iPhone 17・Air購入者向けガイド。eSIMで困る人・困らない人、設定手順を解説
Yusuke Sakakura

Yusuke Sakakura
ブログメディア「携帯総合研究所」を運営しています。学生時代に開設して今年が16年目。スマートフォンの気になる最新情報をいち早くお届けします。各キャリア・各メーカーの発表会に参加し、取材も行います。SEの経験を活かして料金シミュレーターも開発しています。

いよいよ9月19日に発売されるiPhone 17シリーズとiPhone Airは、物理SIMトレイを廃止してeSIMオンリーになります。
「結局、何が変わるの?」という疑問に一言で答えるなら、スマホを買い換えるときの手順です。これまでは“差し替えれば終わり”でしたが、eSIMはちょっと勝手が違います。
iPhone同士ならeSIMを簡単に差し替えできますが、MVNOなど一部の回線では手続きが面倒な再発行が必要に。これまでにはなかった手数料や手間が発生することもあります。
そこで本記事では、eSIMで困る人と困らない人を整理するとともに、移行手順についても画像付きでわかりやすく解説します。
eSIMで困らない人
eSIMで困らないのは「eSIMクイック転送」が使える人です。
ちなみに「クイック転送は大手キャリアしか対応していない」と思われがちですが、実際にはKDDIグループのMVNOでも利用できます。
- ドコモ(ahamo含む)
- KDDI
- au
- UQ mobile
- Povo
- BIGLOBE
- J:COM
- ソフトバンク
- SoftBank
- ワイモバイル
- LINEMO
- 楽天モバイル
eSIMクイック転送とは?

通常、eSIMを新しいiPhoneに移すには再発行の手続きが必要。場合によっては手数料も発生します。
そこで役立つのが「eSIMクイック転送」です。これを使えば、eSIMを無料かつ簡単に新しいiPhoneへ移行できます。
また、物理SIMカードを利用している場合でも、eSIMクイック転送を使って物理SIMカードをeSIMに変換することもできます。
なお、eSIMクイック転送はiOS独自の機能。Androidにも似た仕組みはありますが、iPhoneとAndroid間で直接転送することはできません。この場合はSIMの再発行が必要になります。
eSIMの転送・変換は初期設定で
eSIMクイック転送は、新しいiPhoneの初期設定の中で行います。
初期設定の中でデータ移行が完了すると「電話番号を転送」という画面が表示されるので、「iPhoneから転送」をタップして進めましょう。
詳しい手順は以下でまとめています。
- 使用する言語で「日本語」を選びます
- 国または地域で「日本」を選択します
- 好みの外観を選択して「続ける」をタップします
- 素早く簡単に設定の画面が表示されたら古いiPhoneを操作します
- 新しいiPhoneを設定が表示されたら「続ける」または「ロック解除して続ける」をタップします
- 新しいiPhoneに表示される青いパターンを撮影します
- 使用者を選択します。通常は「自分用に設定」です。
- 古いiPhoneのパスコードを入力します
- Wi-Fiに接続します
- データとプライバシーの画面が表示されたら「続ける」をタップします
- 「続ける」をタップしてFace IDを設定します
- 「開始」をタップして顔をスキャンします
- マスクを着用してFace IDを使用しない場合は「あとで設定でセットアップ」をタップします
- Face IDの設定が完了したら「続ける」をタップします
- 転送方法を選択します。転送量が少ない場合は選択肢が出ないため「続ける」をタップします
- 利用規約が表示されたら「同意する」をタップします
- 設定を移行するために「続ける」をタップします
- 「位置情報サービスをオンにする」をタップします
- Apple Payで使っているカードを追加します
- 緊急SOSの説明が表示されたら「続ける」をタップします
- データ転送が始まったら完了まで待機します。完了後、iPhoneが再起動します
- 再起動後、復元が完了したら「続ける」をタップします
- 再起動後、古いiPhoneと再接続するので待機します
- iPhoneから転送を選択します
- 転送するSIMを選択して「続ける」をタップします
- 「転送」をタップ後、画面の案内に従って作業を進めて完了です
- 契約時に設定した4けたの暗証番号を入力して「続ける」をタップします
- 以下の画面が表示されたら「続ける」をタップしてeSIMの転送は完了です
事前にeSIMに変換する
新しいiPhoneが届く前に、物理SIMカードをあらかじめeSIMに変換しておくことも可能です。
発売日直後はアクセス集中によるトラブルを避けたい、と考える人も多いでしょう。ただしeSIMはiPhoneの間で直接転送されるわけではないので、混雑を完全に回避できるわけではありません。
- iPhoneの設定画面を起動します
- 「モバイル通信」に進みます
- 一番下までスクロールして「eSIMに変更」をタップします
- 「eSIMに変更」をタップします
- ポップアップが表示されたら「eSIMに変更」をタップします
- ホームボタンのない機種ではサイドボタンを2回クリックして承認します
- あとは画面の案内に従ってeSIMへの変更を完了させます
eSIMで困る人
eSIMで困るのは「eSIMクイック転送」が使えない人です。
- iPhone X以前のモデル使っている人
- AndroidからiPhoneに買い換える人
- iPhoneとAndroid間でeSIMを頻繁に差し替える人
- MVNOなどeSIMクイック転送非対応の事業者と契約している人
- eSIM非対応のモデルを使っている人
- eSIMに対応していないMVNOと契約している人
- 対応する事業者にのりかえが必要
eSIMクイック転送が使えない場合は、オンラインや店頭で「再発行」や「eSIMへの変換」を行う必要があります。
オンライン手続きでは、本人確認のためにマイナンバーカードや運転免許証の撮影、自撮りが必要になることもあります。
数百円から数千円の手数料がかかることも。店頭で手続きする場合も有料です。
SIMを再発行する
再発行の流れは事業者ごとに異なります。以下に各社の解説ページと手続きページをまとめました。
オンラインで再発行できないケースも
オンラインで再発行できないケースもあります。
例えば、ワイモバイルでAndroidのeSIMを利用している場合、再発行は店頭手続きのみで、4,950円の手数料かかります。

eSIMで気をつけること
ここでは、eSIMクイック転送や再発行を行うときに注意すべきポイントを整理します。
eSIMクイック転送の対応機種
AppleはiPhone XS / XS Max / XR以降でeSIMクイック転送が使えると案内しています。
ただし、事業者ごとに条件が異なり、iPhone 11以降のモデルと、iOSのバージョンが指定されています。対応していない場合は再発行が必要になります。
キャリア | 対応機種 | iOSバージョン |
---|---|---|
ドコモ | iPhone 11以降(SE 第2世代除く) | iOS 16.4以上 |
|
ー | iOS 16以上 |
ソフトバンク | iPhone 11以降(SE 第2世代除く) | iOS 17以上 |
|
iPhone XS / XS Max / XR以降 | iOS 17以上 |
安定したWi-Fi環境で作業する
eSIMクイック転送では、iPhoneからiPhoneへ直接転送されているわけではありません。
キャリアと通信しながら転送するため、途中で通信が途切れると失敗すおそれがあります。
安定したWi-Fiを使える場所で作業するようにしましょう。
eSIMは絶対に削除しない
ドコモなど多くの事業者は、SIMの再発行やマイメニューのログイン時に必要な認証コードをSMSで送信します。
まだ回線が開通していない状態でeSIMを削除してしまうと、そのSMSを受け取れなくなり、手詰まりになる恐れがあります。
この場合はショップに駆け込むか、電話対応を頼ることになります。
ただし発売直後はどちらも混雑していて、長時間通信ができない状態になることもあるため、間違っても設定の途中でeSIMを削除しないようにしましょう。
特にキャリアショップで機種変更する人は注意が必要です。
ショップでは新しいiPhoneにeSIMを設定して動作確認を行なったあと、自宅でデータ移行する流れになります。
データ移行は初期設定でしか行えないため、新しいiPhoneのデータを一度消去する必要がありますが、初期化画面で「eSIMも含めすべて消去」を選択してはいけません。必ず「eSIMを残してデータを消去」を選択しましょう。

まとめ
iPhone 17シリーズとiPhone Airでは、ついに物理SIMがなくなり、eSIMオンリーになりました。これにより内部スペースが増えたことでバッテリーが増量されています。
ポイントを整理すると――
- 困らない人:大手キャリアや対応MVNOを利用し、eSIMクイック転送が使える人
- 困る人:eSIMクイック転送非対応のMVNOや、Androidからの乗り換えなどで再発行が必要になる人
- 注意点:対応機種・iOSバージョンの確認、安定したWi-Fiの確保、eSIMを途中で削除しない
手順さえ理解していれば、eSIMは難しいものではありません。前もって手順を確認し、買い替え当日もこの記事を参考にすることで、新しいiPhoneも安心して使い始められます。
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