政府は携帯電話の契約時に必要な本人確認において、マイナンバーカード等を活用した方法に原則一本化することを決定しました。
現在は運転免許証などを提示し、氏名や顔写真といった券面に記された情報をもとに本人確認を行なっていますが、本人確認書類の券面を偽造した不正契約が相次ぎ、犯罪者グループ等に利用されています。
政府は「犯罪者のツールを奪う」ための対策として、携帯電話の契約時に必要な本人確認において、券面による本人確認を廃止し、ICチップによる本人確認に置き換えます。
対面の本人確認:ICチップの読み取りを義務化
政府が公表した資料には、携帯ショップや家電量販店など、対面での本人確認においてマイナンバーカード等のICチップ情報の読み取りを義務付けると書かれています。
つまり、これまではマイナンバーカードや運転免許証を提示するだけで本人確認が完了していましたが、今後はICチップの読み取りが必要になります。
これに伴い政府はICチップの読み取りに必要なアプリ等の開発を検討するとしています。
- マイナンバーカード等のICチップ情報の読み取りを義務付け
- 上記に必要なICチップ読み取りアプリ等の開発を検討
- 公的個人認証による本人確認を進める
ネットなど非対面の本人確認:マイナンバーカードのICチップ読み取りに一本化
最近では、ahamoやpovo2.0、LINEMOといったオンライン専用ブランドも増えており、非対面での本人確認を行う機会も増加しています。
現在、非対面での本人確認では、運転免許証の券面や本人の顔を撮影して送信する方式が一般的ですが、今後こういった本人確認方法も廃止になります。また、顔写真のない本人確認書類等も廃止に。
今後はマイナンバーカードの公的個人認証に原則として一本化されるとのこと。
- マイナンバーカードの公的個人認証に原則として一本化
- 運転免許証等を送信する方法は廃止
- 顔写真のない本人確認書類等も廃止
これにより非対面での本人確認手順は大きく変わることになります。事業者は契約手順やシステム改修が必要になるでしょう。
eSIMの交換時においても運転免許証の送信による本人確認の廃止を期待したいところ。今回の決定がeSIMの交換にまで適用されるのかわかりませんが、合わせて廃止および変更を期待したいです。
スマホ搭載のマイナンバーカード対応にも期待
デジタル庁とAppleは来春の後半からiPhoneのAppleウォレットでマイナンバーカードを利用できるよう準備を進めています。
対面での身分証明書の提示にも利用できることから、携帯電話の契約時にも活用されることが予想されます。
非対面でも利用できるのであれば、運転免許証をさまざまな角度から撮影する手間を省略できるだけでなく、マイナンバーカードが手元になくても本人確認できるため、便利になりそう。
なお、AndroidはiPhoneに先行してスマホ用電子証明書に対応したものの、iPhoneのように身分証明書の提示ができる機能については未対応かつ搭載時期も未定となっているため、対応しても利用できるのはiPhoneに限定されることになりそうです。
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