現在開催されている「ワイヤレスジャパン2008」において、KDDIはLTEを採用し、ソフトバンクモバイルは2012年~2013年に導入するとコメントしています。
KDDIは、将来的に動画などの大容量コンテンツが移動体通信でも人気になるのではないかと予想し、移動体通信のトラフィックが3年で2倍に伸びていることからこれに耐えうる高速通信規格の採用が必要と説明。これを踏まえてKDDIの小野寺社長は「実際に、LTE以外の選択肢はないだろう」と発言しています。
ソフトバンクモバイルは、HSPA+を採用してからLTEを採用する方針。HSPA+は現在採用されているHSDPAなどのHSPA規格の改良版。
主要3キャリアの通信規格が一本化へ。
KDDIもLTEを採用へ–次世代高速通信規格は一本化か:モバイルチャンネル – CNET Japan
この記事によると、KDDIはトラフィック増加の問題と大容量コンテンツのダウンロードに耐えうる高速通信規格が必要とコメント。
次世代移動体通信方式の3.9Gには、KDDIが現在参加している3GPP2が策定するUMBとNTTドコモなどが参加している3GPPが策定するLTEの2つがあります。これらを導入することでインフラや端末コストの低減、通信速度の向上、遅延の減少などが期待できますが、UMBとLTEには大きな差はないとの認識を示しました。
UWBでは、すでに「CDMA2000 1X」や「CDMA 1X EV-DO」などの通信方式を併用する事ができる「インターワーキング」を利用宇することができます。LTEにおいてはCDMA2000などのネットワークに接続する「マイグレーション」を3GPPが規定中となっています。マイグレーションではデータ通信をLTEで接続し、音声通信はCDMA2000で行うことも可能となり、KDDIとしては「どちらを選択してもいいような状況になっている」とコメントしています。
そして、KDDI社長の小野寺氏は「実際に、LTE以外の選択肢はないだろう」、「検討は進めているが、あわててやる必要は無い。ただ、実質的にLTEだと思ってもらってかまわない」とコメントしました。
【WIRELESS JAPAN08】「ソフトバンクの3.9GはHSPA+,LTEはコスト高」,松本徹三副社長:ITpro
また、この記事によれば、ソフトバンクモバイルでは、端末価格の高騰を避けるためにまずはHSPA+を採用し、LTE対応端末の価格が抑えられてからLTEを採用するとのこと。
ソフトバンクモバイルは2G用に使用している1.5GHz帯の周波数を2010年に総務省に返還するが、より高速なデータ通信で1.5GHz帯を2010年前半から利用できるように総務省に申請するとのこと。
現在、主流となっている下り最大7.2Mbps(最大は14.4Mbps)のHSDPAを3.9Gとして下り最大28MbpsのHSPA+の採用を目指すようです。理由としては、「LTEでは端末のコストが安くならず、下位互換性もない。」とコメントしています。
これにより、3.9GではNTTドコモ、au、ソフトバンクモバイルの通信規格が1本化することになります。
iPhone 3Gが発売されるキャリアがW-CDMAを採用しているキャリアに絞られましたが、通信規格が1本化されることによってこういったことが避けられ、キャリア間での競争はますます激化しそうです。