Appleが日本時間9月19日に「iOS 17」をリリースします。
iOS 17では、電話をかけるときに自分がどう表示されるのかをカスタムできる「連絡先ポスター」や便利な音声通話のリアルタイム文字起こし、FaceTimeに相手が出られない時に残せるビデオメッセージ、iPhone同士を近づけて連絡先を交換できるName Dropなど多数の新機能が追加されるほか、マップがオフラインマップに対応します。
この記事ではiOS 17で追加される新機能や変更点をわかりやすくまとめています。情報は随時更新しました。
目次
iOS 17の対応機種
iOS 17にアップデートできる対応機種は以下のとおりです。
新たにiPhone 8、iPhone 8 Plus、iPhone Xはアップデート打ち切りになりました。iOS 17の提供以降、重大なセキュリティアップデートを除いてアップデートは提供されないため、新機種への買い替えを検討する必要があります。
iOS 17の対応機種 |
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iPhone 15 / iPhone 15 Plus / iPhone 15 Pro / iPhone 15 Pro Max |
iPhone 14 / iPhone 14 Plus / iPhone 14 Pro / iPhone 14 Pro Max |
iPhone 13 / iPhone 13 mini / iPhone 13 Pro / iPhone 13 Pro Max |
iPhone 12 / iPhone 12 mini / iPhone 12 Pro / iPhone 12 Pro Max |
iPhone 11 / iPhone 11 Pro / iPhone 11 Pro Max |
iPhone XR / iPhone XS / iPhone XS Max |
iPhone SE(第3世代) |
iPhone SE(第2世代) |
iOS 17の新機能・変更点まとめ
iOS 17で追加される新機能やアップデートによって変更される項目を以下にまとめます。
連絡先ポスター
ホーム画面とロック画面に続いて連絡先をカスタマイズできる機能「連絡先ポスター」が追加されます。
お気に入りの写真や好きなフォント(日本語と中国では縦書きのレイアウトにも対応)を使ってポスターを作ると、電話をかけた時に相手のiPhoneの着信画面や連絡先にカスタムしたポスターが表示されます。
なお、アップデートしたポスターは自動で共有されます。
FaceTime不在時に残せるビデオメッセージ
ビデオ通話のFaceTimeは電車に乗っていたり、仕事中だったり、部屋が散らかっていたり、いろんな事情で相手が出てくれないことが多々あります。
そんな時に役立つビデオメッセージを残せる機能が追加されます。
ビデオメッセージではポートレートモードやスタジオ照明を使うことも可能。ビデオメッセージはApple Watchでも再生できます。
なお、FaceTimeはApple TVにも対応します。iPhoneをカメラとして使うことで大画面のテレビでビデオ通話が可能に。Apple TVから直接通話することも可能になります。
メッセージを使った安否確認
目的地に到着すると自動的に友達や家族にお知らせ、途中で進まない時は通知が表示され、応答しない場合は現在地やそこまでの経路、バッテリーの残量、電波の状況などが自動で安全にエンドツーエンドで暗号化して共有されます。
ほかにも正確で簡単に目的のメッセージを見つけられる検索フィルタ、未読のメッセージが溜まった時に、まだ読んでない最初のメッセージにジャンプできるキャッチアップ、吹き出しを右にスワイプして素早く返信できるインライン返信、オーディオメッセージの書き起こし、待ち合わせの時に役立つ位置情報の共有/共有リクエスト機能が追加されます。
メッセージに貼り付けられるステッカー機能では、iOS 16で話題になった写真の切り抜き機能を使ってステッカーとして利用できます。
ステッカーは絵文字やLive Photosにも対応。マークアップやサードパーティのアプリも含めて絵文字が使えるあらゆる場所で利用できます。
iPhoneを近づけるだけで連絡先交換「NameDrop」
写真や動画、ウェブサイトを手軽に共有できるAirDropのように連絡先を手軽に交換できる「NameDrop」が追加されます。
NameDropで連作先を交換するにはiPhoneやApple Watchを近づけて、共有したい電話番号やメールアドレスを選択すると、カスタマイズした連絡先ポスターと一緒に共有できます。
その場を離れても共有が継続する「AirDrop」
iOS 17では、iPhoneを近づけるだけでAirDropで写真や動画を共有できるようになります。
また、AirDropの通信範囲から外れてもiCloudにサインインしていれば、その場を離れてもネットを経由して安全かつオリジナルの品質で共有が継続されます。
さらに、2人で動画や音楽、ゲームを共有できるSharePlayもAirDropから利用できるようになります。
日記が簡単につけられるジャーナルアプリ
年内に新しい標準アプリ「ジャーナル」が追加されます。
ジャーナルは人生の特別な瞬間を日記として振り返るための機能で、写真のメモリーのような機能です。
オンデバイスの機械学習を使ってiPhoneが日記を書くキッカケを提供します。キッカケは写真、位置情報、音楽、ワークアウト、ポッドキャスト、連絡先など。サードパーティのアプリも追加される予定です。
例えば、候補から旅行を選択すると訪れた場所、そこで聴いた音楽、撮影した写真が表示され、すぐに日記を書き始めることができます。日記を継続するために通知したり、新しい候補が追加されたことをお知らせする機能も備えています。
新しいスタンバイ画面
充電中のiPhoneを横向きにすると、離れた場所からでも一目で時間や日付など必要な情報を確認できる「スタンバイ」画面が追加されます。
スタンバイ画面は1つだけではなく、ウィジェットスタック機能を使えば画面を切り替えてより多くの情報を確認できます。
フォトフレームのようにお気に入りの写真を表示したり、スポーツゲームの試合経過、Uber Eatsの配達状況を表示することも可能。Siriのスタンバイでは音声操作で天気を確認して目で天気予報を確認したり、タイマーをセットできるなど便利に利用できます。
iPhone 14 Pro|15 Pro|14 Pro Max|15 Pro Maxの常時表示ディスプレイにも対応します。
プライベートと仕事で使い分けできる「Safari」
Safariにプロファイル機能が追加されました。
集中モードと同じように仕事やプライベートを分けて、履歴、拡張機能、タブグループ、Cookie、お気に入りまでプロファイルごとに切り替えできます。
履歴などを残さないプライベートブラウズでは、使用していないときはロックされて既知のトラッカーがページを読み込めないように完全にブロックします。
現在のSafariでは、SMS/メッセージアプリで受信した認証コードを自動入力するアプリを備えていますが、新たにメールアプリで受信した認証コードを自動入力する機能が追加されました。
検索機能も強化され、かつてないほど軽快に動作し、より読みやすく、より関連性の高い検索結果が表示されます。
グループでのパスワード共有機能
信頼できる連絡先とパスワード一式を共有する機能が追加されます。
共有する際はアカウントを選択してグループを作成。最新のパスワードがグループ内の全員に共有され、いつでもメンバーから削除できます。
署名や自動入力にも対応するPDF機能
機械学習によって入力項目を認識して連絡先の情報から名前や住所、メールアドレス等の情報を自動入力できるPDF機能が追加されます。
カメラでスキャンした紙の書類をPDF化することも可能。手書きの署名が必要な場合は保存した署名をタップ操作で追加したり、iPadの場合はApple Pencilで入力もできます。
そのままファイルアプリで保存したり、メールでPDFを送ることも可能。なお、メモアプリでPDFの整理・閲覧・注釈・共同作業も可能になります。
ロック画面の文字の太さを調整可能に
iOS 16で文字の太さを変更するには、最大8つ用意されたフォントを変更するしかなく、文字の太さを変更できるフォントはわずか2種類だけでした。
iOS 17では一部のフォントを除いて調整バーを左右に動かすことで文字の太さを自由に変更できます。
AirTagを最大5人と共有
これまで1人でしか利用できなかったAirTagに共有機能が追加されました。
両親が子供の持ち物を追跡する場合、1つのリュックサックに2つのAirTagをつける必要がありましたが、共有機能を利用することで1つのAirTagで子どもの持ち物を両親で追跡できます。
なお、共有機能をオンにしたAirTagが近くにあるときはトラッキング通知がオフになります。
トラッキング通知はストーカー行為など迷惑な追跡を防ぐために、持ち主からAirTagから離れてしばらく経つと「AirTagはあなたと一緒に移動しています」といった通知がiPhoneに届いたり、AirTagの内蔵スピーカーから(8時間から24時間)音が鳴る機能です。
AirPodsに新しい「アダプティブオーディオ」が追加
AirPods Pro(第2世代)には新しい「アダプティブオーディオ」が追加されます。
AirPods Pro(第2世代)には、毎秒48,000回ノイズを低減する「アクティブノイズキャンセリング」モードと、外部音を取り込みながらサイレンや電動工具などの強い騒音を最小限に抑え込む「適応型外部音取り込み」モードの2つが用意されていますが、アダプティブオーディオは2種類のモードを動的に組み合わせるモードです。
音に集中できるようノイズを低減しつつ、自転車のベルの音などを取り込み、びっくりするような巨大な音をカットする良いとこどりの機能で、音楽を聴いている時でも会話しやすいように誰かと話し始めるとAirPods Proが自動的に音量を下げる会話感知機能も利用できます。
ほかにもAirPods(第3世代)、すべてのAirPods Pro、AirPods Maxでは、通話中にステムを押すだけで素早くミュート/ミュート解除できるように。
さらに、使用しているデバイスに自動接続/スイッチする便利な機能は、これまでよりもスイッチ速度が大幅に向上し、信頼性も向上します。
その他
- インタラクティブウィジェット
- ウィジェットから直接操作可能に
- 文字入力
- 日本語の手書き文字入力に対応
- 音声入力
- ニューラルエンジンを活用した新しい音声認識モデルによる正確な音声入力
- マップ
- オフライン地図が利用可能に。ネットなしでも店舗の営業時間や口コミ、ルート案内が利用できます
- 充電スタンドの空き状況をリアルタイムで確認
- ミュージック
- プレイリストの共同編集
- メール・メッセージ
- メールとメッセージで受信した認証コードの自動削除機能
- アクセシビリティ
- 自分の声を録音してキーボードタイプで録音した声を再生して自分の声で会話ができるパーソナルボイス機能
- 写真
- 写真に写っている人物の認識機能が向上。猫や犬などペットも含まれるように
- 写真を全画面拡大時に「切り抜き」のショートカットボタンを表示
- Spotlight
- アプリのショートカットが強化。「写真」と入力するとアルバムへのショートカットが表示されるように
- 検索に直接トグルボタンが表示されて設定変更可能に
- ルックアップ
- 写真から似た料理のレシピを検索可能に
- 写真から切り抜いた被写体に関する情報を調べられる項目が吹き出しに追加
- 動画を一時停止して情報アイコンをタップすると被写体の情報を調べられる
- プライバシーとセキュリティ
- パスコード変更後72時間は古いパスコードの使用可能に
- これまでメッセージだけに適用されていた子供を保護するために機械学習でヌードが含まれる写真を検出して送受信を咎める機能がAirDropやFaceTimeメッセージ、連絡先ポスター、サードパーティアプリにも適用
- 上記の制限に引っかかった画像はぼかしが適用されてサムネイルで確認できないようになります
- ミー文字に新しい3つのステッカーが追加
- リマインダー
- 食料品リストにおいてアイテムの自動的なカテゴライズ
- メモ
- 関連するメモを結ぶリンクを追加できるように
- ホーム
- 誰がいつドアに鍵をかけたのか、あけたのかを確認できるアクティビティ履歴の追加
- Apple ID
- 近くにあるデバイス、またはアカウントに登録されているメールアドレスや電話番号を使ってiPhoneにサインインできます
- フリーボード
- 水彩ブラシ、カリグラフィーペン、蛍光ペン、可変幅ペン、定規などの新しいツールの追加
- ヘルスケア
- 気分を記録してメンタルに向き合い、心の病気を改善する新機能が追加
- 壁紙
- アストロノミーに水星、金星、火星、木星、土星、天王星、海王星が追加
- 探す
- iPhoneからApple Watchを鳴らして探せるように
- カメラ
- 動画で背景をぼかせるシネマティックモードが標準のカメラアプリ以外でも利用可能に
- 水平を表示する水準器機能が追加
日本語に対応していない機能
ここでは現時点で日本語に対応していない機能をまとめておきます。
音声通話のリアルタイム文字起こし
音声通話中に相手が話している言葉をリアルタイムに書き起こしてくれるライブボイスメール機能が追加されます。
通話の内容を文字で確認できます。また、書き起こしはオンデバイスで動作するため安全・安心。
不明な電話番号の着信を拒否するオプションをオンにすると、自動的にライブボイスメールに切り替わります(スパムと判断された場合はライブボイスメールも起動しません)
Hey Siri、Heyが不要に
音声アシスタントでは、Hey SiriにおいてHeyが不要になり「Siri、今日の天気は?」と話すだけで応答してくれるようになります。
また、「Siri、エマに今から行くとメールして。家に帰ったら水やりするようリマインドして」とSiriが終了するまで連続的に複数の命令をすることもできます。
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