一時、損害賠償額が9億3000万ドル――日本円で約940億円(当時のレート)まで膨れ上がったサムスンとアップルの訴訟。
今年8月にアップルが訴えた一部の商標侵害が認められないと判断されたことで、賠償額は5億4800万ドルまで縮小されましたが、サムスンはこれを不服とし、賠償額の約70%の取り消しを求め、最高裁に上訴したことがわかりました。
サムスン、約480億円の取り消しを求めて最高裁に上訴
ブルームバーグの報道によると、サムスンは支払いを命じられていた5億4800万ドルのうち3億9900万ドルの取り消しを求めて連邦最高裁に上訴したとのこと。取り消しを求めた額は全体の約70%にあたります。
国のサムスン電子に「iPhone(アイフォーン)」のデザインを模倣されたとして米アップルが起こした訴訟で、サムスンは14日、同社に賠償金支払いを命じた下級審の決定を米連邦高裁が支持したことを不服として連邦最高裁に上訴した。取り上げられれば、デザインの特許をめぐる最高裁での審理は120年ぶりとなる。
サムスンは5億4800万ドル(約660億円)の支払いを命じられており、最高裁に取り消しを求めたのはその大半に相当する3億9900万ドル分。
引用元:サムスン電子が米最高裁に上訴-アップルとのデザイン特許訴訟 – Bloomberg
今月、両社はカリフォルニア州 北部地区連邦地方裁判所に報告書を提出し、文書にはサムスンがアップルに支払いが命じられていた5億4800万ドル(約674億円)を支払うことで合意したと記されていました。
ただし、今後の審理でアップルが侵害と主張した特許・商標が無効と判断された場合は、サムスンが支払った賠償金の一部または全額の返還を受ける権利を保留すると主張。対するアップルはこの権利を拒否したとも記載されており、和解には至っていませんでした。
第3四半期で64億6000万ドルの利益をあげたサムスンにすれば、5億5000万ドル程度の支払いは致命的ではありませんが、この判例が他企業に与える影響が強いと判断したことを理由に上訴したようです。
サムスンは声明の中で、「サムスンは法廷ではなく市場での競争を好む企業だが、この判例が効力を持った場合に影響を受けかねない大小すべての米国企業のために、米最高裁判所に上訴することが重要であると考えている」と述べている。
引用元:サムスン、アップルとの知財訴訟で米最高裁に上訴 – CNET Japan
なお、グーグルやフェイスブック、デル、ヒューレット・パッカード、eBayなどの企業連合は同裁判が「破壊的な影響を与える」としてサムスンに賛同する意見書を裁判所に提出しています。
同裁判は2011年4月にアップルがサムスンに対して「iPhoneの特許を無断で盗用した」として訴訟を起こし、その後は日本を含めた世界各地に広がりを見せましたが、昨年8月に世界各国での訴訟は取り下げられ、現在は米国のみで行われています。
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