内閣府による調査によれば、2023年のスマートフォンを含む携帯電話の平均使用年数は4.4年で、10年前にiPhone 5s、Xperia Z1、Galaxy Note 3、先日経営破綻したFCNT(当時は富士通)から発売されたARROWS NX F-01Fのころに比べると1.2年以上も伸びています。
当時のiPhone 5sは機種代金が6〜9万円で実質0円でしたが、昨年発売されたiPhone 14は機種代金が13万円で端末返却による負担金が5万円〜になるなど、高額になったことでスマホを買い替えにくくなり、技術や性能の進化が小幅になって買い替える必要性が低くなったこと、耐久性の向上など長く使えるよう進化しことが平均使用年数が伸びた原因と言えます。
平均使用年数が伸びたことによって、バッテリーが劣化した状態で使用する人が増えているはず。バッテリーを交換すれば再び購入直後の電池持ちを取り戻すことができますが、バッテリーの性能が購入直後の状態からどれだけ低下しているのか確認する機能をすべてのメーカーが提供しているわけではないため、そもそもバッテリーが劣化しているのか、劣化していないのかも判断できないことがあります。
今後、需要が伸びると予想されている中古スマートフォンの存在を考えると、バッテリーの性能・健康状態を確認できる機能も強く求められるものになるでしょう。Googleが今年夏以降の公開に向けてベータ版を提供しているAndroid 14では、それらを実現するAPIが追加されるかもしれません。
バッテリーの劣化具合・充電サイクル・製造日が確認できるかも
ベータ版のAndroid 14では、バッテリーの各種情報・状態を取得できるBatteryManagerに新しいAPIが追加される予定です。
充電状態(EXTRA_CHARGING_STATUS)と充電サイクル(EXTRA_CYCLE_COUNT)を確認できる公開APIのほかに、バッテリーの製造日や初めての使用した日、容量がどれほど維持されているのかを示す電池の健康状態を確認できるシステムAPIが存在していることをMishaal Rahmanが報告しています。
通常、システムAPIはサードパーティのアプリが使用することはできませんが、pm grantコマンドによって付与できるBATTERY_STATS権限を持つアプリから使用できることが判明し、開発者の@narektorがBatteryManager APIを使用したコンセプトアプリを開発・配布しています。
早速、ベータ版のAndroid 14を導入したPixel 6 Proにアプリをダウンロードし、必要な権限を付与してバッテリーの健康状態を確認してみました。
電池の健康状態は「Healthy」と表示されていて、性能は元の容量のうち100%とのことで劣化なし。ちなみに、AppleはiPhoneの電池性能が80%を切った時にバッテリー交換を推奨しています。
充電サイクルは103回と表示されているため、10,300%分の電池を消費したことがわかります。バッテリーの製造年月日は2021年8月4日。バッテリーを使い始めた日付は2020年12月1日と表示されていますが、Pixel 6 Proが発売されたのは2021年10月なので明らかに誤っている数値です。
使用開始日については、すべてのデバイスにおいて正しく表示されないようです。そのほかの値についてもどれだけ正確な値が提供されているかわかりません。ただ、値が信頼できるものであれば、きっとGoogleは設定画面にバッテリーの状態を確認できる項目を追加するでしょう。それがAndroid 14になるのか、Android 15になるのか、それ以降になるのかはわかりません。
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