Appleが5月に発売した新型iPad Proは、シリーズ最大となる16GBのメモリを搭載しながら1つのアプリが使用できるメモリの容量が5GBに制限されていることが判明していた。
これに対して開発者やユーザーからは不満の声があがっていたが、Appleが今年秋にリリースするiOS 15およびiPadOS 15でこの制限が緩和されるようだ。
最新OSでは追加でメモリを割り当て
現行のiOSおよびiPadOSでは、1つのアプリが使用できるメモリの容量がデバイスごとに制限されている。例えば6GBのメモリを搭載した旧モデルのiPad Proでは4.5GBまで使用可能。全体のうち75%のメモリを使用できる。
一方、新型iPad Proは3倍となる最大16GBのメモリを搭載しているにも関わらず、わずか0.5GBだけ多い5.1GBに制限されていて全体のうち32%のメモリしか使用できない。
つまり、3倍にも増えた大容量のメモリによって複数のアプリを切り替えながら使用する際にメモリ不足に起因する画面クリアなどが起きにくくなるものの、例えばイラストアプリでより多くのレイヤーが扱えるわけではないということだ。
今年秋に公開される次期OSが発表された開発者イベントのWWDC 2021でも言及はなかったが、多くの不満を受けてiOS 15およびiPadOS 15にて限定的ながらこの制限が緩和されることがわかった。
開発者向けに公開された資料によると、新たに追加されるメモリに関する新しいエンタイトルメントを利用することで、対応機種に限定してより多くのメモリが使用できるとのこと。
iOSやiPadOSがどれぐらいのメモリを追加で割り当てるかは不明(os_proc_available_memoryで確認することは可能)で、メモリが追加されなくてもアプリが正しく動作しなければいけないと案内している。
Add this entitlement to your app to inform the system that some of your app’s core features may perform better by exceeding the default app memory limit on supported devices. If you use this entitlement, make sure your app still behaves correctly if additional memory isn’t available.
全体のうち半分のメモリすら使用できない制限の緩和については実際にどれぐらいのメモリが追加されるかによって評価が分かれそうだ。
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