Twitterが1日に送信できるダイレクトメッセージ(DM)の数を制限すると発表しました。
制限を導入する理由についてスパム削減と説明しています。
バッジのついていない未認証アカウントが制限の対象で、DM制限を回避するにはTwitter Blueに加入する必要があります。
DM制限でスパムが70%減少したとの報告
1日に送信できるDMの数については明らかにされていません。21件以上は送信できないとの報告もありますが、手元の未認証アカウントでは20件を大幅に超えても送信可能でした。
複数のアカウントで試したところ同一の相手に大体70件を超えると「1日のダイレクトメッセージ上限に到達しました。さらにメッセージを送信するには、Twitter Blueに登録してください。」と表示されます。
ただし、スクレイピング対策でツイートの表示回数制限を導入したときに数時間で上限数を変えていたことを考えると、DM制限でも同じように上限が変動しても不思議ではありません。
#DM制限 は多分70件が上限。ツイートの表示回数制限と同じように上限変わるかもしれないけど少なくとも20件ではないね pic.twitter.com/Ox6LwxrZ8n
— Yusuke Sakakura🍎携帯総合研究所 (@xeno_twit) July 22, 2023
DM制限の対象も明かされていません。
現在のダイレクトメッセージには「フォローしているユーザーから」「認証済みユーザーから」「すべてのアカウントから」といった3つの許可オプションが存在しています。
DM制限の目的がスパム削減であることを考えると、すべてのアカウントからのメッセージリクエストを許可している相手に対して1日に送信できるDMの数が制限されるはず。
また、メッセージリクエストが許可されたり、フォロー状態によっては制限適用なしでいいはずですが、手元のアカウントで試したところフォローされている相手にDMを送る場合でも制限が適用され、制限適用後にリクエストが承認されてもフォロー状態にあっても解除できないことを確認しています。
スパム・ボットと優良ユーザーの切り分けを放棄したTwitter
先月からTwitterは無料アカウントにおけるダイレクトメッセージに積極的な変更を行っています。
相互フォローしていなくてもDMを送受信できるオプションを無効化し、フォローしていないTwitter BlueからのDMをメッセージリクエストタブに届けるよう変更しています。
これらはすべてスパムを減らすためと説明されており、ダイレクトメッセージの受信ボックスを認証アカウントとフォローしているユーザーのみに制限するオプションを提供したことにより、スパムが70%も減少したと報告されています。
筆者のダイレクトメッセージの受信ボックスはスパムだらけでまったく役に立っていません。特にコロナ禍以降、顕著に増えていますが、ダイレクトメッセージの内容は副業や投資、出会い系、輸入品の販売、パパ活、ママ活の勧誘だらけでまともなDMはごく一部です。
ダイレクトメッセージからスパムを排除する取り組みについては多くのユーザーも賛同するはずですが、やり方が無茶苦茶です。それは今回のDM制限に限ったものではありません。
イーロンマスクが買収して以降のTwitterは、ボットやスパム、スクレイピング対策と銘打って無料アカウントの手足を縛って機能を大幅に制限してきました。
ボットやスパムは大量の無料アカウントが発信源となっていることからTwitter Blueを含む認証アカウントを条件にすることは効果的ですが、本来であればボットかそうでないか、スパムやそうでないかを切り分けて対策を打つべきところを、無料か有料かで分けて雑な対策を打ち続けています。
Twitterはスパムおよびボットとそうでないアカウントの切り分けを放棄したようなものです。これはイーロンマスクのポリシーなので今後も続くでしょう。