11月1日に発売されるGoogleのスマートフォン「Pixel 3」と「Pixel 3 XL」は待望のワイヤレス充電に対応した。パッドに置くだけで充電できるだけではなく10Wの急速充電もサポートしている。
ただし、10Wの急速充電は9,504円で販売されるGoogle純正のワイヤレス充電器「Pixel Stand」でのみ利用可能でサードパーティのワイヤレス充電器では半分の5Wに制限されることがわかった。
サードパーティのワイヤレス充電器では最大5W出力に
Android Policeの読者によると「Pixel 3」を10W出力に対応したAnker製のワイヤレス充電器で充電し、充電計測アプリ「Ampere」で充電器から供給される電流量を確認したところ最大500mA=0.5Aしか示さなかったという。
10Wの高速ワイヤレス充電をサポートしているにも関わらず最大の電流量が0.5Aの数値というのはあまりにも低くて不自然。不思議に思った読者がメーカーに問い合わせたところ、Ankerの品質エンジニアは「Pixelにはサードパーティ製ワイヤレス充電器の利用時に5Wの制限がかけられているようだ」と回答を得たようだ。その後、Android PoliceはGoogleの広報に連絡を取り、サードパーティのワイヤレス充電器にかけられている速度制限が仕様であることを確認したという。
これは酷い仕様と言わざるを得ない。SamsungもAppleも純正品のワイヤレス充電器を発売しているが(AppleのAirPowerは複数の問題による発売日の遅延が報じられている)サードパーティのワイヤレス充電器に速度制限はかけるようなことはしていない。
ただでさえ「Pixel Stand」には大きなアドバンテージがある。
例えば、充電中はインタフェースが最適化されたGoogleアシスタントが起動してディスプレイ付きGoogle Homeのように使用できる。就寝前は画面が暗くなって自動的にマナーモードがオンになり、セットした目覚まし時計の時間に合わせて徐々に画面が明るくなるサンライズアラームやGoogleフォトの写真をスライド形式で表示することでデジタルフォトフレーム代わりに使用したり、専用のインタフェースで快適に音楽を操作することもできる。
Pixel Stand自体は素晴らしい製品だけにこういった速度制限は非常に残念だ。
なお、Pixel Standでも5Wに制限されたサードパーティ製のワイヤレス充電器を使用する場合においても充電中は「急速充電中」と表示されるため、充電速度の制限に気づくことが困難になっているとのこと。
更新:Made for Google認定機器では高速充電が可能に
記事の投稿後、Android Policeに対してGoogleから追加の回答があり、現時点では「Pixel Stand」でのみ10Wの高速ワイヤレス充電が可能であるものの、Made for Googleプログラムで認証されたサードパーティ製品についてはPixel Standと同じように10Wで高速充電できるよう進めているとのこと。
Made for Googleの認可を受けたワイヤレス充電器としてはベルキン製の「BOOST↑UP Wireless Charging Pad 10W for Pixel 3 and Pixel 3 XL」があげられるが、いまのところ日本で購入することはできない。