2月26日、総務省が第5回のスイッチング円滑化タスクフォースを開催し、キャリアメールの持ち運びについて2022年夏ごろまでの実現が適当との方針を示した。
LINEなどの流行によって若い世代を中心にキャリアメール離れが叫ばれているが、総務省の調査によれば、キャリアメールを週1回以上の利用する人は送信で37.1%、受信で67.7%で、キャリアメールを持ち運びしたい人の割合も74.1%いることから一定のニーズがあると判断されている。
有料で提供する場合は利用を妨げない水準に
キャリアメールの持ち運びはメールアドレスを変更せずに他社にのりかえできる制度。総務省は事業者間の競争を促進するための施策として検討を進めている。
これまでの議論は事業者間ののりかえを想定したものだったが、新たにキャリアメールの提供がない自社内サービスでもキャリアメール持ち運びの対象にすべきではないかとの方針が示された。
キャリアメールの提供がない自社内サービスとは、ドコモのahamoやauのpovo、ソフトバンクのLINEMOといった携帯3社が今年3月から提供を開始する新料金プランおよび新ブランドのこと。いずれもキャリアメールは利用できないが、のりかえであればキャリアメールが利用できるようにすべきという方針だ。
ほかにも利用者に対して過度な負担や手続きを課さないこと、開発・運営費用の回収を合理的な範囲内で事業者が自主的に判断すべきもの(つまり有料として提供するか否か)、有料とする場合は利用を妨げる水準にならないこと、MVNOも含めた他事業者にオープンかつ公平な仕組みにするなどの方針も示されている。
なお、総務省調査によると、他社への乗り換えを考えてない理由として20.3%が“メールアドレス変わるため”と答えているとのこと。ただし、複数回答のためキャリアメールの持ち運びが実現しても他社に乗り換えるかはわからない。
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