auの回線を借り入れて格安スマホまたは格安SIMを提供する「mineo(マイネオ)」が今年9月よりNTTドコモの回線を借り入れ、異なるキャリア2回線の格安SIMを提供すると報じられています。
mineo、今年9月にもドコモ系の格安スマホを提供か
日本経済新聞の報道によると、mineoを展開するケイ・オプティコムは、今年9月にもドコモの回線を借り入れてサービスを提供するとのこと。これによってmineoを契約するユーザーはauの回線かドコモの回線かを契約時に選ぶことができるようです。
関西電力子会社で通信事業を手掛けるケイ・オプティコム(大阪市)は格安スマートフォン(スマホ)事業を強化する。現在のKDDI(au)に加え、9月にもNTTドコモの回線も借りてサービスを実施する方針だ。
引用元:格安スマホをドコモ回線でも 関電系、KDDIと選択可能に :日本経済新聞
また、両者がMVNOに提示している回線の貸出料は、ドコモの方が2割ほど安いため、より安価な料金プランの提供も検討されているとのこと。
iOS 8でデータ通信が利用できなくなったことが要因か
mineoは、au系の回線を初めて借り入れて、格安SIMや格安スマホを提供。au系の格安スマホ事業者は、KDDIが「UQ mobile」をスタートさせるまでは唯一の存在となっていました。
ただ、昨年アップルが発表したiOS 8を搭載したiPhoneやiPadでは突然、データ通信が利用不可になり、同社は対応策を探ったものの、解決することはできませんでした。現状のままではユーザー拡大が見込めないため、ドコモの系の格安スマホを提供するといった流れなのかもしれません。
両社の回線を切り替えられるサービスは提供できない
海外ではグーグルがスプリントとT-mobile、2社の回線を借り入れて「Project-Fi」を提供することを発表していますが、国内で同じような例はなく、今回の報道が真実であれば初の試みとなります。
グーグルの「Project-Fi」では、広大なアメリカの土地で両社の回線を自動で切り替えながら利用できることが最大の特徴となっており、ネットワークの混雑時や災害時に強く、信頼のできる回線を提供することになります。
日本国内でも地方や離島など都市部を離れた土地では、まだまだauの回線が使えないということがあるため、ドコモの回線と自動で切替えて使えるのならば大きなメリットとなりますが、日本では格安スマホ事業者がSIMカードを発行することができないため、「Project-Fi」のようなサービスは提供することができません。
電気とのセット割も提供か。次期iPhoneの発売時期を狙っての9月提供に?
2016年4月より始まる「電力小売りの自由化」によって、各地域で1社のみ販売が認められていた電気事業者の地域独占権が撤廃されることで、電力会社が全国に進出できることになります。
ソフトバンクは、東京電力との提携を検討しており、スマートフォンと電気のセット割を打ち出すものと見られています。ケイ・オプティコムは、関西電力の子会社であるため、両社が協力して同じようにセット割を提供する可能性も低くはないでしょう。
ケイ・オプティコムがドコモ系の格安スマホを提供する狙いとしては、電力小売りの自由化が始まる2016年4月より前に契約者の獲得または囲い込みを狙ったもので、契約者が大きく動くであろう次期iPhoneの発売時期と見られる9月ごろの提供を目指しているのかもしれません。
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