Googleが10月4日に発表するPixel 8シリーズには、パフォーマンスが大幅に改善される最新のTensor G3チップが搭載される見込みです。
パフォーマンスの大幅な改善に合わせてOSアップデートの保証期間が現在の3年間から5世代に大幅延長され、iPhoneと同等の期間をサポートすると報じられており、実現すれば大きなインパクトを生むでしょう。
Googleは、さらなるチップセットの進化を目指し、共同開発を行うSamsungの手を離れてフルカスタムチップの開発を計画しているようです。
Pixel 9の性能アップは小規模に
GoogleはPixel 5まで多くのAndroidスマートフォンで採用されているQualcommのSnapdragonと、独自のセキュリティチップと画像処理プロセッサを組み合わせて使用していましたが、メジャーアップデートとなったPixel 6シリーズからは独自チップのGoogle Tensorを搭載しています。
独自チップと言いながらもすべてがGoogleの手によって作り出されているものではなく、Samsungとの共同設計で主要部分はSamsungのExynosがベースになっています。
The Informationによれば、Googleはフルカスタムチップ(フルカスタムチップ)の搭載を目指しており、コードネーム“Redondo”として開発が進められているとのこと。
Redondoの存在は正確なPixelデバイスのロードマップを示している3年分の計画表でも確認されていましたが、Pixel 9に搭載するために必要な期限に間に合わなかったようです。
独自チップの搭載時期が延期になったことで、別のチップを用意する必要が出てきたGoogleはPixel 9シリーズ向けにコードネーム“Zuma Pro”のチップを用意していると、Googleの内部関係者から得た情報をもとにAndroid Authorityが伝えています。
Pixel 8シリーズに搭載されるTensor G3のコードネームは“Zuma”と判明しており、“Zuma Pro”はG3の派生モデルでマイナーアップデートになるようです。性能アップはGoogle TensorがG2にアップデートされた時に似ているとのことで、大幅なパフォーマンスアップは期待できそうにありません。
なお、次世代チップの開発・検証に必要な開発ボードの存在も明らかになっており、Tensor G3/Zumaの開発ボードはコードネーム“Ripcurrent”と命名されているのに対して、Tensor G4/Zuma Proの開発ボードは“Ripcurrent 24”または“Ripcurrent Pro”と名付けられているとのこと。
延期されたフルカスタムチップは2025年発売のPixelデバイスへの搭載を目指しており、コードネーム“Laguna Beach”または“Laguna”として開発されているようです。
Tensor G3 | Tensor G4 | Tensor G5 | |
---|---|---|---|
搭載デバイス | Pixel 8 | Pixel 9 | Pixel 10 |
コードネーム | Zuma | Zuma Pro | Laguna / Laguna Beach |
開発ボード | Ripcurrent | Ripcurrent 24 / Pro | Deepspace |
フルカスタムチップとなっても根本(IP)は、これまでのノウハウを活かせるSamsungのExynosとなる可能性が高いようです。それでもSamsungが行っていた設計プロセスのすべてをGoogleが行うことからはるかにカスタマイズがしやすいとされています。
カスタムの自由度が増す一方でGoogleはSamsungを頼ることなく自分の手で解決する必要があり、製造を手がける半導体メーカーとやりとりしたり、多くのソフトウェアコードをゼロから書く必要があるとAndroid Authorityは指摘しており、品質問題が心配されます。
一方でSamsungの手から離れることでチップセットの製造をより優れたメーカー、例えばTSMCに切り替えられることをメリットにあげています。
QualcommのSnapdragon 8シリーズは、製造メーカーをSamsungからTSMCに変更したタイミングから評価が上向きになっています。
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