Googleが先月発売したPixel 7aは、発売後すぐに高い評価を得ており、早くも2023年発売のベストコストパフォーマンスモデルとして表彰が期待されるほどの仕上がりです。
Pixel Aシリーズと上位モデルの差別化が大幅に縮まったこともあって秋に発売されるPixel 8シリーズにも大きな期待がかかります。
最上位モデルのPixel 8 Proには、どこでも体温を計測できる非接触の温度センサーが搭載されることが判明していますが、カメラも大幅に改善されるようです。
大型センサー搭載で低照度時の撮影向上か
ここ最近で最も注目すべきリーカーの1人であるKamila WojciechowskaがPixel 8シリーズのカメラに関する情報を伝えています。情報源はGoogle内部とのこと。
まずカメラセンサーがPixel 6/7シリーズで搭載されたISOCELL GN1からISOCELL GN2にアップグレードされます。
GN1のセンサーサイズ1/1.31インチに対してGN2は1/1.12インチと約18%も大型で光を取り込む量が約35%も増えることから、より明るくノイズの少ないクリアな映像を記録でき、高速なシャッタースピードによってブレを低減することが期待されます。
センサーそのものは8K/30fps撮影に対応していますが、Pixel標準のカメラは8K撮影をサポートしないと報じられています。理由はわかりませんが、超解像度の動画撮影では膨大な熱が発生し、安全のために数分間の撮影後にカメラアプリを強制終了させる機種も存在しています。もしかすると、開発中のPixel 8シリーズもそうなのでしょうか。
HDR撮影のゴースト現象を解消
このセンサーはスタッガードHDRもサポートしています。
一般的なHDRは低・中・高の露出で撮影した画像データを1枚に統合することで、白飛びや黒つぶれといった現象を防ぐためのもの。ただし、統合前の画像データは同じタイミングで撮影されたものではないため、合成するとブレのようなゴースト現象が起きることがあります。これを解消するのがスタッガードHDRです。
スタッガードHDRがPixelスマートフォンの純正カメラアプリからも発見されていたことを考えると、実装される可能性は非常に高いことが予想されます。
新しいToFセンサーでAF性能が向上
発射した信号が対象物に反射して帰ってくるまでの時間を元に距離を計測してオートフォーカスの性能を高めるToFセンサーは、Pixel 8 Proだけ8×8 ToF VL53L8センサーにグレードアップされます。これによりAF性能が大幅に向上するかもしれません。
なお、サーモグラフィカメラとしても使えることが期待されていた体温を計測するための温度センサーの型番がMelexis MLX90632であることが判明。
残念ながら体温測定以外にこのセンサーを利用することはできないようです。
超広角レンズもセンサーサイズが大型化
景色をダイナミックに撮影したり、室内など狭い場所や対象物との距離が近い場合などで活躍する超広角レンズ。Pixel 8 Proでは、Pixel 7aのプライマリカメラに使用されているSony IMX787にアップグレードされます。
画素数は12MPから64MPになり、センサーサイズがほぼ2倍になることで画質が大幅に向上。視野角もズーム比0.56倍から0.49倍に変化することで、わずかに広い画角で撮影できるようになります。残念ながら通常のPixel 8は12MPのSony IMX386を搭載するようですが、視野角は0.67倍から0.55倍に変化することで、こちらもわずかに広い画角で撮影できるようです。
なお、Pixel 7 Proには超広角レンズを使用して被写体に超接近してボケなく撮影できるマクロモードが搭載されていましたが、Pixel 8 Proでは確認されておらず廃止になる可能性があります。
撮影機能の向上も
大幅な性能向上を遂げる新チップによって期待されるカメラアプリおよびソフトウェア処理の機能向上については、動画で背景をぼかせるシネマティックモードでボケレベルの調整が可能になるほか、撮影シーンや撮影モードに応じてフラッシュの強さを自動調整することで、露出オーバーを防ぐ機能、AIを使って撮影したシーンを部分分割して部分的に処理を施すセグメンテーションAWBが追加される見込みです。
今回、アップグレードされるのは広角レンズと超広角レンズのみで望遠レンズやフロントカメラの変更はありません。
広角レンズ | 超広角レンズ | 望遠レンズ | フロントカメラ | |
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Pixel 8 |
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Pixel 7 |
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Pixel 8 Pro |
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Pixel 7 Pro |
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