Appleの音楽聴き放題サービス「Apple Music(アップルミュージック)」が2015年6月にスタートした。料金プランは全3種類で個人向けの料金プランでは月額980円で数百万曲の音楽をiPhone/iPad/Apple Watch、Android、Mac/Windows PCで楽しめる。
音楽聴き放題のサービスはApple Music以外にもGoogle Play Music、LINE MUSIC、Spotifyなどが提供されている。2016年末時点の国内ユーザー数は約1,400万人で最もユーザー数が多いのがApple Musicとなっている。この記事では国内最多のユーザーを誇るApple Musicの使い方や設定方法、料金プランなどを解説する。
目次
- Apple Musicとは?
- Apple Musicの料金プラン
- Apple Musicを契約する
- Apple Musicの3大機能
- Apple Musicの使い方
- 速度制限に注意、100曲再生で1GB消費するケースも
- Apple Musicを解約、退会する方法
Apple Musicとは
Apple Musicは数百万曲の音楽を月額制のサブスクリプションで楽しめる音楽聴き放題サービス。
1曲ごとに音楽をダウンロード購入するiTunes Storeとは違い、知らなかった自分好みのアーティストや楽曲に出会えるのが音楽聴き放題サービスの特徴だ。
Apple Musicでは普段聴いている曲やジャンルに合わせておすすめの曲を提案してくれたり、Apple Musicのエキスパートがこれから注目されるアーティストや隠れた名曲をピックアップして聞きたい音楽を提案してくれる。さらに、お気に入りの楽曲をまとめてプレイリストを他のユーザーが再生できる形で公開される「共有プレイリスト」機能も用意されている。
配信されている楽曲は音楽データをダウンロードしながら再生する「ストリーミング視聴」が基本だが、デバイスにダウンロードして圏外のエリアや機内モードでも再生できる「オフライン再生」も楽しめる。
対応機種は、iPhone / iPad / iPod touch / Apple Watch / Mac / Windows PC / Android、さらに、Apple TVやCarPlayに対応する車でも楽しめる。
Apple Musicの料金プラン
Apple Musicの料金プランは全部で3種類が用意されている。月額980円の個人向けプラン「個人メンバーシップ」が最も一般的なプラン。ほかにも最大6人で楽しめる月額1,480円のファミリー向けプラン「ファミリーメンバーシップ」、月額480円の学生向けプラン「学生メンバーシップ」が選べる。
個人メンバーシップ | ファミリーメンバーシップ | 学生メンバーシップ |
---|---|---|
月額980円 | 月額1,480円 | 月額480円 |
個人向けのプラン | 最大6人で楽しめるファミリー向けのプラン iCloudのファミリー共有設定が必要 | 学生向けのプラン UNiDAYSの学生証明サービスによる学生認証が必要 |
2人以上の利用でおトクな「ファミリーメンバーシップ」
ファミリーメンバーシップは、iCloudのファミリー共有機能を設定することで家族6人でApple Musicが楽しめるプラン。月額1,480円のため2人以上で利用すればおトクになる。家族で共有するのはプランだけでライブラリは個別に用意されるためプライバシーも心配する必要はない。
学生は半額で利用できる「学生メンバーシップ」
学生メンバーシップは登録時に大学、高等専門学校、専門学校に在学していることをUNiDAYSの学生証明サービスを通じて証明する必要がある。LINE MUSICとは違い、適切な審査が行われる。学生として承認されると個人向けプランの半額でApple Musicが利用できる。利用期間は最大48ヶ月・4年間。在学期間が終了すると自動的に個人向けのメンバーシップに移行する。
3ヶ月無料で体験できる「フリートライアル」
Apple Musicには新規加入者を対象した「フリートライアル」も用意されている。初めてApple Musicに登録した場合、利用開始から3ヶ月間無料で楽しめるというものだ。トライアル期間はメンバーシップと同じようにすべてのApple Musicの機能が利用できる。フリートライアルが終了すると有料プランに自動的に以降して毎月更新されるが、3ヶ月間体験して不要と判断すればトライアル期間中に解約することで料金は一切発生しない。
Apple Musicカードならクレカ不要、2ヶ月無料に
Apple Musicを利用する場合はコンビニや家電量販店、スーパーで販売されている「Apple Musicカード」が便利でおトクだ。
前述したとおり個人メンバーシップの月額料金は980円。1年間利用すると11,760円となるが、Apple Musicカードなら1年間・9,800円で利用できる。差額は1,960円で2ヶ月分の料金だ。つまり、Apple Musicカードを利用すれば2ヶ月分だけおトクに利用できる。
Apple Musicの支払い方法はApple IDの設定に依存するが、多くの人がクレジットカードまたはキャリア決済を設定しているだろう。クレジットカードは嫌う人も多く未成年は利用できない、キャリア決済は格安SIMでは利用できない。そんな人は「なし」に設定しているはずだが、Apple Musicカードであればクレカ不要、格安SIMでもApple Musicカードが利用できる。
なお、一度Apple Musicカードで登録すると2年目以降もおトクな価格で継続利用できる。Apple Musicカードで契約できるのは個人メンバーシップに限定されるが、おトクにするために積極的に利用したい。
Apple Musicを契約する
Apple Musicの利用を開始するには、ミュージックアプリを起動して「3ヶ月無料登録」をタップする。次の画面でプランを選択して「3ヶ月間無料で開始」をタップするとApple Musicのフリートライアルがスタートする。
フリートライアルは契約開始日から3ヶ月間でトライアル終了後は選択したプランに自動移行する。自動移行をキャンセルしたい場合は解約手続きが必要だ。
Apple Musicの3大機能
エキスパートチームが厳選した楽曲を提案する「For You」
Apple Musicの配信楽曲数は数百万曲。膨大な曲の中から自分好みの楽曲を探すのは大変だが、音楽を知り尽くしたApple Musicのエキスパートチームが厳選しておすすめの楽曲を提案してくれる。それが「For You」だ。
Apple Musicのカタログから聞いた曲やハートマークを付けた曲、設定で好きなジャンルまたはアーティストとして選択した情報を元におすすめの内容が決定される。
普段聞いている曲や好みのジャンルに合わせておすすめの曲をまとめて提案してくれる「My New Music Mix」や自分が聴いている音楽のテイストに合わせて厳選されたアルバムやプレイリストが「月曜日のプレイリスト」「アーティストプレイリスト」といった形で毎日日替わりで提案される。
膨大なライブラリから好みの楽曲を発見する「見つける」
自分好みの曲を提案してくれる「For You」に対して自分から楽曲を発見しにいくのが「見つける」だ。
ランキング上昇中の作品をまとめて定期的に楽曲が更新されるプレイリストやApple Musicに追加された新着ミュージック、全体・ジャンル別のランキングからお気に入りの楽曲にアクセスできる。ここでは楽曲以外にもテレビ番組やミュージックビデオなどのコンテンツも見つけることができる。
とりあえず再生、音楽をラジオ形式で楽しめる「Radio」
とりあえず音楽を流しておきたい時は「Radio」が便利だ。無料メンバーでも楽しめるBeats1では世界のトップアーティストやDJがホストとして楽曲を再生してくれる。
有料メンバー限定のチャンネルにはJ-Popだけを流す「トゥデイズ J-Pop」や自然と体が動き出す「エクササイズ:ポップ」などジャンルを絞ったものから「2000年代ヒッツ」「ディズニー」など幅広い番組がラインナップされている。
なお、番組は用意されたものだけでなく、自分の好きな曲やアーティストをベースに自分のステーションを作ることも可能だ。
Apple Musicの使い方
Apple Musicは「ライブラリ」「For You」「見つける」「Radio」「検索」の5画面で構成される。ここでは画面別に使い方を解説しよう。
「For You」の使い方
「For You」は名前のとおりApple Musicのエキスパートが厳選した楽曲を提案してくれる画面だ。
Apple Musicを使えば使うほどユーザーの好みを理解して自分にぴったりの音楽を提案してくれる。画面の左上に日付が表示されているのは提案する内容が毎日異なるからだ。
For Youを使いこなすには自分の好みをApple Musicに知らせる必要がある。Apple Musicをセットアップする段階でも設定したはずだが好みが変わったときや新しいアーティストが登場したときなど定期的に再設定することで提案のクオリティを上げることができる。
自分の好みを知らせる場合は右上のプロフィールアイコンをタップして「好きなアーティストを選択」をタップする。
まずは自分が好きな音楽のジャンルを選択する。内容をリセットしたい場合は左下の「リセット」をタップする。バブルが表示されたら気になるジャンルを1回、大好きなジャンルを2回タップしよう。
次は自分が好きなアーティストを選択する。興味のあるアーティストが少ない場合は左下の「他のアーティスト」を選択すると内容がリセットされる。右下の「アーティストを追加」をタップするとアーティスト名を指定して追加できる。選択を終えたら右上の「完了」をタップしよう。
設定が完了すると「月曜日のプレイリスト」や「水曜日のアルバム」、「アーティストプレイリスト」「ニュースリリース」など自分の好みに合わせた楽曲が表示される。
「For You」の最下部には“Connect投稿”が表示される。これはミュージックに特化したSNS機能でメッセージを投稿できるのはアーティストとFor Youを提案してくれるキュレーターだけ。ユーザーはアーティストをフォローすることでメッセージを確認できる。Connectはリリース当初、Apple Musicの代表的な機能としてリリースされたがその後縮小提供されている。
アーティストやCuratorをフォローするには右上のプロフィールアイコンをタップして 「他のアーティストとCuratorを探す」を選択する。
次の画面で「他のアーティストとCuratorを探す」を選択して追加したいアーティスト横に表示されるアイコンをタップすると、For Youにメッセージが表示される。
「見つける」の使い方
「見つける」では、Apple Musicにおける最新の音楽事情が確認できる。
例えば、Apple Musicに追加された新曲や人気の曲、毎週更新される注目の曲をチェックしたり、Apple Musicのカタログをジャンル別に見て回れる。For YouがApple Musicからおすすめの曲を提案してくれるのに対して「見つける」では自分から曲を探しにいく形だ。
特に利用するのはニューシングルやニューアルバムが確認できる「新着ミュージック」、新しく追加されたMVや人気のMVを再生できる「ミュージックビデオ」、Apple Musicの人気曲が確認できる「ランキング」だろう。
プレイリストも強力だ。Apple Musicのエディターや業界のパートナーが手がけたプレイリストが公開されている。その時の気分に合わせた曲をまとめた「アクティビティ&ムード」やBillboard JAPANやBeats by Dr.Dreがキュレーターとしておすすめの曲をまとめた「Curator」などが利用できる。特にオススメしたいのは人気の曲や話題の曲が随時更新されるプレイリスト「トゥデイズ ヒッツ」だ。これを追加しておけば最新の音楽事情はある程度把握できる。
「Radio」の使い方
「Radio」では、Appleが世界に向けて毎日24時間放送で配信する「Beats 1」などのラジオ番組が楽しめる。
音楽に特化した番組以外にもブルームバーグやESPNなどのニュースやスポーツなどのライブ放送や自分の好きな曲やアーティストをベースに自分で作成したカスタムステーションを聞くこともできる。
カスタムステーションを作るには検索機能を利用して気になるアーティストや曲、アルバムで検索する。ステーションを作成したい曲やアルバムが見つかったら「・・・」をタップする。
メニューが表示されるので「ステーションを作成」を選択するとRadioの最下部にカスタムステーションが表示される。
カスタムステーションで気に入らない曲が表示される場合は自分好みに調整することもできる。カスタムステーションを選択して楽曲を再生したら再生/一時停止ボタンの左横にある「☆」をタップして「これと似た曲を再生」または「これと似ていない曲を再生」を選択することで自分好みのカスタムステーションに調整することができる。
「検索」の使い方
「検索」では、デバイスのライブラリ または Apple Musicの膨大なライブラリから曲やアルバム、アーティスト、プレイリスト、ラジオステーションを探せる。
一般によく検索されているキーワードを表示するトレンド検索も備わっていてトレンドワードから新しい楽曲に出会える。
音楽をダウンロードしてオフライン再生する
Apple Musicは音楽データをダウンロードしながら再生するストリーミング方式だ。ストリーミングは楽曲を再生する度にデータ通信量を消費する。iPhoneのストレージを消費しないメリットもあるが使いすぎると速度制限にかかってしまう。
速度制限にかからないためによく再生するお気に入りの曲をiPhoneにダウンロードして再生するオフライン再生を利用しよう。
Apple Musicでオフライン再生するには音楽の再生画面で右下の「+」ボタンをタップしてライブラリに追加する。ライブラリへの追加後、雲のアイコンに切り替わるため雲のボタンをタップすると楽曲がiPhoneにダウンロードされる。
オフライン再生するには「ライブラリ」で「ダウンロード済み」に進んで楽曲を再生するとデータ通信量を消費せずにApple Musicを楽しめる。
歌詞を表示する
サービス開始当初、Apple Musicで歌詞を表示することができなかったが、2016年9月にアップデートが配信された「iOS 10」で歌詞表示機能が追加された。
歌詞を表示するには音楽の再生画面で右下の「・・・」をタップして「歌詞」を選択すると、画面いっぱいに歌詞が表示される。
画面を変更・移動せずに歌詞を表示したい場合は少し下にスクロールして歌詞の隣にある「表示」を選択すると再生画面に歌詞が表示される。
速度制限に注意、100曲再生で1GB消費するケースも
Apple Musicは音楽データをダウンロードしながら再生するストリーミング視聴が基本となっている。音楽を再生しすぎると速度制限にかかってしまうことも考えられるため、Apple Musicでどれぐらいのデータを消費するのかざっくり頭に入れておくべきだろう。
音楽データの通信量は1秒間に送受信するデータ量「ビットレート」から算出できる。Apple Musicのビットレートは最大256kbpsだが、通信環境によって変動する。検証したところ180kbpsから256kbpsとなっていた。
キャッシュの関係で前後するが、1曲5分の楽曲を180kbpsで視聴した場合は162曲前後(約13時間30分)で1GBに達する計算になる。つまり、1日2時間から3時間で7GBを突破する可能性もあるのでデータ通信量には注意すべきだろう。
なお、Apple Musicで消費したデータ通信量を設定で確認する方法もある。通信量が気になる場合は定期的に確認しよう。
Apple Musicのデータ消費量
64kbps | 128kbps | 180kbps | 256kbps | |
---|---|---|---|---|
1GB | 37時間 444曲前後 | 18時間30分 222曲前後 | 13時間30分 162曲前後 | 9時間 108曲前後 |
3GB | 112時間 1,344曲前後 | 55時間30分 666曲前後 | 40時間 480曲前後 | 28時間 336曲前後 |
7GB | 261時間 3,132前後 | 130時間30分 1,566曲前後 | 92時間 1,104曲前後 | 65時間 780曲前後 |
Apple Musicを解約、退会する方法
Apple Musicなど月額課金制のサブスクリプションサービスは解約・退会方法が非常にわかりにくい。ミュージックアプリ内で「退会」や「解約」といった文字を探しても見つけることはできない。Apple Musicを解約するにはApple IDから手続きする必要がある。解約・退会方法は以下の記事で詳しく解説している。
なお、初回登録者向けに3ヶ月無料で利用できるフリートライアルを利用した場合、自動更新をオフにしないとトライアル期間終了後、有料プランの料金を支払うことになる。
自動更新をオフにしても契約期間までサービスを利用できるため、Apple Musicの契約直後に解約・退会するのも悪くはない。
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