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arrows・らくらくホンのFCNTが民事再生法の適用申請。負債総額1400億円

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Yusuke Sakakura公開日:2023/05/30 16:05
arrows・らくらくホンのFCNTが民事再生法の適用申請。負債総額1400億円

FCNTが東京地裁に民事再生法の適用を申請したことが明らかになりました。

FCNTは2015年12月に富士通が携帯端末事業の分社化を発表し、2016年2月に富士通コネクテッドテクノロジーズとなり、2018年に70%の株式を取得した日系投資ファンドのポラリス・キャピタル・グループに譲渡され、2021年4月に現在の社名に変更されています。

なお、以前は別々で携帯端末事業を展開していた富士通と東芝が2010年に携帯電話端末の事業統合に合意したことを発表し、のちに富士通東芝モバイルコミュニケーションズに。その後、富士通が完全子会社化。さらにポラリスが100%資本となっているため、富士通や東芝とFCNTに関係はありません。

arrows Weがヒットするも…

帝国データバンクによると、関連会社合わせた負債総額は単純合算で約1431億600万円とのこと。スマホ市場の競争激化や半導体不足、急激な円安による仕入れ価格の上昇が原因とみられます。

FCNTは富士通から継承したスマホブランド「arrows」(arrowsにはApple、リンゴを射抜くという意味もあったとか)や、シニア向けのブランド「らくらくホン」を展開。

BCNの2022年スマートフォン販売ランキングでは、arrows WeがAndroidスマートフォンで最高となる6位にランクインし、MM総研の調査による2022年度通期の国内携帯電話端末の出荷台数調査によると、メーカー別シェアでは、Apple、シャープに続く3位、スマートフォンに限定すると国内シェア5位を獲得。

しかし市場全体で見れば出荷台数は前年度比で12.8%減を記録し、2000年度の調査開始以降、2番目に少ない台数を記録しています。

日本の大手携帯電話メーカーは、ガラケー時代にNEC、日立、カシオ、富士通、東芝、三洋電機、京セラ、パナソニック、三菱電機、ソニー、シャープなど10社以上が存在していましたが、ガラケーからスマートフォンへの移行が進むに連れて撤退と統合を繰り返します。

富士通と東芝の事業統合、京セラが三洋電機の携帯端末事業を買収、NEC・日立・カシオが統合して後に撤退。パナソニックも撤退し、つい先日バルミューダが撤退京セラも個人向け端末からの撤退を発表。そして新たにFCNTが民事再生法の適用を申請したことで、大手日本メーカーはソニーと台湾の鴻海精密工業傘下になったシャープの2社のみになる可能性があります。

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