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Google、App Storeの手数料30%を上乗せして「YouTube Premium」を提供

Yusuke Sakakura

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ブログメディア「携帯総合研究所」を運営しています。学生時代に開設して今年が16年目。スマートフォンの気になる最新情報をいち早くお届けします。各キャリア・各メーカーの発表会に参加し、取材も行います。SEの経験を活かして料金シミュレーターも開発しています。

2021/06/23 1:43
Google、App Storeの手数料30%を上乗せして「YouTube Premium」を提供

海外で先行提供されていた「YouTube Premium」と「YouTube Music」がついに日本に上陸した。YouTubeの動画と音楽を広告なしで楽しめる2つのサービスは大きな注目を集めているが、料金設定でもまた違った注目を集めている。

Androidに比べて30%も高いiOS登録版の「YouTube Premium」

「YouTube Premium」と「YouTube Music」の料金は以下のとおり。いずれもiOSアプリで登録した場合は約30%の料金が上乗せされている。

YouTube Premium YouTube Music
Android / ウェブ iOS Android / ウェブ iOS
基本プラン 1,180円 1,550円 980円 1,280円
ファミリープラン 1,780円 2,400円 1,480円 1,980円

この料金上乗せにはApp Storeのサブスクリプションサービスに課せられる手数料が関係しているようだ。

実質的な30%の手数料逃れ

AppleはApp Storeでサブスクリプションを提供する開発者に対して30%の手数料を課している(サブスクリプションが1年間更新されると15%に減額される)が、Googleは30%の手数料分を値上げしてサービスを提供することで実質的に手数料の支払いから逃れることができる。

App Storeを介さずにサブスクリプションサービスを提供すればいいのでは?と思うかもしれないが、AppleはYouTube Premiumのような「複数のプラットフォームで動作するサービスにおいて、別の場所(アプリ以外のウェブなど)で購入・契約したサブスクリプション等はApp内課金アイテムとしても購入できるようにしなければいけない」ことをガイドラインに明記していて、App内課金以外の購入方法に誘導するとアプリが審査を通らずいわゆるリジェクトされてしまう。過去にはSpotifyがアプリから課金システムを削除し、ウェブからの登録を誘導したとみなされてリジェクトされている。

3.1.3(b)マルチプラットフォームサービス:複数のプラットフォームで動作するAppでは、ユーザーが別の場所で入手したコンテンツ、サブスクリプション、機能にアクセスできるようにすることができます(マルチプラットフォームのゲームにおける消耗アイテムなどを含む)。ただし、そうしたアイテムをApp内のApp内課金アイテムとして購入できるようにする必要があります。iOSユーザーをApp内課金以外の購入方法に直接または間接的に誘導したり、他の購入方法について発信する情報を通して、ユーザーがApp内課金を利用する意欲を低下させたりすることは禁止されています。

Apple Musicは同額でAndroid登録版を提供

Googleが行ったのは収益性も減らさず、Appleのガイドラインにも抵触しないずる賢いやり方だ。手数料をユーザーに課すのは優しくないと思うかもしれないが、登録手段における料金の違いはあっという間に広まるはず。Googleは1ヶ月または3ヶ月の無料トライアル期間も提供しているため、登録後に料金の違いに気づいたユーザーは無料期間が終わったらサブスクリプションを解約してウェブから契約しなおせば損をすることもない。

こういった手数料逃れの提供方法はすでに他のデベロッパーもやっていることだが、Googleがやったことで今後同じ方法でサブスクリプションを提供するデベロッパーが増えるかもしれない。また、Apple MusicをiOSとAndroidで同額で提供しているAppleは報復行為としてAndroid版の料金を30%値上げするのだろうか。今後の動きどういった影響を与えるのか注目だ。

コメント
  • Anonymous
    4年前
    真面目に値段設定した結果ではと思う。 手数料を均等に分けて同額に>アップル ユーザごとに算出>Google
  • ano
    5年前
    とても勉強になりました。 ただ下記意味がよくわかりませんでした。 「Googleは30%の手数料分を値上げしてサービスを提供することで実質的に手数料の支払いから逃れることができる。」
    • Yusuke Sakakura
      5年前
      App Storeで公開したアプリが収益を得た場合、開発者は収益の30%をAppleに提供する必要があります。
      YouTube Premiumも月額料金のうち30%をAppleに提供することになりますが、App Storeでの月額料金をAndroidおよびウェブから加入した時の料金の+30%に設定することで、実質的に手数料を逃れられるということです。
      アプリから加入すると月額1,550円、ウェブから加入すれば月額1,180円。あなたがユーザーだった場合、どちらから加入しますか?
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