
トランプ政権は、スマートフォンやPC、半導体などの電子機器が相互関税から除外すると発表。これにより、iPhoneの米国価格への影響が回避され、日本など他国への価格転嫁の懸念も解消されたと思われました。
しかし、米商務長官は依然として電子機器がフェンタニル関税の対象であると説明。トランプ大統領も単に異なる関税区分に移行するだけで、同関税によって20%が適用されると説明しています。
iPhoneが相互関税から除外も、フェンタニル関税は継続
iPhoneの製造・組み立てを中国などで行っているAppleなどの企業が、こうした関税を回避するには、生産体制を米国内に移す必要があります。
ただし、製造拠点を米国内へ切り替えるのは容易ではなく、生産体制が整うまでには長い年月がかかるとみられています。そのため当面は、値上げなど何らかの形で関税の影響を受け続ける可能性があります。
米国内でもこうした政策に反対する声が上がるなか、トランプ大統領は現在も製造は米国内で行うべきとの立場を崩していません。
なかでもAppleは、関税の影響を大きく受ける企業のひとつとされています。
米国で販売されるiPhoneの8割が中国からの輸入で、残り2割がインドやベトナムからとされており、中国からの輸入品に対しては、125%の相互関税と20%のフェンタニル関税を合わせた最大145%の関税が課される可能性があるとして、販売価格が倍以上に跳ね上がるとの見方もあったほど。
Mac、MacBookの多くも中国から輸入されていますが、最新のMacBook Air (M4)などはベトナム製とされており、Appleは中国以外での生産体制を強化することで、フェンタニル関税を回避しようとする動きも見られます。
ちなみにGoogleも、以前はPixelシリーズを中国で生産し、米国に輸入していましたが、コロナ禍をきっかけに、ロックダウンなどの影響が少ないベトナムへと生産を移行しました。一方で、ベトナム移行後は発売前の機種情報が早い段階で正確にリークされるなど、情報管理の面で課題も浮上しています。
相互関税からはひとまず除外されたものの、トランプ大統領は半導体や電子機器のサプライチェーン全体を国家安全保障上の調査対象とする意向を示しており、今後あらためて新たな関税が課される可能性も十分にあります。
また、分野別の事例としては、自動車に対して25%の追加関税がすでに課されており、半導体や電子機器にも同様の特別関税が導入されるものと思われます。
コメントを残す