現地時間4月5日、Googleが著作権を侵害したとするOracleの主張を米連邦最高裁判所が退け、10年以上に渡って続いた大型訴訟がGoogle勝利という形で決着した。
Oracleは2010年に自社が所有する特許権と著作権が侵害されているとしてGoogleを提訴し、約90億ドルの賠償金を求めていた。
10年以上、賠償額1兆円の大型訴訟がようやく決着
米連邦最高裁判所によると8人の最高裁判事のうち6人がGoogleを支持する判決を下したとのこと。裁判の争点は公正な理由であれば著作権保護の対象物を権利者の許諾がなくても利用できる権利ーー米国の著作権法で定められたフェアユースに該当するか否かだった。
フェアユースが争われたのはJava APIの宣言コードの複製利用で、フェアユースに該当しないと主張するOracleに対し、Googleの親会社であるAlphabetのラリー・ペイジCEOは「開発者の間で広く行われている普通のこと」と主張していた。
GoogleとOracleの争いは2010年8月にJavaAPIに関する168件の著作権侵害と7件の特許権侵害を侵害しているとして10億ドルの損害賠償を求めてOracleがGoogleを提訴したことが始まり。Oracleは同年1月にJavaを保有するSunを買収していた。
2012年5月の最初の判決で特許権および著作権侵害について認められないとの判決が出る。Oracleが著作権侵害を上訴すると、2014年5月にJavaAPIが著作権法によって保護されるべきとしてOracleが逆転する。
今度はGoogleが不服として最高裁に上訴するものの棄却。ただし、フェアユースの主張が第一審に差し戻されると、2016年5月にフェアユースを認める判決が出た。
なお、このタイミングでOracleは損害賠償の額を約90億ドルまでアップさせている。賠償額をアップさせた理由は訴訟の始まった2010年から6年が経過してAndroidが大きな存在に成長したことにある。Oracleは得られたはずのライセンス収入などを考慮して賠償額をアップさせた。
判決を不服としたOracleが上訴すると、2018年3月にフェアユースは認められないとの判決が出てOracleが逆転。Googleが何度も上訴を求めるとようやく認められて今回の決着に至った。
今回の訴訟でGoogleが負けていれば、APIに著作権が発生するという判例を生み、フェアユースの対象が明確になることで、多くの開発者や企業が同様に訴えられて損害賠償を求められる可能性が懸念されていた。
もしそうなればGoogleが1兆円を支払うよりもはるかに大きなインパクトがあったが、最高裁はGoogleによるJava APIのコピーについて開発者が才能を伸ばして革新的なプログラムでの作業を可能にするための必要なコードに限定されていることからフェアユースに該当すると判断した。
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