アップルが、2010年にリリースしたiOS 4で追加した「マルチタスキング」機能。このマルチタスキングによって、iPhoneやiPadで、複数のアプリを切り替えて使えるようにになりました。
複数のアプリは、バックグラウンドでも動作を継続し、データ通信や現在地の取得などの処理を行うことから、アプリを終了することによって電池持ちが向上するのではないか、と考える人も多いかと思いますが、どうやらそれは間違いのようです。
アップルのソフトウェア担当上級副社長、アプリ終了による電池持ち向上説を完全否定
9to5Macの読者であるCaleb氏が、アップルのCEO ティム・クックに対して「電池持ちを伸ばすために、頻繁にアプリを終了する必要がありますか?」と質問したところ、クレイグ・フェデリギ氏から「No and No」と完全否定するメッセージを受け取ったようです。
Caleb氏の質問に対するアップルの回答 / Photo by 9to5Mac
クレイグ・フェデリギ氏は、アップルのソフトウェアエンジニアリング担当上級副社長で、WWDCや秋のスペシャルイベントで次期iOSのプレゼンを行っている人物です。ティム・クックではなく、同氏から回答することで説得力をもたせた形です。
ソフトウェアエンジニアリング担当上級副社長 クレイグ・フェデリギ / Photo by Globovisión
アプリの終了が電池持ちの向上に繋がらないのはなぜか
各アプリの使用中はもちろんのこと、バックグラウンドでも処理を行っていることから、アプリの終了が電池持ちの向上につながるとの考えは自然ですが、なぜ電池持ち向上につながらないのでしょうか。
それは、大半のアプリがバックグラウンド処理を常に実行しているわけではなく、処理を停止していることがほとんどであるためと考えられます。
例外として、GPSを利用して位置情報を記録し続けるトラフィック系のアプリや、ミュージックや、LINE MUSICなどバックグラウンドで音楽を再生し続けるアプリが存在しますが、Googleマップなどの地図アプリがGPSを取得するのはアプリの使用中のみ。音楽アプリを終了すれば機能を果たしません。
位置情報を取得するアプリについては、設定から「プライバシー」→「位置情報サービス」に進んで、「常に許可」になっているアプリの設定を変更する方が、より効果的なはずです。
なお、電池持ちの向上説とともに、アプリを終了すると動作が軽くなるという説もありますが、短期的な効果しかありません。
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