大きく変わっていないとも指摘されています。

ただし、寡占構造が変わらない原因は携帯3社に値下げを迫ったことで結果的に国が囲い込みに協力し、楽天モバイルやMVNOにのりかえる必要性を弱めたこともあるはずです。

スマホの2万円割引規制は失策か

実際のところ「通信料金と端末代金の分離」が生み出したものは、iPhone以外の高額な機種が売れない市場と、端末価格が80,000円のスマホを回線契約の有無に関わらず57,999円を値引きして端末価格を22,001円に設定して22,000円を割り引くことで合法的に販売できる1円スマホ、1円スマホなど高額割引の端末を購入して転売することで本当に買いたい人が買えなくなる転売ヤー問題です。

さらに、代理店のなかには端末のみ購入を拒否しながら2万円を超える割引を行う違法行為も確認されるなど、穴だらけで成功と言える要素が見当たりません。

こういった状況を是正するためにワーキンググループでは端末のみ購入時の割引も規制対象にすることが適当と指摘し、割引額については割引の基準である対照価格が調達価格を下回らないように見直すことが適切と判断。

セット購入時に適用される2万円の割引規制については、最新のデータを当時と同じ計算式によって見直しを行った結果、各社のARPUの3年平均[4,137円] x 各社の営業利益率の3年平均[18.9%] x 端末の3年平均使用年数[53.2月] = 41,597円となることから上限額を4万円とすることが適当と報告されています。

携帯料金の値下げが達成された今、通信料金と端末代金の分離は本当に必要でしょうか。なお、ヒアリングの際に端末メーカーは上限額の撤廃を要望していましたが、総務省には聞こえなかったようです。

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