Googleが久しぶりにAndroidのバージョンシェアをアップデートしました。2020年4月以来、約1.5年ぶりです。
Android Studioで明らかにされた最新のバージョンシェアによれば、世界中で最も多く動作しているAndroidデバイスのバージョンは26.5%のAndroid 10となったようです。
Android 11と10のシェアが匹敵
Androidのバージョンシェアは、Androidアプリを開発するために必要なツール「Android Studio」上で確認できます。
新規プロジェクトを作成し、最小のSDK/APIレベルを選択する際にCUMULATIVE DISTRIBUTIONが表示されます。CUMULATIVE DISTRIBUTIONは、アプリがどの範囲までのバージョンで動作するか、カバーするかを知るために役立つもので、アプリを開発する上で必要な数字ということでAndroid Studio上で公開されています。
例えば、API28を選択した場合、開発するアプリがAndroid 9|10|11を合わせた69.0%のAndroidバージョンで動作するということになります。
当該バージョンの累積分布と1つ後のバージョンの累積分布を比較することで各バージョンのシェアを割り出すことも可能。Android 10の場合、API29の50.8%からAPI30の24.3%を差し引いた26.5%がAndroid 10のシェアになります。各バージョンのシェアをまとめた数字が以下の表です。
バージョン | APIレベル | シェア | 配信時期 |
---|---|---|---|
Android 4.1 Jelly Bean | 16 | 0.2% | 2012年6月 |
Android 4.2 Jelly Bean | 17 | 0.3% | 2012年11月 |
Android 4.3 Jelly Bean | 18 | 0.1% | 2013年7月 |
Android 4.4 KitKat | 19 | 1.4% | 2013年10月 |
Android 5.0 Lollipop | 21 | 0.7% | 2014年11月 |
Android 5.1 Lollipop | 22 | 3.2% | 2015年3月 |
Android 6.0 Marshmallow | 23 | 5.1% | 2015年10月 |
Android 7.0 Nougat | 24 | 3.4% | 2016年8月 |
Android 7.1 Nougat | 25 | 2.9% | 2016年10月 |
Android 8.0 Oreo | 26 | 4.0% | 2017年8月 |
Android 8.1 Oreo | 27 | 9.7% | 2017年12月 |
Android 9.0 Pie | 28 | 18.2% | 2018年8月 |
Android 10 Q | 29 | 26.5% | 2019年9月 |
Android 11 R | 30 | 24.3% | 2020年9月 |
リリースから2年が経過したAndroid 10が最も使用されているバージョンとなり、今年発売された多くのAndroidデバイスに搭載されたAndroid 11は24.3%、3年以上前のAndroid 9が18.2%になりました。
集計期間や集計方法は発表されていませんが、以前はGoogle Playストアにアクセスしたデバイスを対象としていました。先月リリースされたばかりのAndroid 12のシェアは公開されていません。
前回のレポート(2020年4月)を振り返ると、最も多くのシェアを獲得したのは31.3%のAndroid 9.0で、Android 8.xの21.3%、Android 7.xの12.9%と続いていました。最新のレポートと比較すると、順調にシェアは入れ替わっているものの、1年前にリリースされたAndroid 11がいまだにトップシェアを取れず、2世代のOSを合計してようやく半分に到達する状況です。
提供開始からまもなく最新バージョンがトップシェアを取るiOSに比べるとあまりにも遅いですが、Androidでは多くのメーカーがスマートフォンやタブレットだけでなく、デジタルサイネージやセットトップボックスなど多種多様なデバイスを開発し、独自のカスタマイズを提供していることから、アップデートの提供はどうしても遅くなります。
こういった状況は今後も大きくは変わらないことが予想されますが、Samsungは3世代に渡るOSアップデートの長期提供を宣言し、さらに今月から順次、Android 12の提供開始を誤って通知するなど、迅速なアップデートの提供に力を入れるメーカーも現れています。