Twitterは昨年12月にタイムラインの自動更新などを実現する「User Streams API」を2018年6月20日に廃止すると発表した。
APIの廃止によって様々な不都合がわかると開発者からは大ブーイングが寄せられるがTwitterは一向に動かない。痺れを切らした開発者たちはAPI廃止に反対するサイトを立ち上げ、ユーザーを巻き込んで反対運動を起こすとようやくTwitterが重い腰を上げてAPI廃止の延期を発表した。
開発者とユーザーが愛用するAPIが廃止に
開発者がTwitterのタイムラインを取得するためにはAPIといった開発者向けの機能を利用する必要がある。APIは複数用意されているが15分に15回までなどの厳しい利用制限が設定されているため、多くの開発者はアクセス制限のない「User Streams API」を利用している。このAPIにはアクセス制限がないため、ユーザーに更新ボタンを押させることなくタイムラインを自動更新するストリーム機能も提供できるなど開発者だけでなくユーザーにも愛用されているAPIだ。
ところがTwitterは同APIの廃止と新しい「Account Activity API」への置き換えを発表した。新しいAPIではツイートや@メンション、返信、リツイート、引用ツイート、引用ツイートをリツイート、いいね、ダイレクトメッセージ送信、ダイレクトメッセージ受信、フォロー、ブロック、ミュート、タイピングインジケーター、メッセージ開封確認機能などの通知もリアルタイムで取得できるが、タイムラインは取得できないため厳しい制限があるAPIを利用せざるを得なくなる。
さらに、「User Streams API」が各ユーザー側からTwitterのサーバーへアクセスして各情報を取得するのに対して新しい「Account Activity API」はTwitterがアプリに対して各種情報を配信する方式のためアプリ側がサーバを立てる必要がある。新たにサーバの維持費が発生することも開発者とって大きな問題だ。今後は買い切り型の有料アプリでありながら月額で料金を取るアプリも出てくるかもしれない。
APIの廃止によって開発者はタイムラインの取得とサーバの維持費に関する2つの問題を抱えることになる。このままでは開発者はサードパーティアプリの提供を終了せざるを得なくなる。当然、ユーザーにも大きな影響を与えることになる。
人気Twitterアプリの開発者が反対サイトを立ち上げ
当然、API廃止に対して世界中の開発者が憤慨し、Talon/Tweetbot/Tweetings/Twitterrificといった人気Twitterアプリの開発者が連名で反対サイトを立ち上げる。反対サイトでは同APIの廃止によってプッシュ通知が受け取れなくなることやタイムラインの自動更新が提供できなくなるといった問題を説明。
代替となる「Account Activity API」のベータ版が利用できないことや利用できたとしても35アカウントまでといった制限があり、無制限で利用するには有料のエンタープライズ版が提供されているが料金が公表されていないといった新APIの問題点も説明されている。
さらに、今使っているお気に入りのTwitterアプリがわずか2ヶ月後に使えなくなる可能性があることを知らないとしてまずは認識を広めるためにTwitterの開発者向け情報を発信するアカウント(@TwitterDevJPまたは@TwitterDev)への問い合わせ、ブログやポッドキャスト、ハッシュタグ「#BreakingMyTwitter」を使って発信することを求めた。
数時間で多くの意見が寄せられたことでTwitterは開発者向けのアカウントを通じて6月20日に予定していたAPIの廃止を延期すると発表。さらに、新しい「Account Activity API」をすべての開発者が利用できるようになってから90日間の移行期間を提供するとした。
Last year we announced our plan to retire Site Streams & User Streams, and replace them with the Account Activity API (currently in beta). We are delaying the scheduled June 19th deprecation date.
— Twitter Dev (@TwitterDev) 2018年4月6日
ただ、APIの廃止や新APIの提供内容が変わらないかぎり根本的な問題は解決されない。数ヶ月後も今使っているサードパーティ製のTwitterアプリを使いたいならばTwitterやブログで怒りを示すなど意見を書いてみてはどうだろうか。
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