画面が割れたiPhoneをAppleの正規サービスで修理すると最大で31,800円の費用がかかる。保証期間の延長や内容を拡張する「Apple Care+ for iPhone」に加入すれば3,400円になるが加入費用が必要だ。
画面の割れたiPhoneをそのまま使っている人の気持ちもわかるほど正規サービスによる画面の交換費用は非常に高い。そこで交換費用が格安の非正規サービスに修理を依頼する人も多いようだが、修理後のiPhoneに複数の不具合が発生しているようだ。
非正規修理後のiPhoneでタッチパネルと明るさ調整が動作しなくなる?
Motherboardが非正規に画面交換を行った「iPhone 8」において修理から6ヶ月間は問題なく動作していたが、Appleが3月末にリリースした「iOS 11.3」にアップデートしたところタッチパネルが一切反応しなくなったとの事例を報じた。
この事象の原因はiPhoneのディスプレイと紐付けられているマイクロチップにあり、ディスプレイだけを交換すると不正検知機能が働いてタッチ操作を受け付けなくなるようだ。画面修理後もしばらくの間は動作していたことからAppleが「iOS 11.3」のアップデートで不正検知機能を追加したと推測できる。
さらに、Engadgetは非正規に画面交換を行ったiPhone 8/iPhone 8 Plus/iPhone Xにおいて画面の明るさを自動調整できなくなる問題を報告している。この問題はiOS 11.3だけでなく過去のバージョンでも発生するとのこと。検証によればiOSの起動中に光センサーが無効化されているそうだ。もしそうならばAppleが意図的に明るさの自動調整を無効にしている可能性がある。
過去には非正規サービスで指紋認証センサーの「Touch ID」と画面交換を行い、後日、iOSをアップデートしたところiPhoneが文鎮化して使用できなくなり、Appleの修理サービスまで受けられなくなる――いわゆる「エラー53」問題が発生。集団訴訟にも発展したが、Appleは謝罪と共に問題を解消させるアップデートを提供している。
Motherboardに問題を報告したiPhoneの中古販売と修理サービスを提供するショップのオーナーによれば、「iPhone X」においてもTrueDepthカメラを非正規に交換した場合、顔認証「Face ID」が動作しなくなるそうだ。さらに、顔認証が正常に動作するように交換できるのはAppleだけとしている。
今回の件についてAppleはコメントをしていない。「エラー53」の時と同じくソフトウェア・アップデートで解消するのか、仕様として放置するのかわからないが、ユーザーが取れるベストな対策は「Apple Care+ for iPhone」に加入して画面交換の修理費用を最大31,800円から3,400円に抑えることだけだ。Apple Care+に加入しているかどうか確認する方法はこちらの記事で詳しく解説している。
コメントを残す