京セラが一般消費者向けのスマートフォンや携帯電話の販売から撤退する方針を明らかにしました。今後も法人向けの販売は継続します。
撤退理由は世界的にスマートフォンの買い替えサイクルが長期化したことで採算が悪化し、事業の継続が困難になったこと。谷本社長は5Gになったことで部品が増えて価格が高騰。端末の値上げを許さない市場性からとても利益が出せないと話しています。
総務省は2019年10月に法改正のもと端末割引に上限22,000円ルールを設置。2020年春から5Gがスタートしたことで端末価格が高騰し、高性能な5Gスマートフォンの機種代金は10万を超えることが当たり前、なかには20万円近くになることもあります。
今もルールは変わっておらず、各社が提供する端末購入サポートプログラムは端末返却が前提となっているため、負担を減らすにはレンタルのような買い方が主になっています。
UPDATE:2023/05/23 23:45個人向けのTORQUEについては撤退しないとの報道がありましたが、その後の会見で京セラは個人向けTORQUEも含めて事業を終了すると説明しています。なお、撤退報道の前にユーザーのもとにはTORQUEの新機種に関する案内が届いたようですが、広報に取材したところ新端末の情報に関するリリースは京セラからは“あまり”出していないといった案内そのものをやんわり否定する回答を得ています。
1989年に携帯端末事業に参入した京セラはW11Hと共に初のCDMA 1X WIN機となった亀の甲羅のようなデザインのW11K、MEDIA SKIN、初の京セラスマホDIGNO ISW11Kを発売。耐久性に優れたタフネススマホTORQUEシリーズやシンプルな操作でスマホ初心者やシニア向けのかんたんスマホシリーズ、URBANOといったシリーズを展開しています。
2015年に初の京セラ製となる「INFOBAR A03」を発売し、2018年には「INFOBAR xv」を発売。最近ではBALMUDA Phoneの製造も手がけていました。
日本の携帯電話メーカーは、ガラケー時代にNEC、日立、カシオ、富士通、東芝、三洋電機、京セラ、パナソニック、三菱電機、ソニー、シャープなど10社以上の国内メーカーが存在していましたが、ガラケーからスマートフォンへの移行が進むに連れて撤退と統合を繰り返します。
富士通と東芝の統合、京セラが三洋電機の携帯端末事業を買収、NEC・日立・カシオが統合して後に撤退。パナソニックも撤退し、つい先日バルミューダも撤退を発表するなど、統合・撤退などが繰り返され、現在はソニー、台湾の鴻海精密工業傘下になったシャープ、富士通が携帯端末事業を日本の投資ファンドに売却したFCNTのわずか3メーカー(シャープは純日本メーカーとも言えない)となっています。
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