世界出荷台数1億4000万本以上を記録するフィットネストラッカーの最新モデル「Xiaomi Smart Band 7」が7月15日に日本で発売されました。
1万円を大きく割る低価格ながらワークアウトや睡眠、心拍数のトラッキングが可能。シャオミのスマートフォンと同様に、抜群のコストパフォーマンスを誇ります。
最新の第7世代では、アップグレードされたディスプレイによって、100種類以上から選べる文字盤が明るく見やすくなり、待望の常時表示モードに対応したことで、一般的な腕時計と同じように時間や歩数計など知りたい情報を一目ですぐに確認できるように進化しました。
Xiaomi Japan
目次
- ほぼ正解だから変わらないデザイン
- シリーズ最大のディスプレイと豊富な文字盤
- 効率を高めるアシスト機能を搭載したフィットネス機能
- 心拍の測定や睡眠トラッキングによる健康管理機能も
- 電池持ちは2週間。常時表示をオンにしたときは?
- Xiaomi Smart Band 7でできること、できないこと
- まとめ:Xiaomi Smart Band 7を購入すべき?
ほぼ正解だから変わらないデザイン
Xiaomi Smart Band 7は、上下がカーブした縦長の本体と、取り外しが可能なシリコン製のラバーバンドで構成されるシンプルなデザインです。
「着けている感じがしない」と表現するのは嘘でも、13.5 gの本体はとてつもなく軽量。手首を曲げても干渉せず、日常生活に支障をきたすことのない薄型のボディはワークアウトも完璧にこなせる形状です。
Xiaomi Smart Bandを愛用しているユーザーの中には、見た目の変化がないことにつまらないと感じる人がいるかもしれませんが、ファッションとしても楽しめるスマートウォッチではなく、機能性に特化したフィットネストラッカーとしては、このデザインとサイズ感が最も正解に近いのかもしれません。
機能性に特化していることもあってバンドの素材はシリコンのみ。Apple Watchのようにレザーやメタル、布など豊富な素材とデザインを選ぶことはできません。
バンドは本体と肌の間に空間が確保された通気性の良いカーブデザインを採用しています。ベルトには、ピンを固定するための穴が多数空いていて、太い腕から細い腕までベルト一本で対応します。
バンドはループを通してピンを差すだけでしっかり固定されます。一度だけ扉に引っかかってピンが外れることがありましたが、ピンがループに引っかかる設計になっているため、本体がコンクリートに打ち付けられることなく無事でした。
バンドカラーはブラックを含めた全10色。発売日時点では、ブラックのみが用意されていて、ネオングリーン、ネオンオレンジ、カーキグリーン、カーキブルー、アイボリー、オリーブ、オレンジ、ブルー、ピンクといった9色が8月に発売される予定です。
シリーズ最大のディスプレイと豊富な文字盤
最新のモデルで最も進化したのは、より明るく・より鮮やか・シリーズ最大に進化したディスプレイです。
第4世代でフルカラー化した有機ELは0.95インチ→1.1インチ→1.56インチと徐々に大型化し、第7世代でも25%大型化した1.62インチまで拡大しました。
画面の大型化と同時に解像度もアップしたことで画素密度をキープ。文字盤に表示される時刻や心拍数、歩数、通知などの情報は文字がぼやけることなくクリアに表示されます。真っ黒の背景に浮かび上がるフルカラー有機ELの発色はとても鮮やか。明るさが約10%もアップしたことで日差しの強い屋外でも必要な情報を確認できます。欲を言えばもう少し輝度が欲しいところですが十分です。
手首に目を送るだけで、時間や歩数計、心拍数、バッテリー残量など、様々な情報を確認できる待望の常時表示ディスプレイにも対応。この機能をオンにすると消費電力が大幅に上がりますが、ワークアウトなどで一瞬しか手首を上げることができない時でも普通の腕時計のようにストレスなく各情報をチェックできます。
一度使うと無くてはならない機能で、この機能のために旧機種からアップデートするのもアリでしょう。なんといっても安いので。
ボタンレスのXiaomi Smart Band 7は、Apple Watchのようなアプリの履歴を確認できるサイドキーや1つ前の画面に戻れるデジタルクラウンなど物理ボタンは1つも存在せず、スマートフォンのようにすべてをジェスチャーで操作します。
文字盤を上から下にスワイプすると通知が表示、下から上にスワイプすると各種機能や設定が表示、水平にスワイプするとあらかじめ設定したウィジェットにアクセスできます。
Apple Watchに比べると、スクロール時のなめらかさに大きな違いはありますが、電池持ちを考慮して低いリフレッシュレートを採用しているのでしょう。なお、5気圧防水に対応(サウナ、熱いシャワー、ウォータースポーツ非対応)していますが、指や画面が濡れているとディスプレイを正常に操作できません。
文字盤は100種類以上を用意。メカニカルなデザインやお気にりの画像を設定できる写真、多機能なユーティリティ、シンプル、イラスト、ファッション、数字、動物といった豊富なカテゴリから選べます。
文字盤の変更はXiaomi Smart Band 7本体からだけでなく、スマートフォンのアプリから1分以内でカンタンに変更可能。最大10個まで文字盤を保存でき、一度保存したお気に入りは文字盤を長押しして縦にスワイプするだけで切り替え可能。
心拍数、天気、歩数、消費、PAI(100以上に維持することで心血管患者の死亡リスクを低減し、予想寿命を延長するのに役立つ指標)、バッテリーなど様々な情報に文字盤からワンタップでアクセスできるコンプリケーションにも対応しています。
効率を高めるアシスト機能を搭載したフィットネス機能
フィットネス機能は、運動で消費するカロリーや心拍数の変化、ワークアウトの各種データを記録できます。
ランニングやウォーキング、サイクリングといった一般的なワークアウトから、釣り・スケートボード・ブレイクダンス・太極拳・eスポーツなど幅広い110種類以上のスポーツの記録をサポート。eスポーツで消費したカロリー数を正確に記録できるのか、太極拳と空手に違いはあるのかなど疑問はあるものの、前世代の30種類から大幅に増加したことは事実です。
フィットネスのデータを記録する際に、走り出すことに夢中になって、ついつい記録開始のボタンを押すのを忘れることがよくありますが、屋外ランニング、ウォーキング、トレッドミル、ローイングマシン、エリプティカルといった5種類のワークアウトは、文字盤を操作しなくても自動で動き出しを検出して、トラッキングを自動で開始する便利な機能に対応しています。
フィットネスの効率を高める3つの新しいアシスト機能も追加されました。負荷が足りているのか、オーバーワークなのかを判断できるワークアウトをやっても効果が出づらい人にとって嬉しい機能です。
- トレーニングの負荷分析
- 過去7日間の運動後の過剰酸素消費量(EPOC)に基づいてトレーニングの負荷が足りているか、不足しているかを確認
- リカバリーセッション
- 直近で完了した一回の運動強度に基づいて推奨される休憩時間
- トレーニング効果
- トレーニングの全体的な評価(有酸素運動、無酸素運動)
残念ながらXiaomi Smart Band 7はGPSを搭載していません。
ジムでのワークアウトが中心の人にとって問題はないものの、屋外ワークアウトが中心で、どの日にどういったコースを走ったのか、距離などより正確に記録したい人にとって最適なトラッカーとは言えないため、もう少しお金を出してより高機能なものを購入しましょう。
心拍の測定や睡眠トラッキングによる健康管理機能も
健康管理機能は睡眠トラッキングや心拍数・血中酸素濃度・ストレスの測定が可能です。
心拍数の計測をApple Watchと比べたところ数値はほぼ同じ。睡眠トラッキングでは、就寝と起床を正確に判別してくれます。
さらに、就寝は浅い眠り・深い眠り・レム睡眠・覚醒に分類され、割合を確認して理想の割合と合っているかチェックすることで睡眠の質改善につなげることもできます。
睡眠トラッキングを利用するにあたって重要な要素の一つがデバイスの存在感です。例えば、Apple Watchほどの重さと大きさでは存在が気になって眠れませんが、Xiaomi Smart Band 7ほどの軽さと大きさならそれほど存在が気にならずに眠れました。
記録した睡眠データは、Xiaomi Smart Band 7で見返すことが可能。前日以前のデータや詳細をチェックする場合は専用アプリをダウンロードしたスマートフォンが必要になります。
電池持ちは2週間。常時表示をオンにしたときは?
180mAhのバッテリーを内蔵したXiaomi Smart Band 7は、設定次第で最大14日間充電なしで利用できます。
ただし、魅力的な常時表示ディスプレイや通知をオンにしたり、画面の明るさを上げると電池消費量が大幅に増えるため、14日間の電池持ちは非現実的であくまでも最大の目安です。
実際に常時表示ディスプレイをオンにして、通知をごくわずかに限定、心拍の自動測定、血中酸素の終日測定、睡眠トラッキングの高度測定・呼吸測定をオンにした状態で使い始めたところ4日間で電池切れになりました。最大14日間と聞いた後では少しがっかりするかもしれませんが、ほぼ毎日充電が必要なApple Watchに比べれば、不満のない十分な電池持ちです。
最悪なのはオリジナル端子の専用充電ケーブルです。Apple Watchを筆頭に独自の充電端子を導入しているウェアラブルデバイスが存在していますが、これは最優先で改善されるべきポイントでしょう。Apple Watchは多くの家電量販店で充電器が手に入るため、最悪手元になくても問題ありませんが、Xiaomi Smart Band 7はそうはいきません。
Xiaomi Smart Band 7でできること、できないこと
スマートウォッチの利用目的として上位にランクインする通知機能や歩数計、消費カロリー、心拍測定、睡眠計測といった主要な人気機能には、ほぼすべて対応しています。
フィットネス機能や健康管理機能、音楽のコントロール機能、天候の確認、アラーム、今日の予定を手首の上で確認できます。前日以降の履歴など、機能をフルで利用したい場合はスマートフォンにダウンロードした専用アプリが必要です。
明らかに足りないものは決済機能とGPSです。Xiaomi Smart Band 7にはNFCモデルも存在していますが、日本版はNFCを搭載していません。当然ながらFeliCaも非搭載。PayPayなどのQRコードを表示できないため、決済機能は利用できません。GPSトラッキングもできないため、ワークアウトの正確なトラッキングは不可能。Xiaomi Smart Band 7を落とした場合は自力で探す必要があります。機能 | できること、できないこと |
---|---|
通知 |
|
音声通話 |
|
消費カロリーの記録 | ◯ |
心拍数の測定 |
|
睡眠トラッキング |
|
PAIの測定 | 運動だけでなく日常生活のさまざまな行動からポイントを獲得する健康評価システムを記録。7日間のトータルスコアが100以上であれば、生活習慣病のリスクを大幅に軽減できます |
血中酸素飽和度の測定 | 非医療目的で血中酸素飽和度の終日測定が可能。設定したレベルを下回ったときの通知機能にも対応 |
ストレスの測定 | 非活動時のストレスレベルを計測。ストレスレベルが高い時にストレスを解放するリマインダー機能も |
スタンディングのリマインド | 健康に悪い座りっぱなしを防ぐリマインダー機能 |
フィットネス | 110種類以上のスポーツモードに対応 |
ミュージック |
|
天候の確認 |
|
アラーム | ◯ |
今日の予定の確認 | ◯ |
その他 |
|
決済機能 | X |
GPS | X |
まとめ:Xiaomi Smart Band 7を購入すべき?
It's GOOOOD!!
- さらに大型化したフルカラー有機ELディスプレイ
- 待望の常時表示ディスプレイに対応
- 最大14日間の電池持ち
- コンプリケーションをサポートした文字盤
- 抜群のコストパフォーマンス
TOUGH...
- 通知機能は確認限定。返信など操作は不可
- GPSや決済機能なし
- 独自端子の充電ケーブル
Xiaomi Smart Band 7は、スリム・コンパクト・軽量なデザインながら優れた電池持ちを実現。健康機能とワークアウトのトラッキングに対応するなど、低価格帯ではナンバーワンのフィットネストラッカーです。
ジムなど屋内を中心としたワークアウトを記録するための手ごろな価格のフィットネストラッカーが欲しい人、睡眠トラッキングや心拍数の測定といったスマートウォッチやフィットネストラッカーとして人気の健康管理機能を手ごろな価格で利用したい人にもおすすめできます。
一方で、屋外でのワークアウトが中心の人にはあまりおすすめできません。GPSや単独でのデータ通信機能が搭載されていないため、正確なトラッキングをしたい場合やワークアウト中に飲み物が欲しい場合はスマートフォンが必要になります。こういった機能が欲しい場合は、Apple WatchやGalaxy Watchといった高額なスマートウォッチを購入しましょう。
また、前世代のMiスマートバンド 6から大きなアップグレードはないため、買い替えをおすすめするか迷うところですが、なんといっても価格が6,990円と手ごろです。常時表示ディスプレイに対応したより大きな画面、10%明るくなったことに魅力を感じるのであれば、買い替えもアリだと思います。